女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

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地球

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「なあ坊や、それ、私も見て良いかい?」

「私もっ、私も見たいですっ」

大人二人が遠見の鏡に興味を示したようだ。シンクレイアも目をキラキラさせてちゅぱってる。

「取り敢えずご飯が先だな」

「あっ、ああん。シンク、そんなに吸っても急には出ないよ!?」

俺も吸いたい。そして揉みたい。

「ギルドに戻ったらギルマスの部屋で見ような?」

「んちゅ…」

落ち着いたようだ。タマリーのボールおっぱいが仕舞われると、量ったようにノックが聞こえ、料理が運ばれて来た。赤ちゃん用の離乳食もある。豆乳ベースで野菜を煮て潰した奴だな。赤ちゃんのお世話しながらの食事は大変だ。カロが二人に食べさせている間にタマリーが食事を済ませ、交代するとカロが急いで食べ出す。

「俺も居るからゆっくりお食べ」

「んく、あ、ありがとうございます…」

「この白いのは良いね。乳の出が良くなった気がするよ」

「美味しく頂けてるなら何よりだよ。二人のは交代で飲ませてるからってのもありそうだけど」

「早く乳離れしてもらいたいモンだよ」

「私もお酒飲みたいです」

「二人を家に預けても良いぞ?乳母は沢山居るからな。酒飲み過ぎてママの味が美味しく無くなったら精神ダメージ来そうだよな」

「そいつは、寂しいねぇ」「ええ…」

「乳離れの遅い子程強く育つ、なんて事も聞くし、暫くは我慢だな」

 食事を終えて、ギルドに戻る。タマリーは一旦解体場に向かい、後から合流するのだと。俺は子供達を抱っこして、カロと共にギルマス室へと向かった。

「寝ちゃったか」

パパの胸の中で、魔石を抱いて眠る我が子をそっとベッドに安置する。

「シンクレイアは眠くないのか?」

「んむ…」『見たいもの』

限界まで頑張るようだが限界はもう来ているな。タマリーがまだだが先に見せてやるとするか。

「シンクレイアが寝そうだし、所有者に先に見せてやるのが筋だろうな」

「ではお茶を淹れますね」

「シンクレイア、よく見とけよー?鏡に手を翳して念じるだけでその場の映像が映るんだ」

「お、おぉ…」

「ふふっ、驚いてますね」

「だな。でな?方向を念じると場所移動。場所を思い浮かべるとその場所に切り替わるんだ」

「ん、んむっ」

「カケル様、お茶菓子を取って参ります。序にタマリーも」

テーブルにお茶を置いたカロが部屋を出て行くと、鏡の映像が切り替わる。これは!

「地球…、日本だよな」

『まさかとは思ったけど、出来るなんてね…』

『ママ達には内緒な?』

『それが良いわね。確か、リュネ様だっけ?転移出来るのよね?場所が正確に分かるなら…』

『失敗したら軌道上だよ。死んでしまう』

『そうよね。距離が離れすぎてるもんね』

『因みにだが、時代はお前が居たのと変わらないか?』

『パッと見じゃ分からないわ。私鳥じゃ無いもの。せめて真横に見渡せたら…あった』

『何が?』

『お花。それにお供えね。私が死んだ後、それもそれ程時間が経ってないって事が分かったわ』

シンクレイアは自分が死んだ場所を念じたようだ。花とお菓子と飲み物と、ぬいぐるみに手紙が道の脇に供えられているのが見える。

『自分が死んだ場所を思い浮かべるなんて発想無かったぜ…。帰るなんて発想もな』

『帰っても戸籍が無くちゃ生き辛いわね』

『何方かと言うとシルケの方が生き易いからなぁ。税金もそれ程無いし、冒険者は金になるし、法も緩い』

『スマホの無い生活なんて考えられないんだけど』

『分かるけど、慣れるよ』

『何とかして、ネット繋ぎたい…パパァ……』

「おやすみ、シンクレイア」

 お茶菓子を持ってタマリーを連れて来たカロが戻り、二人に鏡の扱い方を教えてやる。子供達が寝てるので静かに白熱しているな。

シンクレイアの発想には色々気付かされたが、出来無い訳では無い。だが実現させるつもりも無い。



 


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