女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

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身ぐるみ剥いで捨てる

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 ちゃんと射線を開けてる奴にはご褒美の石弾が敵を撃つ。ちゃんとしてないと、体を掠って飛んで行く。

「当たったら死ぬぞー?」

「ちっ!…これならっ」

敵と俺の対面に回り込んだ馬鹿には小石が飛ぶ。

「敵が抜けるだろうが!遊撃でもねーのに裏に回んな!」

「ミッド!」「すまんっ」

ドアップが援護して、敵に出来た道を塞ぐ。射線だが、フォローとしては間違ってない。戦列に戻れないミッデランも、隙を突いて背後から一匹仕留めて戦列に返り咲いた。

「自分の尻を拭けて偉いぞー」

数が減れば此奴等でもなんとか処理出来る。時間が掛かるのは慣れてないからだな。ドロップを回収するラグエルに拾っておいた槍を渡す。

「コレ持って帰るんですか?」

「先制攻撃に使え。お前なら投げ帰って来れるだろ」

「当たらなきゃ意味無いッスよ」

「当たるよう頑張れ。支援掛けてやる」

ラグエルに《強化》を極軽く掛けてやる。誤差よりはマシ程度だが、全体に強化されるので普通の《強化》に慣れてもらっては困るのだ。
敵を見付けて合図を出すと、槍を構えたラグエルが、槍投げの要領で槍を投げる。一投目、天井を掠って飛んでった。駆け寄る敵にもう一投。躱した後ろの敵の太腿に命中した。

「やったぜ!」

「帰って来る迄が遠距離攻撃だ」

慌てて戻る背中を斬られてサムに回収されてた。《強化》のおかげで掠り傷で済んだようだ。鎧はズタズタだがな。

 その後も狩り進めながら奥へと潜る。やれば慣れるモンで射線も開けられるようになったし敵との遣り取りも上手くなった。四十階のボスには苦戦したが、槍投げが上手い事ヘイトを稼いで敵の隙を作り、大した怪我も無く攻略出来ていた。

「魔剣だ!」「マジか!?」

四人がビビらない魔剣なら大した威力は無いだろう。だがこの先魔剣でないとまともに太刀打ち出来んのも事実。普通の装備の冒険者なら此処でおかえりなさいになる所だ。

「お前等、魔剣魔装を見せびらかさないって約束出来るならこの先を案内してやる。死ぬ可能性も高いがご褒美もあるぞ」

「カケル、ご褒美ってなんだ?飯か?」

「ジョンくんには鱈腹食わせてやろう。お前等は違うご褒美にしてやる」

「魔剣以外のご褒美なんてあんの…ですか?」

「あるぞ。俺にしかやれないご褒美だから真似すると死ぬぞ」

「それは…ご褒美なのか?ですか?」

「期待しとけ。で、行くか?」

「「「「……おう」」」」

行くようだ。ジョンもグレイブを装備して援護の支度してる。

「ジョンさんの魔剣だ…」「やっぱすげぇ…」

「お前等も、誰が持つか決めとけ。敵と対峙すっと使い方が頭ん中に出て来っから、泡食うなよ?」

「「「「おう!」」」」

トカゲのボスから出た奴はミッデランが持つ事になったようだ。

 腹が減ったが先に進む。目標はすぐ目の前だ。階段を降りて口を開いた。

「今日は此処で寝るぞ」

「泊まりかよ!…ですかよ?」

「意気込んだのが馬鹿見てーですよ」

「延長金含みで計算しねぇと…」

「飯どーすんですか!」

泡食ってるガキ共に言っておこう。これだけは守らせねばならない。

「糞する所作るから、そこ以外でしたら身ぐるみ剥いで捨てるからな?」

「お、おう…」

「飯も寝床も心配すんな。風呂だってあんぞ」

「「「風呂ぉ?」」」

煉瓦で作った便器に浄化のクリスタルを仕込み、部屋の隅へ。そしてL字で囲った壁で見え難くした。

「便所だ。尻拭かなくてもキレイになる魔道具付きだ。パクんなよ?」

その隣には煉瓦の浴槽に、水漏れ対策兼荷物置き用の低い壁。仕事してないジョンには水の棒と火の鉄板を任せる。

「風呂だ。汚い男はジョンの手足にはなれん。ジョンが汚いって事になるからな」

「そ、そうだな!」「俺達が見てくれ良くなきゃジョンさんが舐められっちまうぜ!」

簡易コンロに火の鉄板。テーブルに皿とカトラリー。コンロに乗る鉄板に、油。そして皿に盛った薄切り肉をてんこ盛りにした。






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