女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

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清書するのは俺の仕事

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「な?おっぱい舐る程疲れるだろ?」

 俺の問いに頷くしか無いイゼッタ。ネーヴェは大きさに上半身毎顔をキョロキョロさせて見てる。

「線、いっぱい」

「線と線の間で二ハーン離れてるんだ。狭い程勾配がキツくなる。急斜面や崖になってんだ」

「なるほろ…」

「滝に、家…。コッチはミスリル山…」

イゼッタは地図が読めるのか、少ない平地を見てうんうん唸ってる。

「いっその事山頂を切ってしまおうかと思ってる。水は魔石で出せるからな」

「ほー」「ふむふむ」

地図を見て、二人の創造心に火が着いたのか、紙をせがまれ、ボールペンを奪われて、お絵描き会が始まった。アマナットも没収されて、更地にした山頂に建てる家を模索し続けた。
百人程度が住める家を建てるのはイゼッタには難しく、貴族家特有のエントランスや踊り場は描けるが居住スペース迄手が回らない。ネーヴェは…巣?ダンジョンみたいに通路の横に部屋がある。ある意味居住スペースか。そう考えるとセカンドハウスの造りは間違って無いな。

 二人が描いた平面図を足して清書するのは俺の仕事だ。円形の壁面に沿って居室と倉庫を含む個室が二階分あり、中央は吹き抜けの食堂と厨房。地下は倉庫と風呂と洗濯施設と龍の巣。三階は多目的広場、要するに遊び場だ。更に上は屋上で、UFOの発着場とした。

「こだいふ~」「闘技場」

確かにそんな感じだな。動線を考え二つに分かれたように見える厨房は料理バトルの舞台にも見える。実際作るのは入浴施設だろうから、ちょっとおやつ作ったりとかでしか使わないのだろうけど。

円周百五十ハーン+遊び場含めた庭。そのスペースが取れる場所迄山頂を切るとなると、今の総合施設の高さ迄切る事になる。残土は斜面を均すのに使えば土地が増えるな。少ない平地に点在してる血止め草畑を統合するのに使えそうだ。


「大きい島だったんですねー!」

 昼飯を食べて午後の部を終え、皆に地図と建設予定の家の図を見てもらう。サミイは島民の中では島を上から見る機会の多い子だが、改めて島の大きさに感心していた。ラビアン達は地図の見方を知らない様子だったが、現在地を教えてやると見慣れた場所と照らし合わせて此処がそこ、彼処がそこでと盛り上がる。

「山を切って残土が出るから、広くしたい場所があれば要望を聞くよ。個人的には血止め草の畑を統合したいと思ってる」

「果樹園もお願いします」

「果樹は陽の当たる南の斜面が良いな。糖の木以外見た事無いんだが」

「はい。この場所と、此処に植えて頂きました」

リームにお強請りして地上に成る果物の種を植えてもらったらしい。俺、ダンジョンフルーツ以外の果物なんて食った覚えが無い。ウロの実とか草の実だしな。
荷物の整理は明日には終わると言う。食料関係は入浴施設に、家財と寝具はセカンドハウスに残りの物を運んだら何時でも壊せる状態だそうだ。

「カケルさぁん。お手伝い、要りますよね~?」

「勿論だ。俺一人の限界超えてるからな。皆にも建具作ったり部屋の飾り付けみたいな、俺の出来無い事を頼みたい。協力してやって行こう」

「「「はーいっ」」」

良い返事だ。そして食堂に島民が揃って摂る食事はコレが最後となった。これから暫く、セカンドハウスでの寝泊まりとなる。

 夕飯迄時間があるのでセカンドハウスで子供達と遊ぶ。ちんちん萎え萎えにして普通のパンツを履き、カナブン色の服を着る。海竜の皮鎧ではぶら下がったりよじ登ったりするからだ。それでも派手な色に寄って来るのでパパヘブンである。子供達も新居に慣れてくれたみたいで良かった。


 翌々日からは施設での仕事を休みにし、造成工事の仕事となる。地図と現物を照らし合わせながら先ずは木と草を引っこ抜く。生き物を浮かせると蟹に逃げて増えたタマゲル、虫等が浮かんで来た。下の方に逃がしとこ。禿山になった山をリュネが切り取って平地に変える。俺がやったら何日も掛かるだろうな…。




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