16 / 31
第15章「支援魔術の覚醒──隠された真の力」
しおりを挟む
告白の夜から一週間が経った。
四人は、以前の関係を取り戻しつつあった。
恋愛感情は残っているが、まずは仲間としての絆を優先することにした。
「今日の依頼は、Aランクです」
アリシアは依頼書を読んだ。
【緊急依頼】
古代遺跡に魔王軍の幹部が侵入
至急討伐求む
報酬:200シルバー
難易度:A
「Aランク……」
蓮は緊張した。
「大丈夫か?」
「大丈夫よ」
リリアは自信満々に言った。
「私たちなら、勝てるわ」
「そうだよ!」
セラも拳を握りしめた。
「あたしたち、最強なんだから!」
「……わかった。行こう」
蓮は決意した。
古代遺跡は、王都から東に半日の場所にあった。
石造りの巨大な神殿。
かつて、古代文明が栄えていた証。
「ここが……」
蓮は遺跡を見上げた。
「不気味ね……」
リリアは魔力の流れを感じ取った。
「強力な魔力が渦巻いている」
「気をつけましょう」
アリシアは剣を抜いた。
四人は遺跡の中へと入っていった。
遺跡の内部は、薄暗く広大だった。
柱が立ち並び、壁には古代文字が刻まれている。
「魔王軍は、何をしに来たんだろう」
セラが呟いた。
「おそらく、古代の魔法を探しているのよ」
リリアが答えた。
「この遺跡には、失われた魔法の知識が眠っているという伝説があるわ」
「失われた魔法……」
「ええ。もし魔王軍がそれを手に入れたら、大変なことになる」
「じゃあ、急がないと」
四人は奥へと進んでいった。
遺跡の最深部に到着すると──
そこには、黒いローブを纏った人影が立っていた。
「ようこそ、トリニティ」
低い声が響いた。
「待っていたぞ」
「お前は……」
アリシアは剣を構えた。
「魔王軍……!」
「俺は魔王軍第一師団長、ダークロード・ザイン」
ザインはフードを下ろした。
30代半ばと思われる男性。
鋭い目つき、傷だらけの顔。
そして、圧倒的な魔力。
「お前らを、ここで始末する」
ザインは魔法を唱え始めた。
「来る……!」
蓮は叫んだ。
「グランド・サポート!」
三人の体が光り輝いた。
「ダークネスストーム!」
ザインが闇の嵐を放った。
「くっ……!」
アリシアは剣で防御した。
「フリーズシールド!」
リリアが氷の盾を展開した。
だが、闇の嵐は盾を突き破ってくる。
「痛っ……!」
三人は吹き飛ばされた。
「強い……!」
「こいつ、今までの幹部とは格が違う……!」
リリアは冷や汗を流した。
「立て」
ザインは冷たく言った。
「これで終わりか? ならば、死ね」
ザインは再び魔法を唱えた。
「シャドウランス!」
無数の闇の槍が、四人に向かって飛んできた。
「まずい……!」
蓮は咄嗟に三人の前に立った。
「神谷さん、危ない!」
アリシアが叫んだ。
だが、蓮は動かなかった。
その瞬間──蓮の体が激しく光り始めた。
「え……?」
蓮自身も驚いた。
視界にメッセージが浮かび上がる。
【スキル覚醒】
支援魔術の真の力が覚醒しました
新スキル:アブソリュート・サンクチュアリ
効果:味方全員を完全防御する結界を展開
持続時間:10分
消費MP:100
「アブソリュート・サンクチュアリ……!」
蓮は本能的に叫んだ。
眩い光が、四人を包み込んだ。
闇の槍が結界に当たるが──
全て弾かれた。
「何……!?」
ザインは驚愕した。
「この結界……まさか……」
「すごい……」
アリシアは呆然とした。
「神谷さんの力が……」
「これが、支援魔術の真の力……」
リリアも驚いていた。
「信じられないわ……」
結界の中で、蓮は膝をついた。
「はあ……はあ……」
MPを大量に消費した。
だが、仲間は守れた。
「神谷!」
セラが駆け寄った。
「大丈夫!?」
「うん……何とか……」
蓮は立ち上がった。
「でも、もう一回は使えない……」
「十分よ」
リリアは杖を構えた。
「あなたが時間を稼いでくれた」
「ええ」
アリシアも剣を構えた。
「今度は、私たちが戦います」
「任せて!」
セラも拳を握りしめた。
三人は、ザインに突撃した。
「はあああっ!」
アリシアの剣が、ザインに迫る。
だが、ザインは軽々と避けた。
「遅い」
ザインの拳が、アリシアの腹に叩き込まれた。
「ぐはっ……!」
「アリシア!」
「フレイムエクスプロージョン!」
リリアの最大魔法が、ザインを襲う。
ドオォォンッ!
