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寝過ぎた
しおりを挟む親父殿と話をし、繭殻を売ったお金で絹布を買ってもらう事になった。売り切る時間は掛かってしまうが一から作るよりはマシだと言う。エージャのマジックバッグに詰め込んで、エージャがマジックバッグ持ちなのを知って驚く親父殿であった。
「何時の間にそんな物を…」
「乙女の秘密です」
「カケル殿、ソレは商人にとって喉から手が出る程のモノなのですぞ」
「ダンジョン産だからなぁ、拾えたらお土産にするよ」
「本当ですか!?頼みますよ?」
「敵を増やさないようにね」
取り敢えず用件が済んだので、街で種やミズゲルの核等の買い物をして島に帰る。俺が加工した砂粒に、イゼッタとリア、それにノーノが魔力を付与して属性魔石に変える。木の棒にくっ付けたり鉄板に乗せるのはラビアン達に任せた。赤ちゃん達のお世話もあるし、ゆっくり内職してもらおう。
昼食食べたら赤ちゃん達と一緒にお昼寝した。柔らかくて暖かくて可愛い。
「また、アソコ行くの?」
夕飯を食べながら明日の予定を話していると、イゼッタがジト目で問うて来る。
「仕方無いだろ?マジックバッグが拾えそうなのがアソコくらいなんだから。他のダンジョンでも取れそうだとは思うが実績があるからな」
「…溺れちゃダメ。後、三日以内で帰って来て」
「三日だと入って一日しか居られないよ。十日は欲しいな」
「…四日」
「九日」
「カケルゥ…」
「分かったよう」
それでも宿一泊分を足して五日の日程をもぎ取った。ダンジョン内は往復四日。遊んでられないな。
「イゼッタさん、何故そんなに日程にこだわるのでしょう?」
「ですね。十日そこらなんていつもの事ですよね?」
「アソコ、女だらけ」
「「三日で」よろしいかと」
「絶対拾える訳じゃ無いんだからさ、頼むよ…」
女達の白い視線が刺さる。これは福利厚生せざるを得無いだろう。
昨夜はお楽しみでした。と言うより朝までお楽しみでした。眠いのを我慢して食料やおやつを《収納》し、朝食を摂ったらノーズコーンに入って直ぐに空に上がった。移動中に寝ておくつもりだが、目覚めると既にダンジョン都市の上空で、日も天辺辺りに居た。どうやら寝過ぎたようである。街から少し離れて着陸し、荷車に乗り換えて街へと向かった。
面倒だけどギルドにて事務処理をしたらとっととダンジョンへ向かう。この時間だと出入りする冒険者は居らず、皆のんびり過ごしているな。受付で金を払って鑑札を受け取り、衛兵に鑑札を渡してダンジョンへと入ってく。十階迄は箱も無いだろうって事で、《威圧》の壁で四方を囲って飛んで進む。ブフリムやウォルスが突っ込んで来ては弾かれてる。薄暗いからもう少しだけ寝られそうだ。
で、気付くと十階のボス前。此処にも誰も居ないので、すんなりボス部屋に入って荒ぶってるブフリムを煙に変えた。ゴミみたいな魔石に、ゴミ以下の武器が落ちるがスルーして下への階段を降りた。
「宝箱、宝箱…」
階段を降りて、フィールドエリアを《感知》で見回す…が、無い。人が多いし開けられちゃったのだろう。更に潜って箱を探すか。
箱を探しながら潜って二十一階、ホテルオナホの階まで来た。箱は幾つかあった物の、マジックバッグは入って無かった。確か前回拾ったのは地下深くの明かりの無いエリアだったよな。少なくともあの辺り迄は潜らにゃならんのだろう。眠気も無くなって居たのでホテルを飛び越え更に下へと進んでく。
この辺になると《威圧》の壁にぶつかっても耐える敵が増えて来る。倒しても目的の品は見付からないのでスルーしたいのだが、数が多いので殺るしか無い。《散開》でモンスター共の体をグズグズにして、奴等の中にある魔石を浮かせて取り出すと煙になって消えて行く。はっきり言って戦闘では無い。だが敵は馬鹿みたいに突っ込んで来るので殺らない訳にもいかん。数の多さを鑑みて、今日は誰も入って無いと感じた。
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