41 / 67
41.伯爵夫人side
「それほど愛し合っているのなら、何故、私と結婚をしたんですか?彼女を結婚すれば良かったではありませんか!」
「私だってそうしたかった!!だが出来なかったんだ!!!」
夫の言い分では、相手は幼馴染で将来を約束していた仲でしたが、幼馴染の家は没落。その上、自分の家も家計は火の車。とてもではありませんが、二人が結婚できるような状況ではなかったそうです。
まぁ、そうでしょうね。
スワニール伯爵家の内情は下落の一途。貴族としての体面を保てるかが問われていました。
私の実家、ポニラス伯爵家の援助がなければ恐らく数十年後には没落していたでしょう。直ぐにではなく徐々に没落していく感じで……。
だから、と言う訳ではありませんが……夫の立場からするとコレは浮気ではない。
家庭の事情で仕方なく結婚できなかった仲なのだと。
自分達の仲に割り込んできた私が悪いのだと。
元々望んだ結婚ではないのだからと。
しかも驚いた事に、夫は私との婚約が決まった時に結婚しなくても良いように色々と金策に駆け回ったらしいのです。
何故、もっと早くそれをしなかったのか……。
ただ、今更金策に動いたところで貸してくれる人はいなかったようですが。
「それならば……家を出れば宜しかったのではありませんか?」
「それはできない!私は伯爵家の跡取りだ。この家を守っていく義務がある。だから君と結婚したんじゃないか」
要は、地位と立場を捨てて愛人と一緒になる覚悟がなかっただけでした。
貴族として生まれ、貴族として育った夫には愛人と平民になってまで添い遂げる事はしなかった。家を捨てれば愛した人と結婚する事は理解していても。それだけは出来なかったようです。
これ以上、聞く話はないと判断した私は、当然、実家に帰りました。
両親と兄弟たちは何故か冷静。
どうやら夫の浮気を知らなかったのは私だけのようでした。
そのうえで、色々と婚姻契約を交わしていたようです。
夫の浮気を許す代わりに、私にも同様の権利を有する事。
伯爵家の跡取りは私が産む事。
屋敷に愛人を住まわせない事。
他にもありましたが、私に有利な条件での婚姻契約でした。
きっと私がここまで怒るとは両家ともに考えなかったのでしょう。
私が夫を愛していることは見て分かっていたようですが、それとこれとは話は別と考えていたようです。そこに夫に恋焦がれる私の意志など全く反映されていませんでしたわ。それでも夫と暮らす屋敷の使用人たちの態度の酷さには両親も激怒して、紹介状無しの解雇を夫と義両親に要求しました。
父曰く、「金を払っている女主人を蔑ろにしている使用人など碌な者達ではない。我が伯爵家は給料泥棒に払う金はない」との事でしたわ。
夫の実家は我が家の資金援助で何とか伯爵クラスの生活ができている状況ですものね。
だからこそ、義両親は私に気を使いながらも常にイライラしていた。きっとプライドを刺激されたのでしょう。その事を父から聞かされた時は妙に納得しました。
とりあえず、婚姻関係は継続されたのです。
「私だってそうしたかった!!だが出来なかったんだ!!!」
夫の言い分では、相手は幼馴染で将来を約束していた仲でしたが、幼馴染の家は没落。その上、自分の家も家計は火の車。とてもではありませんが、二人が結婚できるような状況ではなかったそうです。
まぁ、そうでしょうね。
スワニール伯爵家の内情は下落の一途。貴族としての体面を保てるかが問われていました。
私の実家、ポニラス伯爵家の援助がなければ恐らく数十年後には没落していたでしょう。直ぐにではなく徐々に没落していく感じで……。
だから、と言う訳ではありませんが……夫の立場からするとコレは浮気ではない。
家庭の事情で仕方なく結婚できなかった仲なのだと。
自分達の仲に割り込んできた私が悪いのだと。
元々望んだ結婚ではないのだからと。
しかも驚いた事に、夫は私との婚約が決まった時に結婚しなくても良いように色々と金策に駆け回ったらしいのです。
何故、もっと早くそれをしなかったのか……。
ただ、今更金策に動いたところで貸してくれる人はいなかったようですが。
「それならば……家を出れば宜しかったのではありませんか?」
「それはできない!私は伯爵家の跡取りだ。この家を守っていく義務がある。だから君と結婚したんじゃないか」
要は、地位と立場を捨てて愛人と一緒になる覚悟がなかっただけでした。
貴族として生まれ、貴族として育った夫には愛人と平民になってまで添い遂げる事はしなかった。家を捨てれば愛した人と結婚する事は理解していても。それだけは出来なかったようです。
これ以上、聞く話はないと判断した私は、当然、実家に帰りました。
両親と兄弟たちは何故か冷静。
どうやら夫の浮気を知らなかったのは私だけのようでした。
そのうえで、色々と婚姻契約を交わしていたようです。
夫の浮気を許す代わりに、私にも同様の権利を有する事。
伯爵家の跡取りは私が産む事。
屋敷に愛人を住まわせない事。
他にもありましたが、私に有利な条件での婚姻契約でした。
きっと私がここまで怒るとは両家ともに考えなかったのでしょう。
私が夫を愛していることは見て分かっていたようですが、それとこれとは話は別と考えていたようです。そこに夫に恋焦がれる私の意志など全く反映されていませんでしたわ。それでも夫と暮らす屋敷の使用人たちの態度の酷さには両親も激怒して、紹介状無しの解雇を夫と義両親に要求しました。
父曰く、「金を払っている女主人を蔑ろにしている使用人など碌な者達ではない。我が伯爵家は給料泥棒に払う金はない」との事でしたわ。
夫の実家は我が家の資金援助で何とか伯爵クラスの生活ができている状況ですものね。
だからこそ、義両親は私に気を使いながらも常にイライラしていた。きっとプライドを刺激されたのでしょう。その事を父から聞かされた時は妙に納得しました。
とりあえず、婚姻関係は継続されたのです。
あなたにおすすめの小説
あなたが捨てた花冠と后の愛
小鳥遊 れいら
恋愛
幼き頃から皇后になるために育てられた公爵令嬢のリリィは婚約者であるレオナルド皇太子と相思相愛であった。
順調に愛を育み合った2人は結婚したが、なかなか子宝に恵まれなかった。。。
そんなある日、隣国から王女であるルチア様が側妃として嫁いでくることを相談なしに伝えられる。
リリィは強引に話をしてくるレオナルドに嫌悪感を抱くようになる。追い打ちをかけるような出来事が起き、愛ではなく未来の皇后として国を守っていくことに自分の人生をかけることをしていく。
そのためにリリィが取った行動とは何なのか。
リリィの心が離れてしまったレオナルドはどうしていくのか。
2人の未来はいかに···
嘘をありがとう
七辻ゆゆ
恋愛
「まあ、なんて図々しいのでしょう」
おっとりとしていたはずの妻は、辛辣に言った。
「要するにあなた、貴族でいるために政略結婚はする。けれど女とは別れられない、ということですのね?」
妻は言う。女と別れなくてもいい、仕事と嘘をついて会いに行ってもいい。けれど。
「必ず私のところに帰ってきて、子どもをつくり、よい夫、よい父として振る舞いなさい。神に嘘をついたのだから、覚悟を決めて、その嘘を突き通しなさいませ」
彼女にも愛する人がいた
まるまる⭐️
恋愛
既に冷たくなった王妃を見つけたのは、彼女に食事を運んで来た侍女だった。
「宮廷医の見立てでは、王妃様の死因は餓死。然も彼が言うには、王妃様は亡くなってから既に2、3日は経過しているだろうとの事でした」
そう宰相から報告を受けた俺は、自分の耳を疑った。
餓死だと? この王宮で?
彼女は俺の従兄妹で隣国ジルハイムの王女だ。
俺の背中を嫌な汗が流れた。
では、亡くなってから今日まで、彼女がいない事に誰も気付きもしなかったと言うのか…?
そんな馬鹿な…。信じられなかった。
だがそんな俺を他所に宰相は更に告げる。
「亡くなった王妃様は陛下の子を懐妊されておりました」と…。
彼女がこの国へ嫁いで来て2年。漸く子が出来た事をこんな形で知るなんて…。
俺はその報告に愕然とした。
願いの代償
らがまふぃん
恋愛
誰も彼もが軽視する。婚約者に家族までも。
公爵家に生まれ、王太子の婚約者となっても、誰からも認められることのないメルナーゼ・カーマイン。
唐突に思う。
どうして頑張っているのか。
どうして生きていたいのか。
もう、いいのではないだろうか。
メルナーゼが生を諦めたとき、世界の運命が決まった。
*ご都合主義です。わかりづらいなどありましたらすみません。笑って読んでくださいませ。本編15話で完結です。番外編を数話、気まぐれに投稿します。よろしくお願いいたします。
※ありがたいことにHOTランキング入りいたしました。たくさんの方の目に触れる機会に感謝です。本編は終了しましたが、番外編も投稿予定ですので、気長にお付き合いくださると嬉しいです。たくさんのお気に入り登録、しおり、エール、いいねをありがとうございます。R7.1/31
*らがまふぃん活動三周年周年記念として、R7.11/4に一話お届けいたします。楽しく活動させていただき、ありがとうございます。
【完結】断罪された悪役令嬢は、二度目は復讐に生きる
くろねこ
恋愛
公爵令嬢リリアーネ・アルフェルトは、
聖女と王国第一王子に嵌められ、
悪女として公開断罪され、処刑された。
弁明は許されず、真実を知る者は沈黙し、
彼女は石を投げられ、罵られ、
罪人として命を奪われた――はずだった。
しかし、彼女は教会の地下で目を覚ます。
死を代償に得たのは.........
赦しは選ばない。
和解もしない。
名乗るつもりもない。
彼女が選んだのは、
自分を裁いた者たちを、
同じ法と断罪で裁き返すこと。
最初に落ちるのは、
彼女を裏切った小さな歯車。
次に崩れるのは、
聖女の“奇跡”と信仰。
やがて王子は、
自ら築いた裁判台へと引きずり出される。
かつて正義を振りかざした者たちは、
自分が断罪される未来を想像すらしていなかった。
悪女は表舞台に立たない。
だがその裏側で、
嘘は暴かれ、
罪は積み上がり、
裁きは逃げ場なく迫っていく。
これは、
一度死んだ悪女が、
“ざまぁ”のために暴れる物語ではない。
――逃げ場のない断罪を、
一人ずつ成立させていく物語だ。
元婚約者のあなたへ どうか幸せに
石里 唯
恋愛
公爵令嬢ローラは王太子ケネスの婚約者だったが、家が困窮したことから、婚約破棄をされることになる。破棄だけでなく、相愛と信じていたケネスの冷酷な態度に傷つき、最後の挨拶もできず別れる。失意を抱いたローラは、国を出て隣国の大学の奨学生となることを決意する。
隣国は3年前、疫病が広がり大打撃を受け、国全体が復興への熱意に満ち、ローラもその熱意に染まり勉学に勤しむ日々を送っていたところ、ある日、一人の「学生」がローラに声をかけてきて―――。