女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

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宣戦布告

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「これも豪華に飾った方が良いかしらね」

 エンメロイが、内も外も殺風景なUFOにダメ出しする。内装は人を沢山乗せた時に取払ったままなのだ。なのでマットに寝転び飛んでいる。

「その時間があるならな。それに装飾すると早く飛べないんだ」

「変な制約があるのね」

「風の抵抗で音が酷いんだよ」

「音?まさか今も飛んでるの?」

「凄いだろ?トカゲでも追い付けないくらいの速度が出てんだぜ?」

「窓が欲しいわ。何で無いのよ」

「音が酷いんだってば。《結界》張れば抑えられるが、龍にでもぶつかってみろ、大損害だぞ?」

「一生に一度見ないのに、カケル様は豪運よね」

エンメロイに大まかな場所を聞きながら、《白昼夢》で先回りすると幾重もの大きな壁に囲まれた城と街が見えた。街の特徴を告げるとそうだと言う。城塞都市であり王都、ブラマハーンだそうだ。

 城の上空に止まると、ワラワラと兵隊共が集まって居るのが《感知》で見える。エンメロイを抱き寄せて周囲に《結界》を張るとUFOを仕舞い、城の屋根を《収納》した。

「宣戦布告じゃ、無いのよね?」

「話し合うだけだって」

金属鎧が集まって、縦長の椅子に座る爺を囲んでる。上から撃たれたらお前等意味無いよな?金属鎧を無視して日当たりの良くなったフロアに降りる。《結界》の下敷きになった金属鎧がワタワタしながら潰れてく。殺さぬ程度に押してやり。先ずは挨拶しとこうか。

「よう「お初にお目に掛かる!我はカケラント国宰相のエンメロイ!此方に御座すはカケラント国王、カケル・カリバ様である!ブラマハーン王との会談を持つべく罷り越した!早急に取り次ぐべし!」」

挨拶させてくれなかった。金属鎧が剣を抜き、《結界》に当たって倒れてく。馬鹿だな。《結界》を広げて馬鹿共を押し込んで行くと、椅子より此方側に居た金属鎧が床と壁に押し込まれた。更に範囲を広げ、椅子のあるスペースを残してフロアを《結界》で満たし、邪魔者を排除した。

「そんな事をしてっ、只で済むと思うてか!?」

「話し合いに来たんだよ。で、お前誰?」

「儂は、ブラマハーン王国が国王、ヴァルフリート・フリューケン・ブラマハーン八世である!」

「話が早いな。仲良くしたいならちょっかい出すな。理解したか?」

「そのような態度で!儂が首を縦に振ると思うてか!」

「なら床に落としてやるが?仲良くしてくれるなら屋根も返すぞ?」

天を指差し視線を上げさせると、空に《収納》していた屋根を出す。屋根の中に隠れていた者が、廃人になって《結界》の上に落ちて来る。

「コレ、お前の草か?」

「……違う」

「お前の送って来た密偵はそれなりに捕まえてあるそうだ。返す事は出来無いからそのつもりでな。で、屋根要る?それとも敵対する?」

「そこは仲良くするか否かであろうが…」

「否でもやりようはあるからな。コッチは出来るだけ平和に収めたいってだけなんだよ。なんせ俺個人はお前達に危害を加えられた訳じゃ無いからな」

「我等は煮え湯を飲まされておったよ」

「返答次第で冷えた水になるぞ。知ってるだろ?圧迫外交止めたって」

「それでは我等が受けて来た苦悩にはどう片を付けるつもりか!」

「皇帝殺して解放されただろうが。放っといたら攻められてたのはソッチだぞ?これからその分の金が浮くんだから好きなだけ政しろまつりごと よ」

「カケル様、ブラマハーン陛下、口を挟んでよろしいでしょうか?」

俺とブラマハーン王との話し合いを聞いていたエンメロイが手を挙げて発言の許可を得る。双方が黙り、許可を得たと心得て話し出した。同じ話をしてる筈なのに、俺が話すよりも幾分か聞く耳を持ったようだ。

「分かった。謝罪を受け入れ、これからは友好な関係を築こう」

最後にはこう締め括り、エンメロイの謝罪を受け入れた。




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