爆発がザインを包み込む。
だが──
ザインは無傷で立っていた。
「この程度か……」
「嘘……」
リリアは愕然とした。
「はあっ!」
セラが背後から飛びかかった。
拳がザインの後頭部に迫る──
だが、ザインは振り向きざまにセラを蹴り飛ばした。
「ぐあっ……!」
セラは壁に叩きつけられた。
「くそっ……」
三人は立ち上がったが、ダメージは大きい。
「このままじゃ……」
蓮は焦った。
MPはもうほとんど残っていない。
支援魔法も、あと一回使えるかどうか。
「どうすれば……」
その時──
蓮の胸の中で、何かが弾けた。
再び、視界にメッセージが浮かび上がる。
【新スキル覚醒】
スキル名:リザレクション・ブースト
効果:瀕死の仲間の体力を完全回復し、全能力を一時的に5倍に強化
持続時間:3分
消費MP:残り全MP
リスク:使用後、意識を失う
「5倍……!」
蓮は驚いた。
だが、使えば倒れてしまう。
「……やるしかない」
蓮は決意した。
「みんな、聞いて!」
「何!?」
「今から、最後の支援魔法を使う」
蓮は叫んだ。
「3分で、ザインを倒して!」
「神谷さん……」
アリシアは不安そうに言った。
「また、倒れるんですか……?」
「大丈夫。みんなを信じてる」
蓮は笑顔で答えた。
「行くよ……リザレクション・ブースト!」
遺跡全体が、神々しい光に包まれた。
三人の体が、激しく輝く。
傷が癒え、体力が完全回復する。
そして──
体中に、これまでにない力が漲る。
「この力……!」
アリシアは驚愕した。
「すごい……今の私、無敵な気がする……!」
「信じられない……こんな力……」
リリアも魔力の高まりを感じた。
「やばい……やばすぎる……!」
セラは拳を握りしめた。
「これなら……勝てる!」
三人は、再びザインに突撃した。
だが、今度は違う。
「はああああっ!」
アリシアは光速で移動した。
ザインは避けようとしたが──
間に合わない。
「な、速い……!」
アリシアの剣が、ザインの胸を貫いた。
「ぐはっ……!」
「とどめよ!」
リリアが魔法を放った。
「フレイムノヴァ!」
太陽のような巨大な炎の球が、ザインを飲み込んだ。
「ガアアアアッ!」
ザインは激痛に悶えた。
「最後だ!」
セラが跳躍した。
そして──
渾身の一撃を、ザインの頭部に叩き込んだ。
ドゴォォォォンッ!
遺跡が揺れた。
ザインは地面に叩きつけられた。
「く……そ……こんな……はずでは……」
ザインの体が煙のように消えていった。
「覚えて……ろ……」
ザインは完全に消滅した。
「やった……!」
三人は喜びの声を上げた。
だが、次の瞬間──
「神谷!」
振り向くと、蓮は地面に倒れていた。
「神谷さん!」
アリシアが駆け寄った。
「大丈夫……ですか……」
「うん……ちょっと……疲れた……」
蓮は弱々しく笑った。
「勝てた……?」
「ええ。あなたのおかげで」
リリアは涙ぐんでいた。
「ありがとう……」
「良かった……」
蓮は目を閉じた。
「みんな……無事で……」
そして、意識を失った。
三日後、蓮は王都の医療施設で目を覚ました。
「あれ……?」
「目が覚めましたか!」
アリシアが駆け寄ってきた。
「良かった……本当に良かった……」
「俺、どれくらい寝てた?」
「三日です」
「三日も……」
蓮は起き上がろうとしたが、体がまだ重い。
「無理しないで」
リリアが言った。
「あなた、また全力を使い果たしたのよ」
「そっか……」
「でも、もう大丈夫だよ!」
セラが笑顔で言った。
「お医者さんも、明日には退院できるって」
「良かった……」
蓮は安堵した。
その日の午後、四人は静かに談笑していた。
「神谷さん」
アリシアが真剣な表情で言った。
「あなたの力、本当にすごいです」
「え?」
「支援魔術の真の力……あんなに強力だとは思いませんでした」
「そうね」
リリアも頷いた。
「アブソリュート・サンクチュアリとリザレクション・ブースト……どちらも、規格外の力よ」
「でも、使うと倒れちゃうからな……」
蓮は苦笑した。
「あまり頼りにならないかも」
「そんなことないよ!」
セラが言った。
「蓮の力があったから、あたしたち勝てたんだよ!」
「そうです」
アリシアも微笑んだ。
「あなたは、私たちの要です」
「……ありがとう」
蓮は照れくさそうに笑った。
その時、扉がノックされた。
「入って」
扉が開くと、騎士団長のレオンハルトが入ってきた。
「神谷蓮」
「はい」
「お前の活躍、報告を受けた」
レオンハルトは頷いた。
「魔王軍第一師団長ザインの討伐、見事だった」
「ありがとうございます」
「それで、一つ提案がある」
レオンハルトは真剣な表情になった。
「お前たちに、特別任務を依頼したい」
「特別任務……?」
「ああ。魔王城への潜入調査だ」
「魔王城……!?」
四人は驚愕した。
「魔王軍の幹部を何人も倒したお前たちなら、できるはずだ」
レオンハルトは地図を広げた。
「魔王城は、遥か北の魔境にある。そこに潜入し、魔王軍の動きを探ってほしい」
「……わかりました」
アリシアは決意した。
「私たちが行きます」
「頼む」
レオンハルトは深々と頭を下げた。
「お前たちが、王国の希望だ」
レオンハルトが去った後、四人は顔を見合わせた。
「魔王城か……」
蓮は呟いた。
「いよいよ、本格的な戦いになるな」
「ええ」
アリシアは頷いた。
「でも、私たちなら大丈夫です」
「そうね」
リリアも微笑んだ。
「神谷の支援があれば、どんな敵にも勝てるわ」
「うん!」
セラも拳を握りしめた。
「あたしたち、最強だもん!」
「……ありがとう、みんな」
蓮は笑顔で答えた。
「じゃあ、行こう。魔王城へ」
「はい!」
四人は揃って答えた。
数日後、蓮は完全に回復した。
「よし、準備完了」
蓮は装備を整えた。
「じゃあ、出発しましょう」
アリシアが言った。
四人は王都を出発した。
魔王城への長い旅が、今始まろうとしていた。
だが、旅の途中で──
四人は、意外な人物と再会することになる。
もう一人の転生者、佐藤健太。
彼も、魔王城へと向かっていた。
「よう、神谷」
健太は剣を背負って立っていた。
「お前らも、魔王城に行くのか?」
「ああ」
蓮は頷いた。
「騎士団からの依頼で」
「そうか」
健太は腕を組んだ。
「じゃあ、一緒に行くか」
「え……?」
蓮は驚いた。
「お前、一人で行動するんじゃなかったのか?」
「まあな」
健太は少し照れくさそうに言った。
「でも、魔王城は流石に一人じゃ厳しいと思ってな」
「……」
蓮は健太を見つめた。
少しだけ、変わった気がした。
「わかった。一緒に行こう」
「おう」
健太は笑顔で答えた。
五人は、魔王城へと向かって歩き出した。
新しい仲間が加わり、パーティは五人になった。
支援術師の蓮。
騎士のアリシア。
魔術師のリリア。
獣人戦士のセラ。
そして、剣聖の健太。
五人が揃えば、無敵だ。
「よし、行くぞ」
蓮は拳を握りしめた。
「魔王城へ」
五人は、未知の領域へと進んでいく。
激しい戦いが、彼らを待ち受けている。
だが、彼らは恐れない。
仲間がいる。
信じ合える仲間が。
それがあれば、どんな困難も乗り越えられる。
五人は、希望を胸に進んでいった。
物語は、クライマックスへと向かっていく。
その夜、野営地で五人は焚き火を囲んでいた。
「明日から、本格的な旅になるな」
健太が言った。
「魔王城まで、どれくらいかかるんだ?」
「おそらく、一ヶ月はかかります」
アリシアが答えた。
「魔境は危険な場所ですから」
「一ヶ月か……長いな」
「でも、みんなと一緒なら楽しいよ!」
セラが笑顔で言った。
「うん」
蓮も微笑んだ。
五人は静かに焚き火を見つめた。
星空が美しい夜だった。
新しい冒険が、今始まろうとしていた。
四人は、以前の関係を取り戻しつつあった。
恋愛感情は残っているが、まずは仲間としての絆を優先することにした。
「今日の依頼は、Aランクです」
アリシアは依頼書を読んだ。
【緊急依頼】
古代遺跡に魔王軍の幹部が侵入
至急討伐求む
報酬:200シルバー
難易度:A
「Aランク……」
蓮は緊張した。
「大丈夫か?」
「大丈夫よ」
リリアは自信満々に言った。
「私たちなら、勝てるわ」
「そうだよ!」
セラも拳を握りしめた。
「あたしたち、最強なんだから!」
「……わかった。行こう」
蓮は決意した。
古代遺跡は、王都から東に半日の場所にあった。
石造りの巨大な神殿。
かつて、古代文明が栄えていた証。
「ここが……」
蓮は遺跡を見上げた。
「不気味ね……」
リリアは魔力の流れを感じ取った。
「強力な魔力が渦巻いている」
「気をつけましょう」
アリシアは剣を抜いた。
四人は遺跡の中へと入っていった。
遺跡の内部は、薄暗く広大だった。
柱が立ち並び、壁には古代文字が刻まれている。
「魔王軍は、何をしに来たんだろう」
セラが呟いた。
「おそらく、古代の魔法を探しているのよ」
リリアが答えた。
「この遺跡には、失われた魔法の知識が眠っているという伝説があるわ」
「失われた魔法……」
「ええ。もし魔王軍がそれを手に入れたら、大変なことになる」
「じゃあ、急がないと」
四人は奥へと進んでいった。
遺跡の最深部に到着すると──
そこには、黒いローブを纏った人影が立っていた。
「ようこそ、トリニティ」
低い声が響いた。
「待っていたぞ」
「お前は……」
アリシアは剣を構えた。
「魔王軍……!」
「俺は魔王軍第一師団長、ダークロード・ザイン」
ザインはフードを下ろした。
30代半ばと思われる男性。
鋭い目つき、傷だらけの顔。
そして、圧倒的な魔力。
「お前らを、ここで始末する」
ザインは魔法を唱え始めた。
「来る……!」
蓮は叫んだ。
「グランド・サポート!」
三人の体が光り輝いた。
「ダークネスストーム!」
ザインが闇の嵐を放った。
「くっ……!」
アリシアは剣で防御した。
「フリーズシールド!」
リリアが氷の盾を展開した。
だが、闇の嵐は盾を突き破ってくる。
「痛っ……!」
三人は吹き飛ばされた。
「強い……!」
「こいつ、今までの幹部とは格が違う……!」
リリアは冷や汗を流した。
「立て」
ザインは冷たく言った。
「これで終わりか? ならば、死ね」
ザインは再び魔法を唱えた。
「シャドウランス!」
無数の闇の槍が、四人に向かって飛んできた。
「まずい……!」
蓮は咄嗟に三人の前に立った。
「神谷さん、危ない!」
アリシアが叫んだ。
だが、蓮は動かなかった。
その瞬間──蓮の体が激しく光り始めた。
「え……?」
蓮自身も驚いた。
視界にメッセージが浮かび上がる。
【スキル覚醒】
支援魔術の真の力が覚醒しました
新スキル:アブソリュート・サンクチュアリ
効果:味方全員を完全防御する結界を展開
持続時間:10分
消費MP:100
「アブソリュート・サンクチュアリ……!」
蓮は本能的に叫んだ。
眩い光が、四人を包み込んだ。
闇の槍が結界に当たるが──
全て弾かれた。
「何……!?」
ザインは驚愕した。
「この結界……まさか……」
「すごい……」
アリシアは呆然とした。
「神谷さんの力が……」
「これが、支援魔術の真の力……」
リリアも驚いていた。
「信じられないわ……」
結界の中で、蓮は膝をついた。
「はあ……はあ……」
MPを大量に消費した。
だが、仲間は守れた。
「神谷!」
セラが駆け寄った。
「大丈夫!?」
「うん……何とか……」
蓮は立ち上がった。
「でも、もう一回は使えない……」
「十分よ」
リリアは杖を構えた。
「あなたが時間を稼いでくれた」
「ええ」
アリシアも剣を構えた。
「今度は、私たちが戦います」
「任せて!」
セラも拳を握りしめた。
三人は、ザインに突撃した。
「はあああっ!」
アリシアの剣が、ザインに迫る。
だが、ザインは軽々と避けた。
「遅い」
ザインの拳が、アリシアの腹に叩き込まれた。
「ぐはっ……!」
「アリシア!」
「フレイムエクスプロージョン!」
リリアの最大魔法が、ザインを襲う。
ドオォォンッ!
爆発がザインを包み込む。
だが──
ザインは無傷で立っていた。
「この程度か……」
「嘘……」
リリアは愕然とした。
「はあっ!」
セラが背後から飛びかかった。
拳がザインの後頭部に迫る──
だが、ザインは振り向きざまにセラを蹴り飛ばした。
「ぐあっ……!」
セラは壁に叩きつけられた。
「くそっ……」
三人は立ち上がったが、ダメージは大きい。
「このままじゃ……」
蓮は焦った。
MPはもうほとんど残っていない。
支援魔法も、あと一回使えるかどうか。
「どうすれば……」
その時──
蓮の胸の中で、何かが弾けた。
再び、視界にメッセージが浮かび上がる。
【新スキル覚醒】
スキル名:リザレクション・ブースト
効果:瀕死の仲間の体力を完全回復し、全能力を一時的に5倍に強化
持続時間:3分
消費MP:残り全MP
リスク:使用後、意識を失う
「5倍……!」
蓮は驚いた。
だが、使えば倒れてしまう。
「……やるしかない」
蓮は決意した。
「みんな、聞いて!」
「何!?」
「今から、最後の支援魔法を使う」
蓮は叫んだ。
「3分で、ザインを倒して!」
「神谷さん……」
アリシアは不安そうに言った。
「また、倒れるんですか……?」
「大丈夫。みんなを信じてる」
蓮は笑顔で答えた。
「行くよ……リザレクション・ブースト!」
遺跡全体が、神々しい光に包まれた。
三人の体が、激しく輝く。
傷が癒え、体力が完全回復する。
そして──
体中に、これまでにない力が漲る。
「この力……!」
アリシアは驚愕した。
「すごい……今の私、無敵な気がする……!」
「信じられない……こんな力……」
リリアも魔力の高まりを感じた。
「やばい……やばすぎる……!」
セラは拳を握りしめた。
「これなら……勝てる!」
三人は、再びザインに突撃した。
だが、今度は違う。
「はああああっ!」
アリシアは光速で移動した。
ザインは避けようとしたが──
間に合わない。
「な、速い……!」
アリシアの剣が、ザインの胸を貫いた。
「ぐはっ……!」
「とどめよ!」
リリアが魔法を放った。
「フレイムノヴァ!」
太陽のような巨大な炎の球が、ザインを飲み込んだ。
「ガアアアアッ!」
ザインは激痛に悶えた。
「最後だ!」
セラが跳躍した。
そして──
渾身の一撃を、ザインの頭部に叩き込んだ。
ドゴォォォォンッ!
遺跡が揺れた。
ザインは地面に叩きつけられた。
「く……そ……こんな……はずでは……」
ザインの体が煙のように消えていった。
「覚えて……ろ……」
ザインは完全に消滅した。
「やった……!」
三人は喜びの声を上げた。
だが、次の瞬間──
「神谷!」
振り向くと、蓮は地面に倒れていた。
「神谷さん!」
アリシアが駆け寄った。
「大丈夫……ですか……」
「うん……ちょっと……疲れた……」
蓮は弱々しく笑った。
「勝てた……?」
「ええ。あなたのおかげで」
リリアは涙ぐんでいた。
「ありがとう……」
「良かった……」
蓮は目を閉じた。
「みんな……無事で……」
そして、意識を失った。
三日後、蓮は王都の医療施設で目を覚ました。
「あれ……?」
「目が覚めましたか!」
アリシアが駆け寄ってきた。
「良かった……本当に良かった……」
「俺、どれくらい寝てた?」
「三日です」
「三日も……」
蓮は起き上がろうとしたが、体がまだ重い。
「無理しないで」
リリアが言った。
「あなた、また全力を使い果たしたのよ」
「そっか……」
「でも、もう大丈夫だよ!」
セラが笑顔で言った。
「お医者さんも、明日には退院できるって」
「良かった……」
蓮は安堵した。
その日の午後、四人は静かに談笑していた。
「神谷さん」
アリシアが真剣な表情で言った。
「あなたの力、本当にすごいです」
「え?」
「支援魔術の真の力……あんなに強力だとは思いませんでした」
「そうね」
リリアも頷いた。
「アブソリュート・サンクチュアリとリザレクション・ブースト……どちらも、規格外の力よ」
「でも、使うと倒れちゃうからな……」
蓮は苦笑した。
「あまり頼りにならないかも」
「そんなことないよ!」
セラが言った。
「蓮の力があったから、あたしたち勝てたんだよ!」
「そうです」
アリシアも微笑んだ。
「あなたは、私たちの要です」
「……ありがとう」
蓮は照れくさそうに笑った。
その時、扉がノックされた。
「入って」
扉が開くと、騎士団長のレオンハルトが入ってきた。
「神谷蓮」
「はい」
「お前の活躍、報告を受けた」
レオンハルトは頷いた。
「魔王軍第一師団長ザインの討伐、見事だった」
「ありがとうございます」
「それで、一つ提案がある」
レオンハルトは真剣な表情になった。
「お前たちに、特別任務を依頼したい」
「特別任務……?」
「ああ。魔王城への潜入調査だ」
「魔王城……!?」
四人は驚愕した。
「魔王軍の幹部を何人も倒したお前たちなら、できるはずだ」
レオンハルトは地図を広げた。
「魔王城は、遥か北の魔境にある。そこに潜入し、魔王軍の動きを探ってほしい」
「……わかりました」
アリシアは決意した。
「私たちが行きます」
「頼む」
レオンハルトは深々と頭を下げた。
「お前たちが、王国の希望だ」
レオンハルトが去った後、四人は顔を見合わせた。
「魔王城か……」
蓮は呟いた。
「いよいよ、本格的な戦いになるな」
「ええ」
アリシアは頷いた。
「でも、私たちなら大丈夫です」
「そうね」
リリアも微笑んだ。
「神谷の支援があれば、どんな敵にも勝てるわ」
「うん!」
セラも拳を握りしめた。
「あたしたち、最強だもん!」
「……ありがとう、みんな」
蓮は笑顔で答えた。
「じゃあ、行こう。魔王城へ」
「はい!」
四人は揃って答えた。
数日後、蓮は完全に回復した。
「よし、準備完了」
蓮は装備を整えた。
「じゃあ、出発しましょう」
アリシアが言った。
四人は王都を出発した。
魔王城への長い旅が、今始まろうとしていた。
だが、旅の途中で──
四人は、意外な人物と再会することになる。
もう一人の転生者、佐藤健太。
彼も、魔王城へと向かっていた。
「よう、神谷」
健太は剣を背負って立っていた。
「お前らも、魔王城に行くのか?」
「ああ」
蓮は頷いた。
「騎士団からの依頼で」
「そうか」
健太は腕を組んだ。
「じゃあ、一緒に行くか」
「え……?」
蓮は驚いた。
「お前、一人で行動するんじゃなかったのか?」
「まあな」
健太は少し照れくさそうに言った。
「でも、魔王城は流石に一人じゃ厳しいと思ってな」
「……」
蓮は健太を見つめた。
少しだけ、変わった気がした。
「わかった。一緒に行こう」
「おう」
健太は笑顔で答えた。
五人は、魔王城へと向かって歩き出した。
新しい仲間が加わり、パーティは五人になった。
支援術師の蓮。
騎士のアリシア。
魔術師のリリア。
獣人戦士のセラ。
そして、剣聖の健太。
五人が揃えば、無敵だ。
「よし、行くぞ」
蓮は拳を握りしめた。
「魔王城へ」
五人は、未知の領域へと進んでいく。
激しい戦いが、彼らを待ち受けている。
だが、彼らは恐れない。
仲間がいる。
信じ合える仲間が。
それがあれば、どんな困難も乗り越えられる。
五人は、希望を胸に進んでいった。
物語は、クライマックスへと向かっていく。
その夜、野営地で五人は焚き火を囲んでいた。
「明日から、本格的な旅になるな」
健太が言った。
「魔王城まで、どれくらいかかるんだ?」
「おそらく、一ヶ月はかかります」
アリシアが答えた。
「魔境は危険な場所ですから」
「一ヶ月か……長いな」
「でも、みんなと一緒なら楽しいよ!」
セラが笑顔で言った。
「うん」
蓮も微笑んだ。
五人は静かに焚き火を見つめた。
星空が美しい夜だった。
新しい冒険が、今始まろうとしていた。
0
あなたにおすすめの小説
平凡なサラリーマンが異世界に行ったら魔術師になりました~科学者に投資したら異世界への扉が開発されたので、スローライフを満喫しようと思います~
金色のクレヨン@釣りするWeb作家
ファンタジー
夏井カナタはどこにでもいるような平凡なサラリーマン。
そんな彼が資金援助した研究者が異世界に通じる装置=扉の開発に成功して、援助の見返りとして異世界に行けることになった。
カナタは準備のために会社を辞めて、異世界の言語を学んだりして準備を進める。
やがて、扉を通過して異世界に着いたカナタは魔術学校に興味をもって入学する。
魔術の適性があったカナタはエルフに弟子入りして、魔術師として成長を遂げる。
これは文化も風習も違う異世界で戦ったり、旅をしたりする男の物語。
エルフやドワーフが出てきたり、国同士の争いやモンスターとの戦いがあったりします。
第二章からシリアスな展開、やや残酷な描写が増えていきます。
旅と冒険、バトル、成長などの要素がメインです。
ノベルピア、カクヨム、小説家になろうにも掲載
明日を信じて生きていきます~異世界に転生した俺はのんびり暮らします~
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生した主人公は、新たな冒険が待っていることを知りながらも、のんびりとした暮らしを選ぶことに決めました。
彼は明日を信じて、異世界での新しい生活を楽しむ決意を固めました。
最初の仲間たちと共に、未知の地での平穏な冒険が繰り広げられます。
一種の童話感覚で物語は語られます。
童話小説を読む感じで一読頂けると幸いです
異世界に転生したけど、頭打って記憶が・・・え?これってチート?
よっしぃ
ファンタジー
よう!俺の名はルドメロ・ララインサルって言うんだぜ!
こう見えて高名な冒険者・・・・・になりたいんだが、何故か何やっても俺様の思うようにはいかないんだ!
これもみんな小さい時に頭打って、記憶を無くしちまったからだぜ、きっと・・・・
どうやら俺は、転生?って言うので、神によって異世界に送られてきたらしいんだが、俺様にはその記憶がねえんだ。
周りの奴に聞くと、俺と一緒にやってきた連中もいるって話だし、スキルやらステータスたら、アイテムやら、色んなものをポイントと交換して、15の時にその、特別なポイントを取得し、冒険者として成功してるらしい。ポイントって何だ?
俺もあるのか?取得の仕方がわかんねえから、何にもないぜ?あ、そう言えば、消えないナイフとか持ってるが、あれがそうなのか?おい、記憶をなくす前の俺、何取得してたんだ?
それに、俺様いつの間にかペット(フェンリルとドラゴン)2匹がいるんだぜ!
よく分からんが何時の間にやら婚約者ができたんだよな・・・・
え?俺様チート持ちだって?チートって何だ?
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
話を進めるうちに、少し内容を変えさせて頂きました。
異世界帰りの俺、現代日本にダンジョンが出現したので異世界経験を売ったり配信してみます
内田ヨシキ
ファンタジー
「あの魔物の倒し方なら、30万円で売るよ!」
――これは、現代日本にダンジョンが出現して間もない頃の物語。
カクヨムにて先行連載中です!
