1,397 / 1,519
禿げちゃう
しおりを挟む階段の守衛に下の掃除をお願いし、俺は島へと《転移》した。すると陽はまだ東を向いていて一瞬混乱する。感覚的に昼頃かと思っていたのだが、どうやら結構な時差があったようだ。
「カケル様。お帰りなさいませ。随分楽しまれたようですね」
降りて行くと、テイカが一番乗りの出迎えをしてくれる。
「只今。朝飯からどれくらい経った?後、俺が出てってから何日経った?」
「朝食からは…一オコンか半分くらいでしょうか。カケル様が孕ませ行脚に出て、今日で四日が経ちました」
三泊四日?地下は一日の時間迄違っていたようだ。皆それぞれの仕事や遊びに出てるとの事なので、俺は風呂に入って寝る事にした。
「カーケールさぁーん、寝ましたかぁ~?」
もう少しの所を引き戻される。
「んーーー」
返事のような唸り声を上げて応えると、布団の中にモゾモゾと推して入る音。そして柔らかくて良い匂いのたわわに包まれた。
「ん~」
「カケルさぁ~ん、何処に行っていましたかぁ?」
「ゆねなぁわかるはぶらろ」
どうせ星全体を見渡せる《感知》で逐一見ていた筈だ。おっぱい枕に密着し、《皮膚呼吸》に切り替える。
「髪に鱗が着いてますよぉ~」
「痛だっ」
鱗を取る振りして髪を抜くな。禿げちゃうでしょうが。
「んぷ。見てたんじゃ、無いのかよ」
「何処の龍として来たんですか。答えてくれなきゃ噛んじゃいます」
噛まれた所が抉り取られるパターンだな。
「竜人族が人を統治してる国だよ。龍とは誓ってして無いぞ」
「へぇ~。竜人ですかぁ」
「龍よりもトカゲに近いんだろ?」
「そうですけどぉ…。私の鱗とどっちが良いですかぁ?」
鱗の善し悪しなんて分からないよ。それに鱗のあるリュネとエッチした事無いし。それでも「リュネの鱗が一番だよ」と言うのが平和な回答だ。そしてどうやら当たりを引けたようで、たわわが圧迫して来た。抱き着いて、今度こそ寝る。
「妹の鱗が一番か」
「そうかそうか、つまり主様はそう言う男だったのだな」
寝られませんでした。ミーネとリーム、二人の姉龍から冷たい視線を食らい悪寒が走る。
「リ、リームは乗り心地が良いし、ミーネは見た目が強そうだ。だから皆一番だよ」
「もぉー」「そうか、乗り心地が良いか」「むう、まあ良いだろう」
リュネは膨れてしまったが、二人は納得してくれたようだ。
「カケル…私、乗られた事、ない」
…ネーヴェも居たのか。つかネーヴェは龍化した事無いでしょうが。
「ネーヴェは抱っこしたいから良いんだよ」
「…そか」
「所で皆集まってどうした?寂しかったか?」
「あはぁ~ん、寂しかったですぅ~」
「主様よ、そろそろトカゲの収穫をしようと思ってな」
「卵が出来始めたから一匹二匹なら平気だろう」
「お肉、食べる」
「そうか、皆喜ぶよ。二人共、世話してくれてありがとうな」
「私もお世話しましたぁ~」「私もした」
「そかそか、皆ありがとな」
リュネのホールドから片手を逃がし、ネーヴェを呼んで抱き着かせる。諦めて姉龍達は一時撤退して行った。後で褒めてあげねば。
その日の夕食、早速トカゲ肉が振る舞われた。入浴施設への混入を避ける為、肉の管理はリュネが行う事となり、トカゲ以外の肉と抱き合わせで供された。今回は餌トカゲの肉だ。
トカゲに比べて数段落ちると言われていた餌トカゲだが、実際に食べ比べてみて案外悪くない事に気付かされる。スープにしても柔らかい餌トカゲは子供達に人気らしい。干し肉はトカゲの方が断然美味い。要は料理次第だな。
夜は島の皆に福利厚生を施して、ミーネとリームに挟まれて朝を迎えた。孕ませ欲求も解消されて、今日から再び施設の仕事に出る。頑張って働かねば!
そして朝の部を終えた頃、エメラルダスが新調された鎧を持って来てくれた。
「凄く、緑色だな」
「鱗が剥がれたら艶が出るのは知ってたけど、鮮やかになるなんて知らなかったよ」
カナブンみたいな色の皮鎧は派手過ぎやしないか?
0
あなたにおすすめの小説
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
魔力0の貴族次男に転生しましたが、気功スキルで補った魔力で強い魔法を使い無双します
burazu
ファンタジー
事故で命を落とした青年はジュン・ラオールという貴族の次男として生まれ変わるが魔力0という鑑定を受け次男であるにもかかわらず継承権最下位へと降格してしまう。事実上継承権を失ったジュンは騎士団長メイルより剣の指導を受け、剣に気を込める気功スキルを学ぶ。
その気功スキルの才能が開花し、自然界より魔力を吸収し強力な魔法のような力を次から次へと使用し父達を驚愕させる。
病弱が転生 ~やっぱり体力は無いけれど知識だけは豊富です~
於田縫紀
ファンタジー
ここは魔法がある世界。ただし各人がそれぞれ遺伝で受け継いだ魔法や日常生活に使える魔法を持っている。商家の次男に生まれた俺が受け継いだのは鑑定魔法、商売で使うにはいいが今一つさえない魔法だ。
しかし流行風邪で寝込んだ俺は前世の記憶を思い出す。病弱で病院からほとんど出る事無く日々を送っていた頃の記憶と、動けないかわりにネットや読書で知識を詰め込んだ知識を。
そしてある日、白い花を見て鑑定した事で、俺は前世の知識を使ってお金を稼げそうな事に気付いた。ならば今のぱっとしない暮らしをもっと豊かにしよう。俺は親友のシンハ君と挑戦を開始した。
対人戦闘ほぼ無し、知識チート系学園ものです。
暗殺者から始まる異世界満喫生活
暇人太一
ファンタジー
異世界に転生したが、欲に目がくらんだ伯爵により嬰児取り違え計画に巻き込まれることに。
流されるままに極貧幽閉生活を過ごし、気づけば暗殺者として優秀な功績を上げていた。
しかし、暗殺者生活は急な終りを迎える。
同僚たちの裏切りによって自分が殺されるはめに。
ところが捨てる神あれば拾う神ありと言うかのように、森で助けてくれた男性の家に迎えられた。
新たな生活は異世界を満喫したい。
【完結】ポーションが不味すぎるので、美味しいポーションを作ったら
七鳳
ファンタジー
※毎日8時と18時に更新中!
※いいねやお気に入り登録して頂けると励みになります!
気付いたら異世界に転生していた主人公。
赤ん坊から15歳まで成長する中で、異世界の常識を学んでいくが、その中で気付いたことがひとつ。
「ポーションが不味すぎる」
必需品だが、みんなが嫌な顔をして買っていく姿を見て、「美味しいポーションを作ったらバカ売れするのでは?」
と考え、試行錯誤をしていく…
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる