793 / 1,519
冥土の土産
しおりを挟む「すんません、勘弁してください。アレは此方で処分しますから…」
そう言って頭を下げるジョンに泥をぶっ掛ける馬鹿女。
「マスター、冒険者に諂い過ぎでヒッ!」
「口を開くな。首を落とすぞ」
何も無い空間から表れたグレイブが瞬く間も無く馬鹿女の首に据えられる。女は身動きする事も出来ず、心胆寒からしめていた。
「落とさないのですか?」
「…此処では、汚れますので…」
「《洗浄》しますよ、《洗浄》うふふ…」
怒ってるなぁ。このままでは街を《洗浄》されかねん。
「リュネ、俺は仕事で来たんだ。苛ついても我慢しろ」
「カケルさぁん…」
「お前も仕事の関係でしか無い癖に舐めた口を聞くな。お前が奴隷墜ちしても賄えない額の取引だぞ?」
「う…うぅ…」
「カケル、リュネ様。ご迷惑かけてすいませんでした!」
再びジョンが腰を折る。職員が、冒険者が、それを見て静まり返る。
「今回はジョンの顔を立てる。次は問答無用で殺す。誓約書を書け」
「…分かった。誰か、誓約書持って来い」
その場で誓約書を取り交わす。リュネも見て、問題無しと判断された。そしてギルマスの部屋へと通された。
「取り敢えず殺すつもりは無いが、マジで気を付けてくれよ?特にリュネ達が居る時はな」
「徹底した筈なんだが、まさかまだあんな口を聞く奴が居るとはな…」
ソファーに掛けてお茶を飲み飲み一息付く。
「カケルさんの顔を立てます。次は無いですよ」
「その時は俺が殺しますので…」
「取り敢えず商談しようぜ。魔石一杯獲って来たんだからさ」
冷や汗タラタラのジョンに助け舟を出してやる。
「そ、そうだな。海竜だったよな」
「手持ちに四十八個あるが、幾つ買える?」
「買いきれねぇなそりゃあ。今買い取りたいって奴は六人だが、それぞれ一つだ」
「真面な相手なんだよな?」
「真面じゃないのは数に入れて無ぇ。魔法ギルドと治療院が一つずつ、今の二ヶ所と商業ギルドの隠居のジジババが一つずつに、学園が一つだ」
「年寄りしか買わんのか」
「若い奴は金持ってねーからな。因みに値段は一律二千万ヤンで頼みたい」
「国宝レベルが二千万か」
「カケル様、個人レベルではこれでも頑張っている方かと」
ジョンの後ろに控えるサブマスの女が口を挟む。それは良い。何で毎回違う女がサブマスなんだ?有能なサブマスを増やせとは言ったけどさ。美人多くね?
「否、相場が分からんだけだから気にするな。初めて獲れたのは天然物でちょー怖かったからなぁ」
「私を治すのに使った石ですね」
「んだ。アレだったらもっと色付けさせる所だが、コイツはダンジョン産だし、こんなもんなんだろう」
「俺が買う訳じゃねぇが、ジジババ共の冥土の土産だ。売ってくれよ」
「どうせハークかアルアの所に持ってくだけだろ」
「…かもな。上手く隠すようには進言させてもらうぜ」
海竜の魔石六個の代金一億二千万ヤンがギルド証に振り込まれた。ギルドが十軒干からびる金額であると言う。
「所でカケルよう、指名依頼受けちゃくれねーか?」
「何だ?殺しか?」「戦争ですね?」
「んな物騒な事指名依頼で頼めるか!学園に魔石を届けて欲しいんだよ。キッティ、依頼書書いてくれ」「畏まりました」
ここから適当な商隊に運ばせて、野盗に盗られたら大問題だから、だって。俺達なら飛んで行けるし災厄レベルの護衛も居るから確かに確実だな。小遣いレベルの金額だが受ける事にした。
「カケルさぁん、私のランクも上がるでしょうか?」
「リュネ様なら直ぐにBになられますよ?」
いーなー、俺苦労してBになったのに。リュネからギルド証を受け取ったサブマスキッティが機械に通してサッと返す。
「見てください。Bですよ」
「いーなー」
「お前だってBじゃねーか。Aに推薦しちまうぞ?」
「まあ、これだけの品ですから、よろしいかと」
流石にそれは断った。膝を着く相手は此方で選びたいからな。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
魔力0の貴族次男に転生しましたが、気功スキルで補った魔力で強い魔法を使い無双します
burazu
ファンタジー
事故で命を落とした青年はジュン・ラオールという貴族の次男として生まれ変わるが魔力0という鑑定を受け次男であるにもかかわらず継承権最下位へと降格してしまう。事実上継承権を失ったジュンは騎士団長メイルより剣の指導を受け、剣に気を込める気功スキルを学ぶ。
その気功スキルの才能が開花し、自然界より魔力を吸収し強力な魔法のような力を次から次へと使用し父達を驚愕させる。
病弱が転生 ~やっぱり体力は無いけれど知識だけは豊富です~
於田縫紀
ファンタジー
ここは魔法がある世界。ただし各人がそれぞれ遺伝で受け継いだ魔法や日常生活に使える魔法を持っている。商家の次男に生まれた俺が受け継いだのは鑑定魔法、商売で使うにはいいが今一つさえない魔法だ。
しかし流行風邪で寝込んだ俺は前世の記憶を思い出す。病弱で病院からほとんど出る事無く日々を送っていた頃の記憶と、動けないかわりにネットや読書で知識を詰め込んだ知識を。
そしてある日、白い花を見て鑑定した事で、俺は前世の知識を使ってお金を稼げそうな事に気付いた。ならば今のぱっとしない暮らしをもっと豊かにしよう。俺は親友のシンハ君と挑戦を開始した。
対人戦闘ほぼ無し、知識チート系学園ものです。
暗殺者から始まる異世界満喫生活
暇人太一
ファンタジー
異世界に転生したが、欲に目がくらんだ伯爵により嬰児取り違え計画に巻き込まれることに。
流されるままに極貧幽閉生活を過ごし、気づけば暗殺者として優秀な功績を上げていた。
しかし、暗殺者生活は急な終りを迎える。
同僚たちの裏切りによって自分が殺されるはめに。
ところが捨てる神あれば拾う神ありと言うかのように、森で助けてくれた男性の家に迎えられた。
新たな生活は異世界を満喫したい。
【完結】ポーションが不味すぎるので、美味しいポーションを作ったら
七鳳
ファンタジー
※毎日8時と18時に更新中!
※いいねやお気に入り登録して頂けると励みになります!
気付いたら異世界に転生していた主人公。
赤ん坊から15歳まで成長する中で、異世界の常識を学んでいくが、その中で気付いたことがひとつ。
「ポーションが不味すぎる」
必需品だが、みんなが嫌な顔をして買っていく姿を見て、「美味しいポーションを作ったらバカ売れするのでは?」
と考え、試行錯誤をしていく…
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる