【完結】「めでたし めでたし」から始まる物語

つくも茄子

文字の大きさ
35 / 67

35.他の妃は娶れない

しおりを挟む
 どれほどソニア側妃が不出来な妃であったとしても、王太子殿下は彼女以外の妃を持つことは許されません。

 身分違いの少女を妃にしたのです。
 そこに民衆が望む「身分を超えた真実の愛」



 真実の愛を標榜したのです。


 そしてその「真実の愛」の裏側には、政略結婚する筈だった婚約者を蔑ろにして不貞していた事実があるのです。それを払拭するためには、ソニア側妃との愛を貫かなければなりません。

 二人がこの先、何らかの障害が起ころうとも、何かのきっかけで愛が覚めようとも、不仲になったとしても――――絶対に別れる事はできないのです。

「真実の愛」を謳う二人の間に別の女性が介入する事は誰も望まないでしょう。
 ましてや、王太子殿下の正妃になど誰もなりませんし、なれません。それは側妃の地位でも同じ。生粋の貴族令嬢が平民の第一側妃の下に就くなど、到底耐えられる筈がありませんもの。

 なので王太子殿下の妃は後にも先にもソニア側妃、唯一人だけですわ。

 ソニア側妃が妃としての仕事ができなくとも、公の場に姿を現す事を禁じられていたとしても他の妃は娶れません。

 そう、例えソニア側妃に子供が生まれなかったとしてもです。

 あの王太子殿下がどこまで考えているのかは分かりませんが、国王陛下の掌の上で踊っている事しかできないでしょうね。

 表面上の事しか見られない方ですもの。
 国王陛下がソニア側妃との婚約を許されたのを単純に「自分達の愛が認められた」としか思っていないのでしょう。結婚に関してもそうです。「妃教育が修了していないから側妃となった」としか考えられないのでしょうね。初めから「正妃にする予定はなかった」とは考えないのでしょうか?少しは疑問を持つと思うのですが、そうでない点に置いても為政者として相応しくない方です。




「アリエノール」

「あなた、お帰りになっていましたの?今日は随分お早いんですね」

「仕事は切り上げて来たよ」

「まぁ、何かありましたの?」

「国王陛下からのだ。今年の誕生日パーティーには参加するように、とな」

「あらまぁ……」

 今まで欠席しても特に何かを言われる事はありませんでしたのに。何故、今回だけ?何かあるのかしら……?



 

しおりを挟む
感想 59

あなたにおすすめの小説

あなたが捨てた花冠と后の愛

小鳥遊 れいら
恋愛
幼き頃から皇后になるために育てられた公爵令嬢のリリィは婚約者であるレオナルド皇太子と相思相愛であった。 順調に愛を育み合った2人は結婚したが、なかなか子宝に恵まれなかった。。。 そんなある日、隣国から王女であるルチア様が側妃として嫁いでくることを相談なしに伝えられる。 リリィは強引に話をしてくるレオナルドに嫌悪感を抱くようになる。追い打ちをかけるような出来事が起き、愛ではなく未来の皇后として国を守っていくことに自分の人生をかけることをしていく。 そのためにリリィが取った行動とは何なのか。 リリィの心が離れてしまったレオナルドはどうしていくのか。 2人の未来はいかに···

【完結】偽者扱いされた令嬢は、元婚約者たちがどうなろうと知ったことではない

風見ゆうみ
恋愛
クックルー伯爵家の長女ファリミナは、家族とはうまくいっていないものの、婚約者であり、若き侯爵のメイフとはうまくいっていると思っていた。 メイフとの結婚が近づいてきたある日、彼がファリミナの前に一人の女性を連れてきた。メイフに寄り添う可憐な女性は、こう名乗った。 「わたくし、クックルー伯爵家の長女、ファリミナと申します」 この女性は平民だが、メイフの命の恩人だった。メイフは自分との結婚を望む彼女のためにファリミナの身分を与えるという暴挙に出たのだ。 家族や友人たちは買収されており、本当のファリミナを偽者だと訴える。 メイフが用意したボロ家に追いやられたファリミナだったが、メイフの世話にはならず、平民のファリとして新しい生活を送ることに決める。 ファリとして新しい生活の基盤を整えた頃、元家族はファリミナがいたことにより、自分たちの生活が楽だったことを知る。そして、メイフは自分が馬鹿だったと後悔し始め、自分を愛しているはずのファリミナに会いに行くのだが――。

最初から間違っていたんですよ

わらびもち
恋愛
二人の門出を祝う晴れの日に、彼は別の女性の手を取った。 花嫁を置き去りにして駆け落ちする花婿。 でも不思議、どうしてそれで幸せになれると思ったの……?

なぜ、虐げてはいけないのですか?

碧井 汐桜香
恋愛
男爵令嬢を虐げた罪で、婚約者である第一王子に投獄された公爵令嬢。 処刑前日の彼女の獄中記。 そして、それぞれ関係者目線のお話

【完結】高嶺の花がいなくなった日。

恋愛
侯爵令嬢ルノア=ダリッジは誰もが認める高嶺の花。 清く、正しく、美しくーーそんな彼女がある日忽然と姿を消した。 婚約者である王太子、友人の子爵令嬢、教師や使用人たちは彼女の失踪を機に大きく人生が変わることとなった。 ※ざまぁ展開多め、後半に恋愛要素あり。

恩知らずの婚約破棄とその顛末

みっちぇる。
恋愛
シェリスは婚約者であったジェスに婚約解消を告げられる。 それも、婚約披露宴の前日に。 さらに婚約披露宴はパートナーを変えてそのまま開催予定だという! 家族の支えもあり、婚約披露宴に招待客として参加するシェリスだが…… 好奇にさらされる彼女を助けた人は。 前後編+おまけ、執筆済みです。 【続編開始しました】 執筆しながらの更新ですので、のんびりお待ちいただけると嬉しいです。 矛盾が出たら修正するので、その時はお知らせいたします。

王妃様は死にました~今さら後悔しても遅いです~

由良
恋愛
クリスティーナは四歳の頃、王子だったラファエルと婚約を結んだ。 両親が事故に遭い亡くなったあとも、国王が大病を患い隠居したときも、ラファエルはクリスティーナだけが自分の妻になるのだと言って、彼女を守ってきた。 そんなラファエルをクリスティーナは愛し、生涯を共にすると誓った。 王妃となったあとも、ただラファエルのためだけに生きていた。 ――彼が愛する女性を連れてくるまでは。

裏切られた令嬢は死を選んだ。そして……

希猫 ゆうみ
恋愛
スチュアート伯爵家の令嬢レーラは裏切られた。 幼馴染に婚約者を奪われたのだ。 レーラの17才の誕生日に、二人はキスをして、そして言った。 「一度きりの人生だから、本当に愛せる人と結婚するよ」 「ごめんねレーラ。ロバートを愛してるの」 誕生日に婚約破棄されたレーラは絶望し、生きる事を諦めてしまう。 けれど死にきれず、再び目覚めた時、新しい人生が幕を開けた。 レーラに許しを請い、縋る裏切り者たち。 心を鎖し生きて行かざるを得ないレーラの前に、一人の求婚者が現れる。 強く気高く冷酷に。 裏切り者たちが落ちぶれていく様を眺めながら、レーラは愛と幸せを手に入れていく。 ☆完結しました。ありがとうございました!☆ (ホットランキング8位ありがとうございます!(9/10、19:30現在)) (ホットランキング1位~9位~2位ありがとうございます!(9/6~9)) (ホットランキング1位!?ありがとうございます!!(9/5、13:20現在)) (ホットランキング9位ありがとうございます!(9/4、18:30現在))

処理中です...