女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

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偶にの贅沢

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 アスフィーちゃんとの死闘も、時間にして見りゃ数リット。後二オコン待たせにゃならん。だがまあ他の客も喜んでるみたいだし、忖度してやるか。

「本当に売り物の準備が出来て無いんだが、それで良いならお前等パーティー中に入って良いぞ」

アスフィーちゃんに回復を掛けると奥歯や前歯が寄って来た。

「やったなアスフィー!勝ってねーけど!」

丸盾ちゃん、傷に塩を塗るなよ…。

「まっ負けても無いわよ!?それにしても、貴方もAランクだったのね」

「Bだぞ?」

「「そんな馬鹿みたいな魔力のBなんて居ないわよっ!」」

魔法職の二人が揃って声を上げる。少し漏れてたのか?それとも見る力が強いのか。

「アスフィー!ありがとう言いなさい!」

「貴女許されたのよ!?」

「え?は?」

「コイツ…この人、魔力だけで人殺せるからねっ?」

確かに赤ちゃんなら危険だな。

「勇者や魔王だって言われても納得する程なんだから…」

「俺は唯のBランク冒険者だぞ」

何方も他に居るからな。

「カケルとか言ったよな。あたいとやろうぜ!」

「お、良いぞ」「「やめて~」」

空気を読まない丸盾ちゃんに即答する。

「強え人と戦えて殺されないんだぞ?やるしか無えだろ」

バトルジャンキーな丸盾ちゃんだ。

「シャリー『竜の牙』の四名様、先行案内決定な」

「承りました」

「あたいは『竜の牙』のガイラっ!行くぜっ」

名前からして男勝りなガイラちゃんは、回避盾のようで居てそうでは無かった。確かに回避盾にもなるのだろうが、盾から突き出る刃物を振り回す格闘盾だった。《瞬歩》みたいなスキルは無いが、とにかく手数が多く、刃物だけで無く足も飛んで来る。コートにまた傷が付いてしまった。

「痛いのは平気か?」

「嫌だから避けるっ!」

なら優しくしなきゃなぁ。
この子の弱点は足だ。この子だけでは無いが、蹴り足を払われたらその先はぐへへな展開しか無いだろう。回し蹴りを誘い、続く後ろ回し蹴りにタイミングを合わせて背中に組み付いた。腕を取られない為の刃を仕込んだ丸盾だが、俺の小手には効果無く、両手を取られてペニスケに持ち上げられた。

「参ったか?」

「くっそ!ソレそんなに硬いのかよー!?ああっ脛蹴れねぇっ」

「カケル様~、それくらいでよろしいかと~」

シャリ~が言うので此処迄だ~。

「ゆっくり風呂を楽しんで来い」

「ちくしょー、あンた強えな。またやろーぜ」

ペニスケから下ろしてやると可愛い笑顔をくれた。少年隊を女の子にしたらこんな感じだろうか。

四名様が案内役のラビアンに連れられ中に入ると、腕に自慢の女達が名乗りを上げ、そこから数試合する事になった。

「あれ?おかしいわ。二オコンは浸かってた筈なのに」

内容的にちょっと塩っぱい試合が一つ終わると、『竜の牙』の面々が出て来た。二オコンも浸かってたのかよ。感想聞きたいし一度戻ろう。

「早かったな。風呂はどうだった?」

「あンた!アレすげーよ!!あたい此処拠点にする!」

「偶にの贅沢ってのも良いモンだぞ?」

「あんな風呂見たら公共浴場なんて行けねーよ!」

ガイラちゃんは頗るお気に召されたようだ。

「素晴らしい体験をさせて頂きました」

「神に感謝します」

魔法職の二人は内装の魔力が見えるのだろう。目がキラキラしているし、何かキラキラが舞っているようにも見える。それは光の精霊か?

「カケル殿。次回は必ず並んで入ります。この度は失礼致しました」

アスフィーちゃんも凄く丁寧。元々育ちが良いのだろう。

頭を下げて施設を出ようとする『竜の牙』に人集りが出来る。先行したのだから報告すべしって事なのだろうな。Aランクであっても多勢に無勢。俺と試合う予定だった子もそっちに合流し、根掘り葉掘りに加わるのであった。

『竜の牙』も、話術スキル高いなぁ…。最初は戸惑って答えていたが、間も無く冒険譚になっていた。冒険者は口達者じゃ無いと成り立たん商売なのか?


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