女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

もる

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糞野郎

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「カケルさん、それなら私も七日程前からぁ…」

「…急ぐヤツじゃん」

 直ぐにでも家政婦組合に連絡しなければ。

「どれ…、我はまだのようだ。上を向いているな」

「わたしもー」

リームとネーヴェはまだのよう。それにしても、《感知》で自分の体を診れるとはエコー要らずだな。もう性別も分かるそうで、俺には内緒だと。

「リア、フラノノを借りるぞ?」「ええ」

午後一に家政婦組合に話を通してもらう事になった。ラビアン達には施設の運営と別動で、妊婦の部屋を整備してもらう。

「カケル、私達は?」

「今日の所は子供達のお世話を頼むよ。直ぐに産まれる事も無いだろうしな」

「カケル、時間の魔法、解かなくちゃ」

コレをしないと間に合わなくなってしまう。ネーヴェには負担だろうがお願いせざるを得ない。

「居住区だけ解くのは出来るか?」

「ん。行ったらやっとく」

昼を食べ、お茶を飲んだら施設に移動する。ネーヴェが居住区に掛けた魔法を解くと、マットを敷いたり浄化の属性魔石をセットしたり、俄に忙しく過ごして妊婦達の寝床と産婆の部屋を整備した。産湯を入れる桶や雑木タオルも増産し、何時でも使えるようにしておく。

「他に何か、必要な物はあるかな?」

「甘いの」

甘納豆を袋で渡す。他には無いか?

「旦那様よ、あまり気負うな。コレでも卵は産んでいる」

「尻尾を斬られた時よりはマシでしょうしね~」

「我は何方の経験も無いのだが、人の子よりは丈夫に出来ている。主様が傍に居てくれたら、それで良い」

「私の隣に~」「旦那様、此処は長姉を立てるモノだろう?」「主様よ、これが板挟みだ」

「交代でイチャイチャしてやるから、仲良くな?」

「うむ」「はぁ~~い」「ふぅ」

取り敢えず、産婆も来ないし仕事もあるので部屋を出て列を見に行く。子供が産まれるってのに他の女とパコパコするのは如何なものかと思わなくは無いが、これは仕事、リラクゼーションの一環だ。リピート組の主婦の中にママ上殿とフィルフィンさんが居た。

「ミストン夫人、ママ上殿、本日はようこそ。今日はエージャは置いて来たので?」

「ええ。二人共に家を空けると仕事に支障を来たしますから。エージャは明日、伺わせますね」

「カケル様、ごきげんよう。営業なさってよろしいの?」

「夫人のお耳には入っておいでで」

「女の耳は早い物よ?」

「臨時休業するにも通達を出さねばなりませんので、本日は営業させていただきます。エージャは明日来てもらって大丈夫ですから」

「そうね。エージャが聞いたら泣いてしまうものね」

夫人にはリュネ達の事が伝わっていた。女のコミュニティ恐るべし。多分ママ上殿も知っているだろう。今回はこの忠告をする為に、客を装って来たのだろうな。

違った。普通にエッチした。クタクタになる迄注いだら、帰りしなリュネ達とお話して帰ったよ。
シャリーとフラノノに頼み、明日から数日休む旨、各所に連絡してもらう。このまま営業を続けていたら、連れが出産の時だと言うのに他所の女と子作りする糞野郎と思われていたそうだ。危なかったぜ。

 夕飯は此処で食う。ラビアン達に幼児達、全員集めて寝る為に部屋の準備をしていると、誰やら客が来たようだ。

「カケル様!」「落ち着きなって」「ご無沙汰しております」

玄関に向かうとカロにタマリー、アルネスが、ガンダーとシンクレイアを抱いて来た。浮かせて抱いてやるぞ、よしよーし。そして背後に以前世話になった産婆達の姿が見える。

「忙しい中来てくれてありがとう。産婆達も中にどうぞ。今回も、否、毎回失敗は許されないだろうが今回もよろしく頼むよ」

「任せときな。姫様やメリクヒャー様の縁者となれば、首の一つ二つ落ちる覚悟は出来とるよ」

産婆の婆ちゃんはそう言って笑うが、何とか更地だけは回避したいモノである。
産婆を待機部屋に案内し、荷物を置いたら妊婦の部屋へ向かった。








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