1,080 / 1,519
糞野郎
しおりを挟む「カケルさん、それなら私も七日程前からぁ…」
「…急ぐヤツじゃん」
直ぐにでも家政婦組合に連絡しなければ。
「どれ…、我はまだのようだ。上を向いているな」
「わたしもー」
リームとネーヴェはまだのよう。それにしても、《感知》で自分の体を診れるとはエコー要らずだな。もう性別も分かるそうで、俺には内緒だと。
「リア、フラノノを借りるぞ?」「ええ」
午後一に家政婦組合に話を通してもらう事になった。ラビアン達には施設の運営と別動で、妊婦の部屋を整備してもらう。
「カケル、私達は?」
「今日の所は子供達のお世話を頼むよ。直ぐに産まれる事も無いだろうしな」
「カケル、時間の魔法、解かなくちゃ」
コレをしないと間に合わなくなってしまう。ネーヴェには負担だろうがお願いせざるを得ない。
「居住区だけ解くのは出来るか?」
「ん。行ったらやっとく」
昼を食べ、お茶を飲んだら施設に移動する。ネーヴェが居住区に掛けた魔法を解くと、マットを敷いたり浄化の属性魔石をセットしたり、俄に忙しく過ごして妊婦達の寝床と産婆の部屋を整備した。産湯を入れる桶や雑木タオルも増産し、何時でも使えるようにしておく。
「他に何か、必要な物はあるかな?」
「甘いの」
甘納豆を袋で渡す。他には無いか?
「旦那様よ、あまり気負うな。コレでも卵は産んでいる」
「尻尾を斬られた時よりはマシでしょうしね~」
「我は何方の経験も無いのだが、人の子よりは丈夫に出来ている。主様が傍に居てくれたら、それで良い」
「私の隣に~」「旦那様、此処は長姉を立てるモノだろう?」「主様よ、これが板挟みだ」
「交代でイチャイチャしてやるから、仲良くな?」
「うむ」「はぁ~~い」「ふぅ」
取り敢えず、産婆も来ないし仕事もあるので部屋を出て列を見に行く。子供が産まれるってのに他の女とパコパコするのは如何なものかと思わなくは無いが、これは仕事、リラクゼーションの一環だ。リピート組の主婦の中にママ上殿とフィルフィンさんが居た。
「ミストン夫人、ママ上殿、本日はようこそ。今日はエージャは置いて来たので?」
「ええ。二人共に家を空けると仕事に支障を来たしますから。エージャは明日、伺わせますね」
「カケル様、ごきげんよう。営業なさってよろしいの?」
「夫人のお耳には入っておいでで」
「女の耳は早い物よ?」
「臨時休業するにも通達を出さねばなりませんので、本日は営業させていただきます。エージャは明日来てもらって大丈夫ですから」
「そうね。エージャが聞いたら泣いてしまうものね」
夫人にはリュネ達の事が伝わっていた。女のコミュニティ恐るべし。多分ママ上殿も知っているだろう。今回はこの忠告をする為に、客を装って来たのだろうな。
違った。普通にエッチした。クタクタになる迄注いだら、帰りしなリュネ達とお話して帰ったよ。
シャリーとフラノノに頼み、明日から数日休む旨、各所に連絡してもらう。このまま営業を続けていたら、連れが出産の時だと言うのに他所の女と子作りする糞野郎と思われていたそうだ。危なかったぜ。
夕飯は此処で食う。ラビアン達に幼児達、全員集めて寝る為に部屋の準備をしていると、誰やら客が来たようだ。
「カケル様!」「落ち着きなって」「ご無沙汰しております」
玄関に向かうとカロにタマリー、アルネスが、ガンダーとシンクレイアを抱いて来た。浮かせて抱いてやるぞ、よしよーし。そして背後に以前世話になった産婆達の姿が見える。
「忙しい中来てくれてありがとう。産婆達も中にどうぞ。今回も、否、毎回失敗は許されないだろうが今回もよろしく頼むよ」
「任せときな。姫様やメリクヒャー様の縁者となれば、首の一つ二つ落ちる覚悟は出来とるよ」
産婆の婆ちゃんはそう言って笑うが、何とか更地だけは回避したいモノである。
産婆を待機部屋に案内し、荷物を置いたら妊婦の部屋へ向かった。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
魔力0の貴族次男に転生しましたが、気功スキルで補った魔力で強い魔法を使い無双します
burazu
ファンタジー
事故で命を落とした青年はジュン・ラオールという貴族の次男として生まれ変わるが魔力0という鑑定を受け次男であるにもかかわらず継承権最下位へと降格してしまう。事実上継承権を失ったジュンは騎士団長メイルより剣の指導を受け、剣に気を込める気功スキルを学ぶ。
その気功スキルの才能が開花し、自然界より魔力を吸収し強力な魔法のような力を次から次へと使用し父達を驚愕させる。
病弱が転生 ~やっぱり体力は無いけれど知識だけは豊富です~
於田縫紀
ファンタジー
ここは魔法がある世界。ただし各人がそれぞれ遺伝で受け継いだ魔法や日常生活に使える魔法を持っている。商家の次男に生まれた俺が受け継いだのは鑑定魔法、商売で使うにはいいが今一つさえない魔法だ。
しかし流行風邪で寝込んだ俺は前世の記憶を思い出す。病弱で病院からほとんど出る事無く日々を送っていた頃の記憶と、動けないかわりにネットや読書で知識を詰め込んだ知識を。
そしてある日、白い花を見て鑑定した事で、俺は前世の知識を使ってお金を稼げそうな事に気付いた。ならば今のぱっとしない暮らしをもっと豊かにしよう。俺は親友のシンハ君と挑戦を開始した。
対人戦闘ほぼ無し、知識チート系学園ものです。
暗殺者から始まる異世界満喫生活
暇人太一
ファンタジー
異世界に転生したが、欲に目がくらんだ伯爵により嬰児取り違え計画に巻き込まれることに。
流されるままに極貧幽閉生活を過ごし、気づけば暗殺者として優秀な功績を上げていた。
しかし、暗殺者生活は急な終りを迎える。
同僚たちの裏切りによって自分が殺されるはめに。
ところが捨てる神あれば拾う神ありと言うかのように、森で助けてくれた男性の家に迎えられた。
新たな生活は異世界を満喫したい。
【完結】ポーションが不味すぎるので、美味しいポーションを作ったら
七鳳
ファンタジー
※毎日8時と18時に更新中!
※いいねやお気に入り登録して頂けると励みになります!
気付いたら異世界に転生していた主人公。
赤ん坊から15歳まで成長する中で、異世界の常識を学んでいくが、その中で気付いたことがひとつ。
「ポーションが不味すぎる」
必需品だが、みんなが嫌な顔をして買っていく姿を見て、「美味しいポーションを作ったらバカ売れするのでは?」
と考え、試行錯誤をしていく…
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる