女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

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当たりと言うか、外れ

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「どうやら終わったようだな」

 前衛の男二人が俺を訝しむ中、物静かな中・後衛の男が口を開く。扉からガチャりと音がして、鍵が開かれたのが外から分かるようになっているようだ。

「じゃあ行こうか。カケル様は私と並んでおくれ」

「ちょ!」「何でくっ付いてんだ!?」

「私が裏切らせないから、安心して戦いな。それに、早くしないと割り込まれるよ!?」

口で女に勝てる男はそう居ない。俺達の後ろに並んでるパーティーに目をやった二人は、黙ってボス部屋に入って行った。

「お前、火力職か?」

「支援もするけど、こんな所じゃ温存だよ」

物静かな男に続き、俺と女が中に入ると扉が閉まってガチャりと鳴った。きっと鍵が掛けられたのだろう。そしてやや広めの空間に幾つ物魔法陣が現れる。複数箇所に魔法陣が出るのは罠部屋以来だ。お手並み拝見しようじゃないか。
…敵が出るまで動かないのは、此奴等の優しさなのだろうか。

「な、なあ。聞いて良いか?」

「何だい?私デルリッヒって言うの。一応彼処のうるさいのの女よ?」

「パーティー間の性のトラブルも気になる所だが、それより、何で敵が出切るまで待ってんだ?魔法は温存だから置いといて、今が一番のチャンスだと思うんだよ」

「え?」

「今迄のんびり待ってたって顔してるな」

「当たり前よ!そんなの考えもしなかったわ。みんな!全部出る前に攻撃してっ!!」

「「あ!?」」「…やるか」

中・後衛がダガーを投げると、敵の頭に突き刺さり、不快な声が上がる。

「効いてるぞ。お前等も行け」

「お、おうっ」「ちいっ」

二人が攻撃を始め、敵が出切る前に六匹が煙になった。後……十四匹か。大きい犬っぽいのとレスラー体型のブフリムっぽいのが合わせて十三、そしてそれよりデカいのが一匹残った。

「ウーブス八にラージバフリーが五、ベイダールが一よ!」

「見りゃ分かる!援護くれっ」

「温存しなくて良かったんじゃ無いのか?」

「当たりと言うか、外れね。強いのが来ちゃったわ」

「そうか。じゃあ少しだけ手助けしてやるよ。魔力渡すからバンバン魔法使って良いぞ」

デルリッヒの尻を撫で擦りしながら魔力を流し込む。

「んっ!そんな、溢れちゃうっ!」

「おいっ!俺の女にナニしてやがる!?」

「違うわよーっ!」

「ほれ、集中集中っ!バンバン行けー」

「んもーっ!」

デルリッヒが三人にバフを与えると、手薄な場所に攻撃魔法を当てて行く。珍しい、土魔法だ。直線的な物理攻撃なので避けられ易いが、そこにあるのを意識させるので牽制には大いに役立つ。俺の魔力でマシマシになって発射される飛礫は、弾幕となって敵に襲い掛かった。

「ひっ、ひっ、ふぅ。ひっ、ひっ、ふぅ…。魔力の違いで、ここまで変わるの…?」

「お疲れさん。後は三人でも殺れ…るよな?」

「無理に決まってんだろ!」

無理かー。残ったのは一番デカい奴、ベイダールだっけか。装備が良いのか土魔法ではあまりダメージになってないようだ。

「仕方無いな。身動き封じてやるから頑張れ」

ベイダールの頭上に巨大な泥の塊を作り出して落っことし、全身に纏わせて《集結》させた所で顔だけ解いてやる。

「何だそれはっ」

「粘土。土魔法だよ。はよ殺れや」

「そんな、ソイルなんて初級魔法でしょ…」

「使い方次第ってな」

前衛の一人が背後からよじ登り、首を撥ねてボス戦は終了した。

「あンた、何時からそんなにしみったれた事言うようになったんだい!?」

 俺は初めからこんな所のドロップなんて貰うつもりも無かったのだが、デルリッヒのコレが改めてドロップを渡さないなんて言うモンだからデルリッヒがキレた。

「大丈夫だ。俺は鼻から貰うつもり無いから。言ったろ?目的は下層だって」

「けどさ!一緒に戦ったなら分け前貰う権利はあるじゃないか…」

「ソイツの言った通りだろ?要らねってならそれで良いじゃねぇか」

とにかく回収しようよ~う。



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