(https://kakuyomu.jp/works/16818023211703153243)
異世界で名を馳せた英雄「一条 拓斗(いちじょう たくと)」は、現代日本に帰還したはいいが、異世界で鍛えた魔力も身体能力も失われていた。
残ったのは魔物退治の経験や、魔法に関する知識、異世界言語能力など現代日本で役に立たないものばかり。
一般人として生活するようになった拓斗だったが、持てる能力を一切活かせない日々は苦痛だった。
そんな折、現代日本に迷宮と魔物が出現。それらは拓斗が異世界で散々見てきたものだった。
そして3年後、ついに迷宮で活動する国家資格を手にした拓斗は、安定も平穏も捨てて、自分のすべてを活かせるはずの迷宮へ赴く。
異世界人「フィリア」との出会いをきっかけに、拓斗は自分の異世界経験が、他の初心者同然の冒険者にとって非常に有益なものであると気づく。
やがて拓斗はフィリアと共に、魔物の倒し方や、迷宮探索のコツ、魔法の使い方などを、時に直接売り、時に動画配信してお金に変えていく。
さらには迷宮探索に有用なアイテムや、冒険者の能力を可視化する「ステータスカード」を発明する。
そんな彼らの活動は、ダンジョン黎明期の日本において重要なものとなっていき、公的機関に発展していく――。
バイトで冒険者始めたら最強だったっていう話
紅赤
ファンタジー
ここは、地球とはまた別の世界――
田舎町の実家で働きもせずニートをしていたタロー。
暢気に暮らしていたタローであったが、ある日両親から家を追い出されてしまう。
仕方なく。本当に仕方なく、当てもなく歩を進めて辿り着いたのは冒険者の集う街<タイタン>
「冒険者って何の仕事だ?」とよくわからないまま、彼はバイトで冒険者を始めることに。
最初は田舎者だと他の冒険者にバカにされるが、気にせずテキトーに依頼を受けるタロー。
しかし、その依頼は難度Aの高ランククエストであることが判明。
ギルドマスターのドラムスは急いで救出チームを編成し、タローを助けに向かおうと――
――する前に、タローは何事もなく帰ってくるのであった。
しかもその姿は、
血まみれ。
右手には討伐したモンスターの首。
左手にはモンスターのドロップアイテム。
そしてスルメをかじりながら、背中にお爺さんを担いでいた。
「いや、情報量多すぎだろぉがあ゛ぁ!!」
ドラムスの叫びが響く中で、タローの意外な才能が発揮された瞬間だった。
タローの冒険者としての摩訶不思議な人生はこうして幕を開けたのである。
――これは、バイトで冒険者を始めたら最強だった。という話――
アルフレッドは平穏に過ごしたい 〜追放されたけど謎のスキル【合成】で生き抜く〜
芍薬甘草湯
ファンタジー
アルフレッドは貴族の令息であったが天から与えられたスキルと家風の違いで追放される。平民となり冒険者となったが、生活するために竜騎士隊でアルバイトをすることに。
ふとした事でスキルが発動。
使えないスキルではない事に気付いたアルフレッドは様々なものを合成しながら密かに活躍していく。
⭐︎注意⭐︎
女性が多く出てくるため、ハーレム要素がほんの少しあります。特に苦手な方はご遠慮ください。
【改訂版アップ】10日間の異世界旅行~帰れなくなった二人の異世界冒険譚~
ばいむ
ファンタジー
10日間の異世界旅行~帰れなくなった二人の異世界冒険譚~
大筋は変わっていませんが、内容を見直したバージョンを追加でアップしています。単なる自己満足の書き直しですのでオリジナルを読んでいる人は見直さなくてもよいかと思います。主な変更点は以下の通りです。
話数を半分以下に統合。このため1話辺りの文字数が倍増しています。
説明口調から対話形式を増加。
伏線を考えていたが使用しなかった内容について削除。(龍、人種など)
別視点内容の追加。
剣と魔法の世界であるライハンドリア・・・。魔獣と言われるモンスターがおり、剣と魔法でそれを倒す冒険者と言われる人達がいる世界。
高校の休み時間に突然その世界に行くことになってしまった。この世界での生活は10日間と言われ、混乱しながらも楽しむことにしたが、なぜか戻ることができなかった。
特殊な能力を授かるわけでもなく、生きるための力をつけるには自ら鍛錬しなければならなかった。魔獣を狩り、いろいろな遺跡を訪ね、いろいろな人と出会った。何度か死にそうになったこともあったが、多くの人に助けられながらも少しずつ成長し、なんとか生き抜いた。
冒険をともにするのは同じく異世界に転移してきた女性・ジェニファー。彼女と出会い、ともに生き抜き、そして別れることとなった。
2021/06/27 無事に完結しました。
2021/09/10 後日談の追加を開始
2022/02/18 後日談完結しました。
2025/03/23 自己満足の改訂版をアップしました。
最強の異世界やりすぎ旅行記
萩場ぬし
ファンタジー
主人公こと小鳥遊 綾人(たかなし あやと)はある理由から毎日のように体を鍛えていた。
そんなある日、突然知らない真っ白な場所で目を覚ます。そこで綾人が目撃したものは幼い少年の容姿をした何か。そこで彼は告げられる。
「なんと! 君に異世界へ行く権利を与えようと思います!」
バトルあり!笑いあり!ハーレムもあり!?
最強が無双する異世界ファンタジー開幕!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる