1,322 / 1,519
不味い水
しおりを挟む島に帰ると真っ先に来る筈のテイカが集団と一緒に出迎えた。
「テイカ、悪阻キツイのか?」
左右の二人に支えられ、顔色優れぬテイカ。そろそろそんな気はしていたが、今来たか。
「お帰りなさいませ、カケル様。少し辛いです」
それは少しの時の反応じゃない。皆がテイカの言葉を待ち、それから声を発して出迎える。慕われてるなテイカは。
「皆も只今。テイカは出来るだけ休め。俺は男だからその手の事には素人だ」
「はい…」
皆にテイカの症状を聞くと、吐き気があり、それが原因で物が食べられないと言う。応急処置として先ずは水分補給。俺が以前飲んでいた、塩を混ぜた不味い水を飲むよう伝え、食事の時間からは具を磨り潰し、ポタージュにして飲むよう指導した。煎餅焼かなきゃならんけど、昼飯の時間迄は一緒に過ごそう。
「奥様達の所に行くのが先です」
「診察してからだ」
ベッドに横たわるテイカが強がりを見せるが、嬉しいって事、分かってるからな?《感知》で悪阻の程度を診て、ラビアンが作って来た不味い水を飲ませる。
「カケル様、美味しくないです」
「酸味足したりするとマシになるんだけどな。今サンの実無いんだよ」
「酸っぱい野菜はありますね。それとお酢」
「テイカは酢が飲めるのか」
「普段は飲みませんよ?此処に来る迄料理に使う事すら知りませんでしたから」
「そうだな。俺も酢の存在は知ってたが、売ってるの見た事無かったし」
酢の販売は商業ギルドが仕切ってて、バルタリンドでは海の近くの乾物屋にしか置いて無かったのだ。何故なら匂いが強い為、風通しの良い場所でしか売る事が出来無いそうな。
煮切って薄めてってするにしても厨房が大変な事になるだろうし、酸味のある野菜ジュースに塩を添加するのが良さそうだよな。
「昼迄はソレで我慢してくれ。吐いたら幾らでも《洗浄》するから、水飲んで喉の中を流せよ?」
「はい。少し休みます」
腕に巻き付かれて一緒に寝た。…回復、掛けとこ。
昼食を摂り、再び休みに行くテイカを見送った俺は風呂場の二階へ。リームに手伝いを頼みたかったが、ミーネと一緒にルドエで昼を食べたのか、島に帰って来なかった。仕方無い、一人で作る。
硬さを確認しながら生地を焼き、黒糖ダレを付けて乾かす。自分のおやつに一箱増して三箱作り、部屋を出た。
「カーケルー」
ネーヴェが待ち構えていた。どうする?《転移》を使えば逃げられるだろうか?だが今逃げ果せても後が怖い。両腕を上げて臨戦態勢のネーヴェに対し、話し合いでの解決を試みる。
「どうしたネーヴェ」
「だっこ~」
甘えん坊さんめ。抱き上げてペニスケの上に乗せた。
「ふんふん…甘い匂い~」
手足でガッチリホールドされて、逃げる事が出来無くなった。罠だったか。
「贈る用のを作ってたんだ。そっちのはまだあるだろ?」
「あれ、みんなでたべるよう」
「皆で食べなよう」
「カ~ケルゥ~」
尻を振り振りペニスケを揺らす。クソっ、こんな誘惑に負けてなるものか。
「皆で仲良く食べない子には作ってあげません」
「雪の国で、おんなだいてた…」
「……上に行こうか」
上下のお口を口封じして腹を満たしてやったよ!そして夕飯後には厨房で皆の分を焼き増しし、風呂場の二階で福利厚生を施した。鼻からバレてやがったぜ。
翌日は、朝の仕事に行ってから、ゴモラン邸にお邪魔して、黒糖煎餅一箱贈る。そして準備中の入浴施設で女達とエッチして、お昼を食べて午後の部へ。営業が終わると夫人達をゴモラン邸へと帰し、アルア邸、ハーク邸と回ってお菓子を贈り、両家のメイド達を入浴施設で労り労い楽しんで、夜の部を終えるとメイド達を両家に帰し、帰宅した。
「んっ…ん…」
目が覚めて、誰かがアイツを擦ってる。まだ目は開かんが誰かは分かる。
「おはようテイカ。気分はどうだ?」
「おはよう、ございます。何もしてないよりはずっと、い、良いです」
本当は止めたいけど、やらせてやろう…。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
狼になっちゃった!
家具屋ふふみに
ファンタジー
登山中に足を滑らせて滑落した私。気が付けば何処かの洞窟に倒れていた。……しかも狼の姿となって。うん、なんで?
色々と試していたらなんか魔法みたいな力も使えたし、此処ってもしや異世界!?
……なら、なんで私の目の前を通る人間の手にはスマホがあるんでしょう?
これはなんやかんやあって狼になってしまった私が、気まぐれに人間を助けたりして勝手にワッショイされるお話である。
【一時完結】スキル調味料は最強⁉︎ 外れスキルと笑われた少年は、スキル調味料で無双します‼︎
アノマロカリス
ファンタジー
調味料…それは、料理の味付けに使う為のスパイスである。
この世界では、10歳の子供達には神殿に行き…神託の儀を受ける義務がある。
ただし、特別な理由があれば、断る事も出来る。
少年テッドが神託の儀を受けると、神から与えられたスキルは【調味料】だった。
更にどんなに料理の練習をしても上達しないという追加の神託も授かったのだ。
そんな話を聞いた周りの子供達からは大爆笑され…一緒に付き添っていた大人達も一緒に笑っていた。
少年テッドには、両親を亡くしていて妹達の面倒を見なければならない。
どんな仕事に着きたくて、頭を下げて頼んでいるのに「調味料には必要ない!」と言って断られる始末。
少年テッドの最後に取った行動は、冒険者になる事だった。
冒険者になってから、薬草採取の仕事をこなしていってったある時、魔物に襲われて咄嗟に調味料を魔物に放った。
すると、意外な効果があり…その後テッドはスキル調味料の可能性に気付く…
果たして、その可能性とは⁉
HOTランキングは、最高は2位でした。
皆様、ありがとうございます.°(ಗдಗ。)°.
でも、欲を言えば、1位になりたかった(⌒-⌒; )
魔力0の貴族次男に転生しましたが、気功スキルで補った魔力で強い魔法を使い無双します
burazu
ファンタジー
事故で命を落とした青年はジュン・ラオールという貴族の次男として生まれ変わるが魔力0という鑑定を受け次男であるにもかかわらず継承権最下位へと降格してしまう。事実上継承権を失ったジュンは騎士団長メイルより剣の指導を受け、剣に気を込める気功スキルを学ぶ。
その気功スキルの才能が開花し、自然界より魔力を吸収し強力な魔法のような力を次から次へと使用し父達を驚愕させる。
没落ルートの悪役貴族に転生した俺が【鑑定】と【人心掌握】のWスキルで順風満帆な勝ち組ハーレムルートを歩むまで
六志麻あさ
ファンタジー
才能Sランクの逸材たちよ、俺のもとに集え――。
乙女ゲーム『花乙女の誓約』の悪役令息ディオンに転生した俺。
ゲーム内では必ず没落する運命のディオンだが、俺はゲーム知識に加え二つのスキル【鑑定】と【人心掌握】を駆使して領地改革に乗り出す。
有能な人材を発掘・登用し、ヒロインたちとの絆を深めてハーレムを築きつつ領主としても有能ムーブを連発して、領地をみるみる発展させていく。
前世ではロクな思い出がない俺だけど、これからは全てが報われる勝ち組人生が待っている――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる