女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

もる

文字の大きさ
1,054 / 1,519

偶にの贅沢

しおりを挟む


 アスフィーちゃんとの死闘も、時間にして見りゃ数リット。後二オコン待たせにゃならん。だがまあ他の客も喜んでるみたいだし、忖度してやるか。

「本当に売り物の準備が出来て無いんだが、それで良いならお前等パーティー中に入って良いぞ」

アスフィーちゃんに回復を掛けると奥歯や前歯が寄って来た。

「やったなアスフィー!勝ってねーけど!」

丸盾ちゃん、傷に塩を塗るなよ…。

「まっ負けても無いわよ!?それにしても、貴方もAランクだったのね」

「Bだぞ?」

「「そんな馬鹿みたいな魔力のBなんて居ないわよっ!」」

魔法職の二人が揃って声を上げる。少し漏れてたのか?それとも見る力が強いのか。

「アスフィー!ありがとう言いなさい!」

「貴女許されたのよ!?」

「え?は?」

「コイツ…この人、魔力だけで人殺せるからねっ?」

確かに赤ちゃんなら危険だな。

「勇者や魔王だって言われても納得する程なんだから…」

「俺は唯のBランク冒険者だぞ」

何方も他に居るからな。

「カケルとか言ったよな。あたいとやろうぜ!」

「お、良いぞ」「「やめて~」」

空気を読まない丸盾ちゃんに即答する。

「強え人と戦えて殺されないんだぞ?やるしか無えだろ」

バトルジャンキーな丸盾ちゃんだ。

「シャリー『竜の牙』の四名様、先行案内決定な」

「承りました」

「あたいは『竜の牙』のガイラっ!行くぜっ」

名前からして男勝りなガイラちゃんは、回避盾のようで居てそうでは無かった。確かに回避盾にもなるのだろうが、盾から突き出る刃物を振り回す格闘盾だった。《瞬歩》みたいなスキルは無いが、とにかく手数が多く、刃物だけで無く足も飛んで来る。コートにまた傷が付いてしまった。

「痛いのは平気か?」

「嫌だから避けるっ!」

なら優しくしなきゃなぁ。
この子の弱点は足だ。この子だけでは無いが、蹴り足を払われたらその先はぐへへな展開しか無いだろう。回し蹴りを誘い、続く後ろ回し蹴りにタイミングを合わせて背中に組み付いた。腕を取られない為の刃を仕込んだ丸盾だが、俺の小手には効果無く、両手を取られてペニスケに持ち上げられた。

「参ったか?」

「くっそ!ソレそんなに硬いのかよー!?ああっ脛蹴れねぇっ」

「カケル様~、それくらいでよろしいかと~」

シャリ~が言うので此処迄だ~。

「ゆっくり風呂を楽しんで来い」

「ちくしょー、あンた強えな。またやろーぜ」

ペニスケから下ろしてやると可愛い笑顔をくれた。少年隊を女の子にしたらこんな感じだろうか。

四名様が案内役のラビアンに連れられ中に入ると、腕に自慢の女達が名乗りを上げ、そこから数試合する事になった。

「あれ?おかしいわ。二オコンは浸かってた筈なのに」

内容的にちょっと塩っぱい試合が一つ終わると、『竜の牙』の面々が出て来た。二オコンも浸かってたのかよ。感想聞きたいし一度戻ろう。

「早かったな。風呂はどうだった?」

「あンた!アレすげーよ!!あたい此処拠点にする!」

「偶にの贅沢ってのも良いモンだぞ?」

「あんな風呂見たら公共浴場なんて行けねーよ!」

ガイラちゃんは頗るお気に召されたようだ。

「素晴らしい体験をさせて頂きました」

「神に感謝します」

魔法職の二人は内装の魔力が見えるのだろう。目がキラキラしているし、何かキラキラが舞っているようにも見える。それは光の精霊か?

「カケル殿。次回は必ず並んで入ります。この度は失礼致しました」

アスフィーちゃんも凄く丁寧。元々育ちが良いのだろう。

頭を下げて施設を出ようとする『竜の牙』に人集りが出来る。先行したのだから報告すべしって事なのだろうな。Aランクであっても多勢に無勢。俺と試合う予定だった子もそっちに合流し、根掘り葉掘りに加わるのであった。

『竜の牙』も、話術スキル高いなぁ…。最初は戸惑って答えていたが、間も無く冒険譚になっていた。冒険者は口達者じゃ無いと成り立たん商売なのか?


しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

巨乳すぎる新入社員が社内で〇〇されちゃった件

ナッツアーモンド
恋愛
中高生の時から巨乳すぎることがコンプレックスで悩んでいる、相模S子。新入社員として入った会社でS子を待ち受ける運命とは....。

貞操逆転世界に転生したのに…男女比一対一って…

美鈴
ファンタジー
俺は隼 豊和(はやぶさ とよかず)。年齢は15歳。今年から高校生になるんだけど、何を隠そう俺には前世の記憶があるんだ。前世の記憶があるということは亡くなって生まれ変わったという事なんだろうけど、生まれ変わった世界はなんと貞操逆転世界だった。これはモテると喜んだのも束の間…その世界の男女比の差は全く無く、男性が優遇される世界ではなかった…寧ろ…。とにかく他にも色々とおかしい、そんな世界で俺にどうしろと!?また誰とも付き合えないのかっ!?そんなお話です…。 ※カクヨム様にも投稿しております。内容は異なります。 ※イラストはAI生成です

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

ブラック企業でポイントを極めた俺、異世界で最強の農民になります

はぶさん
ファンタジー
ブラック企業で心をすり減らし過労死した俺が、異世界で手にしたのは『ポイント』を貯めてあらゆるものと交換できるスキルだった。 「今度こそ、誰にも搾取されないスローライフを送る!」 そう誓い、辺境の村で農業を始めたはずが、飢饉に苦しむ人々を見過ごせない。前世の知識とポイントで交換した現代の調味料で「奇跡のプリン」を生み出し、村を救った功績は、やがて王都の知るところとなる。 これは、ポイント稼ぎに執着する元社畜が、温かい食卓を夢見るうちに、うっかり世界の謎と巨大な悪意に立ち向かってしまう物語。最強農民の異世界改革、ここに開幕! 毎日二話更新できるよう頑張ります!

スライムすら倒せない底辺冒険者の俺、レベルアップしてハーレムを築く(予定)〜ユニークスキル[レベルアップ]を手に入れた俺は最弱魔法で無双する

カツラノエース
ファンタジー
ろくでもない人生を送っていた俺、海乃 哲也は、 23歳にして交通事故で死に、異世界転生をする。 急に異世界に飛ばされた俺、もちろん金は無い。何とか超初級クエストで金を集め武器を買ったが、俺に戦いの才能は無かったらしく、スライムすら倒せずに返り討ちにあってしまう。 完全に戦うということを諦めた俺は危険の無い薬草集めで、何とか金を稼ぎ、ひもじい思いをしながらも生き繋いでいた。 そんな日々を過ごしていると、突然ユニークスキル[レベルアップ]とやらを獲得する。 最初はこの胡散臭過ぎるユニークスキルを疑ったが、薬草集めでレベルが2に上がった俺は、好奇心に負け、ダメ元で再びスライムと戦う。 すると、前までは歯が立たなかったスライムをすんなり倒せてしまう。 どうやら本当にレベルアップしている模様。 「ちょっと待てよ?これなら最強になれるんじゃね?」 最弱魔法しか使う事の出来ない底辺冒険者である俺が、レベルアップで高みを目指す物語。 他サイトにも掲載しています。

処理中です...