1,505 / 1,519
命拾い
しおりを挟む「エラい混んでんな。お前等並んでんだろ?」
ボス部屋前は列を成し、部屋の隅で寝てる奴も居る。最後尾に着いて前の奴に話し掛けると、面倒臭そうではあったが此処が最後尾だと教えてくれた。お礼に炒り豆をくれてやろう。
「何だそれ。ん、なんか甘いな。…まさか毒じゃねーだろうな?」
「食ってから言うなよ。俺のおやつだ。腹に溜まるし日持ちするから便利だぞ」
「ふーん、ボリボリボリボリ…水欲しくなるな」
「おい、俺にもくれよそれ。ボリボリボリボリ気になる落とし音出しやがって」
「情報次第でどうだ?」
「良いぜ」
男の前に居る奴は仲間なのか、ボリボリ音に惹かれただけか、炒り豆くれとせがんで来たので対価を吹っ掛ける毛深い男。獣人か?毛深い男はボス部屋の住人について教えてくれた。予想通りブフリム種が大小湧いて出るそうだ。炒り豆一掴み持って行け。
「ガリボリボリゴリ…懐かしい味がしやがる…」
その後二人と他愛無い話等して順番が周り、毛深い男、前の男、それぞれパーティーと合流して扉の中へと消えて行った。そして残った俺一人、絶賛ぼっちなう。
「お、お前一人か?」
前の男のパーティーが入って直ぐ、背後から来た声に視線を向けると、羨ましいハーレムパーティーの女四人とおまけが居た。良いなぁ。
「良いなぁ」
「あ!?俺の女に色目使うなよコラ」
「ああ、悪い悪い。俺も誰か連れて来ればと思ってな」
「居もしない女をか?ハッ、笑えるぜハハッ」
笑う男に対して女の子四人は笑わない。特に三人は後衛なのか、固まってしまった。
「あの、ユーダン様。サッチェ達の体調が優れない様子。私が場所を取りますので其方で少しお休み下さい」
「…チッ。命拾いしたな、ソロ野郎」
男は三人の腰に手を回し、高笑いして端へと向かう。命拾いしたね。
「あの、もしやカケル様では?」
「如何にも」
初めて見る女が俺の名前を知っていた。何でだ?俺の治した重傷者の中に知り合いが居たそうで、昨日の昼間、倉庫に居るのを偶々見掛けてしまったのだと中途半端な甲冑を着けた女は小さな声で教えてくれた。
「そうか。お前達は食えてるか?」
「ええ、最近迄メルタールで活動してましたので困る事は。ブラマハーンに行く途中立ち寄りまして潜ってみようと…。街が廃れているとは知りませんでした」
「その内活気も出るだろさ」
ガチャンと鍵が開く音がする。もう入って良さそうだ。
「お前一人なんだから俺達と代われっ」
男の声を無視して中に入り込む。代わるかボケ。
扉が閉まり、湧いて出た敵は毛深い男の言った通りの構成で、棒で殴って済む程度の強さだった。煙の中から出て来た箱も、十階のボスならこんな物かと言う感じ。マラソンして迄連闘する程では無いな。先に進む。
階段部屋を出て、十一階からダンジョンの様相が一変した。遺跡型からフィールド型の階層に変わり、《感知》で見渡すと草原に森のある広大な階層になっていた。しかも下の階とも空間が繋げられて下り階段が凄く長い。二階層ぶち抜かれているフィールドなんて初めてだ。出て来る敵もブフリムやウォリスの他にゴーラ、デストロイヤー、鹿っぽいの、蛇、鳥、虫なんてのが見える。降り口は《感知》で見渡した時に見付けてあるので走る振りして飛んで向かった。
広さがあるので敵の密度は高く無い。その代わり察知能力が高いのか、離れていても駆け寄って来る。冒険者絶対殺すマンな形相の熊っぽいのが走って来るが、立ち上がったのを見て棒を振り回す。横っ面をバチンと行ったが構わずハグされてしまった。ちょっと硬いけどモフモフだ…。抱き着かれても噛まれても、《結界》越しでは痛くない。抱き着き返して熊吸いする。皮でもドロップしてくれたらなぁ…。
「オルァ雑魚退けえっ!!」
熊吸いでトリップしていると、俺の背後から雑魚が剣持って飛び込んで来たので場所を変わってやった。
20
あなたにおすすめの小説
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
魔力0の貴族次男に転生しましたが、気功スキルで補った魔力で強い魔法を使い無双します
burazu
ファンタジー
事故で命を落とした青年はジュン・ラオールという貴族の次男として生まれ変わるが魔力0という鑑定を受け次男であるにもかかわらず継承権最下位へと降格してしまう。事実上継承権を失ったジュンは騎士団長メイルより剣の指導を受け、剣に気を込める気功スキルを学ぶ。
その気功スキルの才能が開花し、自然界より魔力を吸収し強力な魔法のような力を次から次へと使用し父達を驚愕させる。
病弱が転生 ~やっぱり体力は無いけれど知識だけは豊富です~
於田縫紀
ファンタジー
ここは魔法がある世界。ただし各人がそれぞれ遺伝で受け継いだ魔法や日常生活に使える魔法を持っている。商家の次男に生まれた俺が受け継いだのは鑑定魔法、商売で使うにはいいが今一つさえない魔法だ。
しかし流行風邪で寝込んだ俺は前世の記憶を思い出す。病弱で病院からほとんど出る事無く日々を送っていた頃の記憶と、動けないかわりにネットや読書で知識を詰め込んだ知識を。
そしてある日、白い花を見て鑑定した事で、俺は前世の知識を使ってお金を稼げそうな事に気付いた。ならば今のぱっとしない暮らしをもっと豊かにしよう。俺は親友のシンハ君と挑戦を開始した。
対人戦闘ほぼ無し、知識チート系学園ものです。
暗殺者から始まる異世界満喫生活
暇人太一
ファンタジー
異世界に転生したが、欲に目がくらんだ伯爵により嬰児取り違え計画に巻き込まれることに。
流されるままに極貧幽閉生活を過ごし、気づけば暗殺者として優秀な功績を上げていた。
しかし、暗殺者生活は急な終りを迎える。
同僚たちの裏切りによって自分が殺されるはめに。
ところが捨てる神あれば拾う神ありと言うかのように、森で助けてくれた男性の家に迎えられた。
新たな生活は異世界を満喫したい。
【完結】ポーションが不味すぎるので、美味しいポーションを作ったら
七鳳
ファンタジー
※毎日8時と18時に更新中!
※いいねやお気に入り登録して頂けると励みになります!
気付いたら異世界に転生していた主人公。
赤ん坊から15歳まで成長する中で、異世界の常識を学んでいくが、その中で気付いたことがひとつ。
「ポーションが不味すぎる」
必需品だが、みんなが嫌な顔をして買っていく姿を見て、「美味しいポーションを作ったらバカ売れするのでは?」
と考え、試行錯誤をしていく…
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる