女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

もる

文字の大きさ
960 / 1,519

逃げろ

しおりを挟む


 《結界》が解かれ、勢い良く飛び出して来る雑魚共に、目の前で見ている筈なのにチンたらトロトロ構えだす雑魚四人。当たり前だが被弾する。

「死にたくないなら戦え~。お前等が死ねば直ぐ帰れて楽なんだけどな~」

「おい…」

一人が脚をヤられた。致命打だ。食らった馬鹿は回避出来無い回避盾。右脚のラグエルである。

「それでジョンの右脚になれるんかぁ?それ逃げろ逃げろ~。こっち迄逃げて来~い」

ラグエルの近くに居たドアップが敵との間に割り込んで、二対一の不利の中ラグエル撤退の隙を作った。
三本足で逃げ帰って来たラグエルに、止血程度の《治癒》を掛ける。

「回復が居て良かったなぁ?お前がヘマこいたおかげで盾が死にか掛けてんぞ?連携はどうしたよ。死ぬ迄見てたいなら構わんが、死なせたくないなら練習の成果を見せてみろ」

「くっ…くっそおおお!今行くっ!」

「おうっ…っあっ」

気を抜いて斬られてやがる。…かすり傷だし後で良いか。

 前衛二人は四対二で防戦一方。二人して剣を振り回して敵の手数を減らしては居るが、戦術も戦法もありゃしない。
振り回される剣の隙を見計らい、槍を突き出す犬顔に、俺の直球ストレートがめり込み煙に変えた。

「後衛が居て良かったなー?お前等盾職でもねーのに足止めしか出来んのか?魔法職はお前等なんかよりずっと高威力の攻撃が出来んだ。休み休み行くなら足の速さなんて関係ねー。さっさと殺して盾の援護行けや!」

「うううううっ」「ちくしょーっ!」

右腕のサムに左脚のミッデラン。馬鹿なりに突っ込んで槍の間合いを殺し、二匹の雑魚を煙に変えた。そしてサムは煙の中から飛び出して来た槍に突かれて鎧毎腹を貫かれた。

「サムッ!?」

「放っとけー。優先順位を忘れんな」

「くっ!待ってろ!」

ミッデランが盾職二人に合流し、三対二の有利を取ると、ドアップが一匹と対峙し時間を稼ぎ、残る二人で一匹を煙に変える。残る一匹もボコにして、戦闘は終わった。

「みんな!大丈夫か!?」

「「サム!」」「傷は!?」

「平気だ。治してもらった…」

「集まれー」

俺の号令で集まる四人を回復し、臭いので《洗浄》する。

「後衛に支援。どれくらい重要に感じた?」

「……」

「あんたにヤられてなきゃあんくらいっ!」

「元気そうなら次行こうか。回復したし、六匹くらい行けるべ?」

「「「「なっ!?」」」」

《結界》を攻撃するのを諦めた雑魚達が、殺意の高い目で此方を見ている。

「こんなんやってられっか!」「ズラかんぞ!」

逃げられると思っているとは、脳味噌に何詰まってんだか。《結界》に突進して引っ繰り返る馬鹿共を確認し、敵側の《結界》を解いてやった。
結果、一匹も倒せずボコボコにされた。

「ぷふ。回復したのが無駄になったな。俺にヤられてなくてもダメだったじゃん」

「い、痛てぇよぉ…」

「目が…目がぁ…」

「出るな、出るなよ…」

「母ちゃ…ん…」

「回復要るやーーつ」

皆、回復の重要性を思い知ったようだ。

「カケル、マジ引くわ…」

「解らせるんだろ?生半可じゃダメなんだよこう言うのは。ガキ共、次は後衛の重要性を理解してもらうぞー」

「うっ」「もう帰りてぇ…」「勘弁してくれ、ください!」「もう殺さないで…」

一度も殺して無いだろが。

「死にたくないなら指示に従え。良いな?」

「「「「おう…」」」」

とっとと立たせて下へと向かった。


「此処には来た事あるか?」

「無ぇ…無いです!」

 前の階で逃げ帰ってたので挑戦した事は無いようだ。戦う前に訓練の説明しておこう。

「後衛が敵を痛め付けたり減らしたりしたのを確認してから前に出る。理解出来るな?」

「先に出たら撃たれる…ですよね」

「そうだ。戦闘中も撃つ機会を狙ってる。射線に立つと死ぬぞ?俺なら一撃、お前等程度の力なら隙になって敵に殺られる。射線に立たない事を意識して殺り合え」

「「「「おうっ」」」」

敵を見付けて足が止まり、先ずは俺が敵に一撃。脚や腕にハンデを負わせて戦闘開始となる。


しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。 不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。 14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

空手馬鹿の俺が転生したら規格外の治癒士になっていた 〜筋力Eのひ弱少年治癒士が高みを目指す!?〜

くまみ
ファンタジー
 前世は空手部主将の「ゴリラ」男。転生先は……筋力Eのひ弱な少年治癒士!?  「資質がなんだ!俺の拳は魔法を超える!……と、思うけど……汗」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー  俺は五里羅門(ごり・らもん) 35歳独身男だ。硬派すぎて女が寄り付かず。強すぎる空手愛と鍛え抜かれた肉体のせいで不本意ながら通称「ゴリラ」と呼ばれていた。  仕事帰りにダンプに跳ねられた俺が目覚めると、そこは異世界だった。だが転生した姿は前世とは真逆。  病弱で華奢。戦闘力最低と言われる職業の「治癒士」(ヒーラー)適正の10歳の少年・ノエル。  「俺は戦闘狂だぞ!このひ弱な体じゃ、戦えねぇ!  「華奢でひ弱な体では、空手技を繰り出すのは夢のまた夢……」  魔力と資質が全てのこの世界。努力では超えられない「資質の壁」が立ちふさがる。  だが、空手馬鹿の俺の魂は諦めることを知らなかった。  「魔法が使えなきゃ、技で制す!治癒士が最強になっちゃいけないなんて誰が決めた?」  これは魔法の常識を「空手の技」で叩き壊す、一人の少年の異世界武勇伝。    伝説の騎士、美少女魔術師、そして謎の切り株(?)を巻き込み、ノエルの規格外の挑戦が今始まる!    

【完結】物置小屋の魔法使いの娘~父の再婚相手と義妹に家を追い出され、婚約者には捨てられた。でも、私は……

buchi
恋愛
大公爵家の父が再婚して新しくやって来たのは、義母と義妹。当たり前のようにダーナの部屋を取り上げ、義妹のマチルダのものに。そして社交界への出入りを禁止し、館の隣の物置小屋に移動するよう命じた。ダーナは亡くなった母の血を受け継いで魔法が使えた。これまでは使う必要がなかった。だけど、汚い小屋に閉じ込められた時は、使用人がいるので自粛していた魔法力を存分に使った。魔法力のことは、母と母と同じ国から嫁いできた王妃様だけが知る秘密だった。 みすぼらしい物置小屋はパラダイスに。だけど、ある晩、王太子殿下のフィルがダーナを心配になってやって来て……

処理中です...