【完結】「めでたし めでたし」から始まる物語

つくも茄子

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40.伯爵夫人side

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 私の結婚は、典型的な政略結婚でした。
 
 お金のない伯爵家とお金はあるけれど歴史の浅い伯爵家。

 双方の利益が一致し、もっとも穏便に解決する手段ということで両家が結婚を決めました。
 まぁ、他にも理由はありますがそこは割愛します。

 貴族の結婚は大概が政略です。
 始めから愛しあって結婚する夫婦は稀でしょう。
 ただ、私の夫はそうとうな美男子でした。ええ、初対面で恋に落ちたのは私の方。これが初恋というものなのだと知りました。一目惚れって本当にあるんですのね。よく小説で「目と目が合った瞬間、恋に落ちていた」とか「ビビッときた」とか「雷が落ちて体に電流が走った」などと言う表現を見かけますが、あんなの嘘だと思っておりましたわ。ですが実際自分の経験をしてしまうと信じるしかありませんわね。まぁ、それはいいとして。私と夫の関係はそう悪くありませんでした。婚約期間中、不仲になることも喧嘩になることもなく、実に順調に交際をしておりました。寧ろ、順調すぎました。少し疑うべきでしたけど、当時の私は彼に夢中でしたから多少の違和感など全く気付かなかったのです。

 まさか、夫になる方には既に想い人がいるなんて思いつきもしませんでした。

 結婚後に夫からカミングアウトされた私は驚きのあまり手に持っていた本を落としてしまったくらいです。

 なんでも夫の想い人は幼馴染の男爵令嬢。
 しかも夫付きの元侍女だと言うではないですか!ありえませんでしょう!!

 

「今すぐに別れてください!!」

「何を考えていらっしゃるんですか!?」

「私だけを愛してください!!」

 と迫りましたが、まったく効果はありませんでした。

 もっとも結婚して直ぐにカミングアウトされて、私も気が立っていたんでしょうね。屋敷の使用人たちは女主人である私に対して敬意というものがありませんでしたし、慣れない屋敷の管理などで四苦八苦していた中での言葉ですもの。

 新婚早々に言うセリフではありません!!



「それは無理だ」

 夫の返答は無情なものでした。

「それにこれは浮気ではない」

 いえ、浮気です!
 正式な妻である私がいるにも拘わらず、別宅に愛人を住まわすのは誰が見ても聞いても浮気でしょう!!他に何があるというのでしょう?

「私とナターシャは元々愛し合っていたんだ」

 だからなんですか?
 私と結婚した以上はもう関係ないでしょう。……私だって鬼じゃありません。結婚前の事は目をつぶりましょう。ですが!結婚したんですよ?ならその前に清算しておくべきでしょう!!
 

 
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