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コアラ状態
しおりを挟む「硬い素材で出来てんだ。高いぞ」
中身もみっちり詰まっているが、ポーリにはそう言って場を収める。後ろに並んだ男共は、そこから強引に絡んで来たりはしなかった。何故か?お宝持ってるからだ。何周したかは知らんがボスドロップを抱えてる状態で、無闇に奪い合う愚は犯さない。蛮行がギルドに知られればジョンが黙って無いだろうし、地上に戻ればお店もあるからな。
時間が過ぎ、扉が開いて先頭が入る。列が進んでを繰り返し、順番が回って来た。
「ねえ、その子寝てるけど…」
「ああ、大丈夫だ。ドラゴンに踏まれても死なんから」
「そ、それなら良いけど…」「ちゃんと守ってあげなさいよ?」
前衛二人は寝ているネーヴェを心配するが、寝てるくらいが丁度良い。今でさえ《結界》纏ってダンジョンに気付かれないようにしてるのだから。
コアラ状態のネーヴェを抱えたまま、俺も得物を抜く。三人で安定して狩れる場所であってもヒューマンエラーは起こるモノ。警戒しない選択肢は無い。
俺に寄って来るのを対処しながら三人のお手並み拝見。前衛二人で敵一人を確実に屠り、魔法職は風の壁みたいなのを発生させて敵の移動を阻害してる。二人の直ぐ近くに発生させる風の壁は火の壁とは違い仲間へのダメージが無いし、土壁のように視界を遮らないのが強みだな。敵からターゲットが見え続けているのでヘイトも稼がないみたいだ。
「少し持つぞー」
此方へ来る雑魚が尽きたので二人に加勢する。風の壁を回り込もうとしていた敵に石ころサイズの煉瓦を投げ付ける。ネーヴェがくっ付いてるから威力は出ないが、伸びのある、浮き上がるようなシュート回転のソレは敵の頭に直撃した。崩れ落ちる敵に気付いて寄って来た奴にも危険球をお見舞いしてやる。相手が見ているので大きく躱されるが、相手の顬目掛けて《逃げる》球は決して狙いを外さない。あるか分からん脳を揺らされ腰砕けになった敵は、プイーフによる不意討ちの餌食となり、首と胴がパージした。
「コッチは平気、後衛を守って!」
余計なお世話だったか。ポーリの横に並び立ち、減った分の魔力を爪の先程注いでやると、ポーリは目を見開いた。
「あ、貴方っ」
「秘密な」
「ええ…」
ポーリの目に、俺はどのように映っているのか分からんが、突然紫色の魔力が体に入って来たら驚くよな。それでも努めて冷静に、風の壁を張り直して行った。
戦闘が終わり、ドロップを回収。女達に拾った物をくれてやる。
「さっきはお節介だったな、済まん」
「良いさ。結果早く倒せたんだしさ」
「また並ぶのかー。後の男共、ずっと尻見てんだよねー」
「許せとは言わんが、男だからな」
腰の装備が皮のズボンの前衛二人、体の線が出ていて見てしまうのも頷ける。と言うか言われて俺も見てしまった。
「見るな馬鹿」
「逆に見せ付けてやれ。そこに注目させれば隙を突けるぞ」
「私等が突かれちまうよ」
「だいじょぶ。私、挟んでるから」
ネーヴェが起きた。コアラ状態で抱き着いて、股を擦り付けて居られる。寝呆けてんのか?
「これネーヴェ、それは後でゆっくりな?」
「きもちい」
女二人が顔を赤らめ、空気を読まぬ一人は口を開いた。
「あの、貴方それ、本物なの?」
「本物?中身は入ってるが」
「その装飾、ミスリルよね?」
うっとりとしたネーヴェが擦り付けるペニスケには、段々になった装飾がゴテゴテっと着いている。青い皮に青い金属。パッと見では気付かないが凝視する事で見付かってしまった。
「言ったろ?硬くて高いって」
ミスリルと聞いて、前衛二人の目が変わる。
「あのさ、深く潜るとそんなに儲かるのかい?」
「何処迄潜れば良いのさ?」
「ミスリル迄とは行かないが、試しに奥へ行ってみるか?此処だと並んで効率も悪そうだし、限界を知ってればその手前で稼げるだろ」
「本当かい!?」「そりゃあすげぇ」
女達は歓喜して、その提案に乗って来た。
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