女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

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 リュネと滅茶ックスして目覚めたのは二日後の朝。そろそろ熱もほとぼり冷めただろうか。

「おはようございます、カケル様。お食事は食べられそうですか?」

「食べるよ。腹減って倒れそうだ」

レロレロと優しく舐るテイカを撫でて起き上がろうとするのだが、起きたいのに離れてくれない。満足するまでしゃぶらせて、濃いのをたっぷり飲ませてやった。

朝食を食べて人心地着いた俺は、お茶を啜るリュネに確認した。

「リュネよ、まだあの人の子は捨てたりしてないよな?」

「あの、とは?」

「ウラシュ島の街を襲って来た奴等だよ」

「ああ、忘れかけてました。まだ入ってますね。捨ててしまいましょうか?」

「強制労働者にしようと思ってな。後で小島の街に行こう」

「はぁい」

「私も」「私は何方にしても行くつもりだ」「我も同行しようか?」

四龍が行く事になり、カラクレナイが拗ねる。拗ねて俺を抱いて絞める。死にそ。《強化》増し増しで耐え、トカゲの魔石を差し出して何とか解放してもらえた。持ってて良かったトカゲの魔石。

 転移門を潜って小島の国に着くと、バジャイが飛び込んで来た。

「カケル様!カケル様ぁ!」

「寂しかったか?ごめんなぁ」

「バジャイ、会いたかったの!」

「よーしよしよしよしよしよしよし」

可愛い事言ってくれるバジャイを撫で回し、玄関を出て街へと向かう。風呂に入りに来る女達もそうだが、街の女の生活レベルが上がった気がする。不足なく食べられて、働いて物が増える。そして清潔な体になって元気が溢れてるのが見て取れる。挨拶を交わしながら兵士の詰所へ向かい、ボーデンフェルトを呼び付けた。

「おお、カケル殿。来たのか」

「ちょっとした報告と、新しい強制労働者の補充をな。リュネ、頼む」

「はぁい」

詰所前に現れた人影は百人を超えていて、これ全部使え、となると困ると思った。

「この者…、見覚えあるぞ。先日攻めて来た者共か」

「キネイアッセンの、名前知らん国から命令を受けて略奪してたんだと」

「此奴等は名前を知らん国に命令されていたのか?」

「言い方が悪かった。俺がその国の名を知らないんだ。その国は懲らしめたからもう略奪は無い筈だ。で、こんなに居るが、使えるか?」

「何とかしよう」

「では、命令権を渡しますね」

命令権がボーデンフェルトに渡されて、列を成して詰所に入って行く。流石に百人超は狭いと思うが…。
強制労働者が全員入り、暫くするとがなり声を上げて数人の兵士が飛び出して来た。次の仕事に向かおうと少し浮いてたのに。

「カケル!お前!何であんな奴生かしてんだよ!?」「おい止めろってっ」

眉間に皺の寄るリュネ達を制して話を聞いてやる。ステイ、ステイだぞ?

「カケル殿、すまん。俺達も頭では分かってるんだ。だがな…」

「ギネウも、ジャースも…彼奴等に殺られたんだぞっ!?」

「殺した奴が居たのか」

「…矢を当てて小躍りしてやがったんだ」

「柱に縛り付けて見世物にされてたぞ」

「的当てもな…」

俺の問いに、皆悔しさを滲ませて答えていた。

「死なないように大事に使ってやれ。龍の洗脳は百年そこらじゃ解けないからな」

「こんな胸糞悪い奴等と死ぬまで一緒に居ろと!?」

「それだったら忘れないだろ?」

「「当たり前だ!」」

「お前達、待つのだ。カケル殿は其奴等をこの場で生かす事で我等にもっと強くあれと示しているのだろう」

ボーデンフェルトの言葉に兵士達の言葉が詰まる。

「災害はな、忘れた頃にやって来るんだ。百年なんて待ってくれない。此奴等の居た、キネイアッセンの国はリュネ達が何とかした。ヒズラーは戦争を止めさせたが、狼藉者が来るやも知れん。それに、その内この街の話が出回って、島の中からも敵が来る可能性だってある。難民としてやって来て、中から壊そうって敵も来るだろう。俺達が留守の間、守れるくらいには強くなって欲しいんだよ」

ボーデンフェルトが頷く。兵士達はそれを見て納得せざるを得ない様子だった。




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