女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

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飼い主のモラル

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 謝罪の言葉を受け入れて、一旦家まで戻って来た。

「皆、よく我慢したな。撫でてやろう」

「お、怒ってなんてませんから」

「うむ、いかってなぞおらん」

「なでて~」「バジャイもー」

何だかんだで頭を寄せたり擦り付けて来る四人を撫で散らかす。よしよし。

「帰って来たようだな」

湯上りなのか、ホカホカしたミーネが主婦達を連れて地下から上がって来た。

「姉さん、お風呂に入りに来たの?」

「唯の付き合いだ。それより、行くのか?」

ミーネが行きたい先は、キネイアッセンだな。リュネも行くと言う。リームは残ると言うので海からの防衛策を思案してもらう事にした。ネーヴェは子供達と遊ぶそうで、バジャイを抱っこして飛んでってしまった。

「カケルさん、準備は良いですか?」

「良いけど、良いのか?」

「何がだ?」

「村娘とかを抱くぞ?」

「嫉妬に狂って、フーーって、しちゃうかも知れません」

「旦那様を二日寝込ませたのにか?」

「それは…、反省してますが…」

「リュネ、孕ませてやれなくてごめんな」

「カケルさぁ~ん」

たわわに抱き着かれて幸せ。ミーネも腕に絡み付き、幸せと思う間も無く景色が切り替わった。


 気付いたら上空。眼下には海と、騎竜の居た要塞が見える。兵隊や貴族は虐殺されたがトカゲは居るんだったな。要塞の中に降り立つと、トカゲ共がリュネ達の気配にビビり散らして騒いでる。

「黙れ」

ミーネの一言で静かになったが、聞こえたのか?
ミーネはそのままトカゲの厩舎に行くみたい。俺は人を全員集める。リュネは男の巣と公共浴場を作るそうだ。
住民が全員集められたが、全員女だった。要塞に住んでいた男は全員貴族か軍属だったようだ。要塞だから、一般職員も軍属扱いだったって事だろうか。

「リュネ、男の巣は要らなそうだぞ?」

「そうですね。ですが輸送等で多少の出入りはあるかも知れませんし、小さいのを作りましょうか」

「リュネの作るのは良いヤツだから男を住まわせたくないんだがな」

「うふ、ちゃんと作りますから大丈夫ですよ」

俺がやるのより断然早く、男の巣と公共浴場が出来上がる。《収納》と建設を同時にやってる感じだ。中を見ないで内装を作れるのだから凄いよな。
俺が作る程度のシンプルさで出来上がった建物はとても丁寧に作られていた。俺のを参考にしたとは思えないぜ。
女達に指示を出し、生活活動をしてもらう。序に怪我や病気も治してやった。娼婦の保菌率高過ぎやしないか?

「旦那様よ、トカゲはどうする?」

「野生に帰して生きられるなら逃がしてやっても良いぞ?《洗脳》してないんだろ?」

「そう言えばしませんでしたね」

「死んだら死んだだ。それが野生と言う物だ」

「飼い主が居ないから飼い主のモラルが…とかは言えないが、ちと可哀想だよな」

「多分、生きられませんねぇ」

「お前が狩るだろうしな」

「美味しいのしか借りませんよ!」

このトカゲは美味しくないらしい。取り敢えず、人を襲わないようにミーネに念を押させ、全て逃がす事にした。戸惑って居たトカゲ達は厩舎から出ても、街から出る事は無かった。歩いてる女を避けながら日当たりの良い場所に座って日向ぼっこしとる。この要塞が、お前達の巣なんだな。

「初めてトカゲが可愛く見えました」

「ふむ、多少の知恵はあるようだな」

「地頭は良いと思うぞ?野良でも作戦立てて掛かって来るし」

空に上がり、話をしながら空を往く。街道を進み、集落や街を回って男の巣と公共浴場を建てて行った。


「ここにもありましたね~」

リュネの言う、ある物とはダンジョンの事である。この国にもダンジョン都市があり、冒険者が日々の糧を得ていたようだ。今は全員《洗脳》して、冒険者は炊き出しの飯を食うだけの存在になってるが。

「こりゃあ参ったな」

「何が参ったのだ?」

「面倒臭いがギルドの業務を復帰させなきゃならん」

「指示が大変と言う事だな」

面倒しかない。今夜はこの街に泊まる事にした。


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