女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

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ホント、止めろって

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 帰宅したその日は一日ゆっくりして、翌日。忘れかけていた商売に行こうと思う。

「カケル、お出かけ?」

「私もおでかけ」

「カケル…、行っちゃやなの」

イゼッタにネーヴェにカラクレナイが立ちはだかってがぶり寄る。ネーヴェは出掛けるんだからがぶり寄るなよ。

「ジョンの所にデカい魔石を売りに行くんだ。パパは生活費を稼がなきゃならんのだ」

「私、テッチー達のトコ行く。いっしょ~」

右の腰にがぶり寄ってたネーヴェが背中に回り込む。押すな。

「仕事だけ?」

「そりゃあ仕事だけだろ。お土産買って来ようか?何が良い?」

「おしめ」

洗い替えはあるが新規で欲しいそうだ。売っていれば必ず買うと約束し、離れてくれた。

「カララも行きたいの」

「そうだなぁ。ママの許可があれば良いぞ?」

「聞いてくるのー!」

ぶっ飛んで食堂を出るカラクレナイ。小島の国に行くのかな?急いでは無いが勝手に行くと嫌われちゃうだろうから待つしか無い。他に売れそうな物でも探してみるか…。

「他に売れそうな物、何か無いかな」

「奥様方、お茶をお持ちしました。ご主人、ダンジョンに潜ったのならドロップは無いのか?」

「ダンジョンの街で粗方売っちゃったんだ。もう魔石のデカいのと魔剣魔装しか残ってない」

  「それは売りにくいですね。お菓子をお持ちしました」
フラノノがお茶とお菓子を並べてくれるのでお茶にしよう。ネーヴェはお友達にあげる用のお菓子も欲しいと言って厨房に消えてった。おやつは俺も欲しいな。殆ど俺、食ってないけど。

「カーケールさぁん」

「なーあーに?」

「母さんの所に行くのですか?」

「ジョンの所に行くだけだよ」

「私も行きますね?」

「まあ、良いけど」

リュネが同行すると言う。本当にママ様の所に行く予定は無いのだが、来たいと言う龍を拒否は出来まい。

「おやつもってきた~」

「それは良かったな。俺も欲しいんだが残ってるか?」

「…あげる」

厨房から略奪して来たおやつの中から小袋一つ出してくれた。多分甘納豆だろう。

「旦那様よ、娘と出掛けたいそうだが?」

カラクレナイを連れてミーネが帰って来た。助詞が少しおかしいぞ?

「ミーネ。カラクレナイ一緒に来たいんだよ」

「やはりな。母の所に行くのか?」

「ジョンの所にデカい魔石を売りに行くんだ。ネーヴェが遊びに行くから、そっちで一緒に遊べば良いと思うぞ」

「それでも良いの。ママァ~」

「カララちゃんは、私と一緒に行きましょうね~」

「ネーヴェ様と遊んでおけ」

「はぁ~い」

「ああん、いけずぅ~」


 カラクレナイが戻って来たので移動しよう。転移門を潜ってクリューエルシュタルトに着くと、カラクレナイはネーヴェと共にテッチー姉妹の家に遊びに出る。俺とリュネは一路ギルドへと向かった。

「げっ、カケル…様。何か用ですか?」

カケルの姿だとこの対応である。ライデンの時は真面に応対してくれたのに…。

「ジョンに売り物を用意して来たと伝えろ。それと、街が更地になるからそれ以上の暴言は止めておけよ?」

「はあ。まあ呼んで来ますが、売るなら買取りカウンターでも出来ますよね?」

ホント、止めろって。後ろでリュネがギリギリ言ってるのが聞こえないのか?
のらりくらりと階段を上がって行く馬鹿女は後で脱糞させるとして、今はこの街の脅威を排さねばならん。

「リュネ、二人きりでそんな顔しないでくれよ」

「カケルさんはもっと怒って良いのですよ?」

「リュネが居るから怒らないだけだよ。居なけりゃ即脱糞させてるさ。可愛いリュネに臭い思いさせたくないんだ」

「んもう、カケルさんったら」

「カケル!リッ、リュネ様!?お久しぶりです」

ドタバタと階段を駆け下りるジョンが急減速して腰を低くする。

「買取りカウンターに行けって言われちゃったよ」

「ギルドを更地にしてくれと言っていましたねぇ」

そんな事誰も言ってないぞ?
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