625 / 1,519
子煩悩
しおりを挟む追い払うだけならそれでも良いんだが…。
「それではライガーは助からんよ。結局追われて食われるだけだ。かと言って、助けるのも問題なんだよなぁ」
「ライガーだぞ?殺らなきゃコッチが殺られちまう」
「減り過ぎも問題なんだよ。ライガーが食ってる動物が、食われない事で数を増やすと、増えた草食…ドウドウだっけ?そんな感じの奴等に木の皮を食われたしりて森が枯れたりする」
「へー」
「魔素があるからそう簡単には枯れたりしないがな。取り敢えず、防衛に徹して静観したらどうだ?追い立てる者が居るなら、それを確認するのも良いな」
「成程な」
「リュネ、雪は作れるか?」
「え?まぁ、出来ない事はありませんが…得意では無いです」
リュネの得意は転移に建築、後はおっぱいプレスだな。お尻プレスも良い…っと、話を戻す。
「街道の雪の壁くらいで良いんだ」
「その程度でしたら」
「ジョンくんよ、木の伐採がてら少し出て来るよ」
「おいおい、獲物を独り占めか?」
「否、脇道を作ってそっちに向かってもらうだけだ。俺はライガー好きなんだ。敵対して来ないなら、出来れば殺りたくない」
「お前、獣人好きだもんな」
「失礼な。女好きで獣好きなだけだ」
「排除しましょう」「やめてよ!」
リュネと二人で空に上がり、街道まで一直線に進む。まだ更地の中までは入って来てないようだ。橋を越えて更に進む。《感知》で見ると十キロ程先に大きな群れが向かって来てるのが確認出来た。足も早いしアレで間違い無いな。
「《収納》しちゃえば直ぐですのに」
「乱獲はいかんよ。道を作るので雪の壁を作っておくれ」
「はぁい」
街道に沿って斜めに側道を作る。木を引っこ抜いて道にするのだ。街道の南側に五百ハーン程の大きさで、のの字を逆さにした感じで道を作り、《威圧》の板で道を均す。
出来上がった道の左右と底面に雪の壁と地面を作るのはリュネ。苦手とか言うが人なんぞと比べ物にならん速さで偽街道が出来上がって行く。最後にY字路の本線を雪の壁で塞いでもらい、罠街道が完成した。
「良い木が採れたぜ」
「おーい、カケルー」
「ジョン?」
何しに来たのか?ジョンが跳んで来た。跳んでるので落ちるが、木の先端に捕まって何とか落下を免れていた。
「此処まで上がって来い。浮かせてやる」
「おうよっ!……悪いな」
「何しに来たんだ?」
「空から強行偵察出来るの俺だけだし」
「指揮者が前線で偵察すんなし…まあ良いや。下に見える偽の街道に誘導させる」
「カケルさぁん」
「どした?」
「子供です」
「「子供?」」
彼処に、と指差す先を《感知》で見ると、確かにライガーと思しき群れを追い立てる者が居る。…居るんだが、子供にしては大きいな。それに空を飛んでいる。
「な!ドラゴン!?」
ジョンは目視で見えたのか?俺には点にしか見えないが、強さはトカゲを凌駕してる事だけは分かった。
「親はどうしてるんだ?もう巣離れ親離れする物なのか?」
「必ず居るはずですよ?こう見えて子煩悩ですから」
どう見ても子煩悩だろ、とは敢えて言わない。石の玉を抱いてママみを醸し出す程龍は子煩悩なのだ。はぐれたとしても絶対探しているに決まってるよな。
「うへぇ、ライガーが来やがった」
俺達は上空から高みの見物。側道に入って行くのが見えて先ずはホッとした。リュネは気を使って姿が薄くなる程の《阻害》を掛けていたようだ。
ライガーの群れが全て側道に駆け込んで、暫くして子供が飛んで来る。うちの子よりは小さいが、魔力はだいぶ高いな。これは栄養状態に因る物か。魔力を高めるご飯、考えなきゃ…。
そんな事思う間も無く、リュネが光って真の姿を現した。驚くジョン。驚く子龍。びっくりして龍の血漏らしてるけど、ジョンは漏らして居るまいな?
「カケ…ル、死にそ…」
「ああ、悪いな」
《威圧》の壁で囲ってやって、何とか龍の《威圧》を遮ってやる。大きめに囲ったから暫くは酸欠しないで済むだろうと思いたい。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
魔力0の貴族次男に転生しましたが、気功スキルで補った魔力で強い魔法を使い無双します
burazu
ファンタジー
事故で命を落とした青年はジュン・ラオールという貴族の次男として生まれ変わるが魔力0という鑑定を受け次男であるにもかかわらず継承権最下位へと降格してしまう。事実上継承権を失ったジュンは騎士団長メイルより剣の指導を受け、剣に気を込める気功スキルを学ぶ。
その気功スキルの才能が開花し、自然界より魔力を吸収し強力な魔法のような力を次から次へと使用し父達を驚愕させる。
病弱が転生 ~やっぱり体力は無いけれど知識だけは豊富です~
於田縫紀
ファンタジー
ここは魔法がある世界。ただし各人がそれぞれ遺伝で受け継いだ魔法や日常生活に使える魔法を持っている。商家の次男に生まれた俺が受け継いだのは鑑定魔法、商売で使うにはいいが今一つさえない魔法だ。
しかし流行風邪で寝込んだ俺は前世の記憶を思い出す。病弱で病院からほとんど出る事無く日々を送っていた頃の記憶と、動けないかわりにネットや読書で知識を詰め込んだ知識を。
そしてある日、白い花を見て鑑定した事で、俺は前世の知識を使ってお金を稼げそうな事に気付いた。ならば今のぱっとしない暮らしをもっと豊かにしよう。俺は親友のシンハ君と挑戦を開始した。
対人戦闘ほぼ無し、知識チート系学園ものです。
暗殺者から始まる異世界満喫生活
暇人太一
ファンタジー
異世界に転生したが、欲に目がくらんだ伯爵により嬰児取り違え計画に巻き込まれることに。
流されるままに極貧幽閉生活を過ごし、気づけば暗殺者として優秀な功績を上げていた。
しかし、暗殺者生活は急な終りを迎える。
同僚たちの裏切りによって自分が殺されるはめに。
ところが捨てる神あれば拾う神ありと言うかのように、森で助けてくれた男性の家に迎えられた。
新たな生活は異世界を満喫したい。
【完結】ポーションが不味すぎるので、美味しいポーションを作ったら
七鳳
ファンタジー
※毎日8時と18時に更新中!
※いいねやお気に入り登録して頂けると励みになります!
気付いたら異世界に転生していた主人公。
赤ん坊から15歳まで成長する中で、異世界の常識を学んでいくが、その中で気付いたことがひとつ。
「ポーションが不味すぎる」
必需品だが、みんなが嫌な顔をして買っていく姿を見て、「美味しいポーションを作ったらバカ売れするのでは?」
と考え、試行錯誤をしていく…
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる