女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

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未踏地

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 女達は入口には戻らず、俺と並んで下り階段を降りて行く。

「敵出ないから力抜けよ」

「そ、そうだねっ」「私等初めてだからさ、お手柔らかに頼むよ」

「そこ迄急に強くはならんから。それに敵の姿が殆ど変わり映え無くて飽きるぞ?」

「それでも強くなるんだろ?」

「まあな。今回は戦わせんが、途中からドロップした武器でないと戦えなくなる」

「それ、魔装って事?」

「だな。見せびらかすと王家に奪われる厄介者だ」

「それちょいと前にあったよね、Aランクの冒険者が城に呼ばれて…って」

「知ってる!ギルマスパーティでしょ」

「だな。宿に泊まるのもキツいってくらいの値段で買い叩かれたらしいぞ?」

「流石にソレは盛ってるよね?」

「旧王都を封鎖されて出られなくなってたんだ。連泊し切れなくなったら路地裏で寝なきゃならんだろ」

「あんた「カケル」…カケル、あんた詳しいね」

「彼奴等を連れて旧王都から脱出したの、俺だからな」

「ハハッまたまたー」

「サルディナ、多分、本当」

「まあ、強さは認めるけどさ」

「そうじゃない。カケルとネーヴェ、只者じゃ、無い」

「ネーヴェには様を付けとけ」

「え…貴族だったの?申し訳ございません」

「だいじょぶ。外では様つけて」

ネーヴェの寛大な心によって、三人の命は長らえる事が出来た。良かった。それだけ人との交流に馴染んで来たのだろう。人を見たらドレインしてたネーヴェがな…しみじみ。

「此処も階段部屋なのかい」「ホッとするねぇ」

 ホッとするのは良いが、後ろのパーティが入って来るかも知れんので、ホッとしない方が良いと思うぞ?とは言えそろそろ飯の時間。ネーヴェの腹が鳴っている。甘納豆を食ってたから昼を過ぎてるかも知れん。

「先ずは食事と休憩して、それから先に進もう」

「食べながらじゃダメなのかい?」

「干し肉食い千切るのに夢中になって、不意討ちされたくないならな」

「…そうだね。私等には未踏地だったね」

で、ローテーブルと調理器具を出してスープと薄焼肉を焼く。ソーサーは島のを持って来た。

「こんな所で肉焼く人、初めてだよ」

「随分手ぶらだと思ったが、マジックバッグ…ボックスなのかい?」

「容量少なくてもあると便利だよな」

俺のはスキルだがひけらかす事もあるまい。食事を終えて、出す物出して出発だ。

「確かに、強くなってるね」

「この程度の数なら私等でも殺れそうだ」

「ドロップは、ボスには敵わないけど」

「上が混んでたらそのまま潜るんで良いんじゃないかい?」

「そうね」

「歩くのは面倒いけど、人も居ないし狩り放題なのは気分が良いね」

そして辿り着いた地下三十階のボス部屋。女達は戦闘しまくっていた事もあり、疲れの色が見えている。

「此処で休憩かな」

「まだ殺れるさ」「ああ」「私も」

「そうか。なら倒したら階段部屋で休憩だな」

疲れは動きと意識を鈍らせる。一段と強くなったボスと雑魚に少なからず傷をもらうようになった二人にタオルを投げる。

「お前達、そこ迄だっ」

前衛二人に《結界》を張ると、得物を握って前に出る。そして《威圧》で敵の動きを止めながら、煙とドロップに変えて行った。

「何だったんだい、さっきのは」

「急にポーリの壁みたいなのに囲まれたけど」

「凄いだろ?俺も使えるんだぜ?」

「熟練度が、凄い。凄過ぎ」

ポーション飲んで、ドロップ拾って下に降り、一息付いた女達から飛んで来る質問を軽く流す。

「お前達の限界は二十九階迄だろうな。温存して此処迄来ても稼ぎにならんだろ」

「悔しいが、そうなるね」

「けど、此処のドロップは儲かりそうだ」

「強くなるか人を増やすか、だな」

「金持ちの旦那に見初められるってもの、良いんだけどねぇ」

「出会い、無いもんね」

ポーリの言葉に二人は言葉を失った。

「傷で体が汚れてるだろ。水あるから体拭いたら良いよ」

「そんな事言って、私等を此処で…」

それもアリだよな。ネーヴェが睨んでなければ、だが。





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