女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

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畜生

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 内通りを更に進むとデカい敷地の鍛冶屋があり、外壁より高い壁で覆われていて守衛迄立っている。

「お前、何処に行く!?」「直ぐにこの場から離れろ!」

通り過ぎようとしただけで絡まれた。

「見て分からんか?観光だよ。仲間が鉱山傭兵のウヴァルの所で厄介になっててな。迎えに来たんだ」

「ウヴァルだと!?」「ウヴァルか…。とっとと行けっ」

流石地もピー。地もピーの名前を出すと途端に大人しくなる地もピーあるある。相手も直ぐには確認出来無いから引くしかないってな。
この鍛冶屋、鍛冶屋以外の仕事もしてるようだ。と言うより衛兵詰所の中に鍛冶屋があるようだ。一番使う場所だし合理的ではあるな。そこを通り過ぎると小さな鍛冶屋や魔道具屋もあって、あのデカい鍛冶屋が境界になってる事が分かった。
外側に家が無くなると、内側に見えるのは飲み屋街。真昼間から飲んだくれてるのは居ないみたいだが、数人固まり座って動かない者が居る。用心棒、これも一つの職業だな。敏感な者が外を行く俺に気付く。女だし、手でも振っておくか。
飲み屋街を過ぎると両面壁となる。奥に大きい屋敷が見えるので貴族の家かな?まだ半分過ぎた程度だが、つまんなそうなので路地に入ろう。少し戻って飲み屋街の路地を進む。ウロウロして、そろそろ腹が減って来たが、満たせるのは食欲では無さそうだ。やっぱりあるんだな、風俗街。だがこれは次回だな。営業が夜からなのか閉まって居るし、リュネとネーヴェに噛まれる。超敏感な二人に気取られぬよう、心を無にして通りを歩く。貴族街を背にして右回り。細い通りにベッドと酒?の看板が並ぶ。飯屋は無いのかな?飯屋を探す振りをして、店舗の中をて回った。ヤってる店もあるのな、畜生め。
娼館から安宿へと街並みが変わり、デカい鍛冶屋の壁が見えて来ると更に路地に入る。が、そこはもう住宅街。観光は此処迄のようだ。外側に戻ろう。

「またお前か」「此処には来るなと言っただろう!?」

「風俗街見て来たんだ。これから飯屋に行くんだが美味い所知らないか?」

戻り易かったのがソコしか無かったのだが、やはり絡まれる鍛冶屋前。折角なので飯屋の場所を聞いてみるが、鉱山都市の中で食えと言われてしまった。外の街は雪の季節で殆ど閉めてて夜しかやってないんだって。そう言う事なら仕方無い。大外通り迄出て右回りで帰った。


「いらっしゃいませ。穴の宿ミス……貴方、以前来たわよね?」

 俺が知ってて飯のある店なんて此処だけだ。キキラの働いていた宿屋ミスリルピックである。犬耳お姉さんことキューイは俺の匂いを覚えていたようだ。俺も覚えていたぞ。

「今日は昼飯だけ。座れるかな?」

「大丈夫よ。下の人達は昼になってから動き出すから上の人達と勝ち会う事も少ないの。棲み分けしてるのかしらね?」

混み合うのは夜だけらしい。食堂に入るとそれなりに混みあっては居たがカウンターが空いてるので中に居た従業員に一言入れて席に着く。長居させない為の硬い木の椅子だが、浮けば長居もヘッチャラだ。

「お客さん、初めて?お決まりなら言ってね?」

「じゃあ、水と肉とスープにソーサー。スープは種類あるの?」

キノコと魚の二種だと言うので魚にした。手馴れた注文は周りの声に倣ったよ。ミソプファンティアのお金を払い、お釣りの銅貨を受け取ると、尻尾を揺らして仕事するウェイトレス達を眺めて待った。

「はぁーいお待たせー。お尻見過ぎですよー」

「見てたのは尻尾だよ。俺には無いからな」

「嘘吐き。分かるんだから」

チップに銀貨を握らせたら尻尾でテシッとしてくれた。
さてさて飯飯。一口大に刻まれた魚のスープが美味い。鱈みたいな味で、口の中でホロホロと解けて行く。鱗付きっぱだが細かいので気にならん。肉は以前も食ったが歯応えあってジューシー。獣民の口に合わせてあるので小さく切って口に運んだ。




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