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第5話婚約破棄5
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貴族達の対応にブリリアントは満足そうに微笑むと、扇子を閉じてパチンと音を鳴らした。
「皆さまの御意見を伺えば、殿下の行動は王族としてあるまじき行為。ましてや次期国王たる者が感情のままに動くなど言語道断。王族の恥さらしでございますわ。私は王太子殿下の婚約者として恥ずべき行いをした覚えなどございませんもの。先程から聞いていれば、まるで私が悪事に加担しているような言い草。とても不愉快です。私の潔白はこの会場に集まった方々が証明してくださるでしょう。ですので、私からも殿下に宣言いたしましょう。私、ブリリアント・シャインは今よりアダマント王国第一位王位継承権を持つユリウス・アウグストとの婚約を白紙にさせていただきます」
凛とした態度で高らかに告げたブリリアントは優雅に会場を後にした。
その堂々とした振る舞いと気高い態度はとても美しかった。
「待て!まだ話は終わっていないぞ!!」
慌てて追いかけようとするユリウスだったが、背後に控えていた二人の側近によって阻まれた。
「お待ちください!殿下!」
「放せ!一体何だというのだ!あいつは犯罪者なのだぞ!!罪を悔い謝罪するのならまだしも……この私に向かってあのような口を叩くとは!」
「落ち着いて下さい!まずは状況を整理致しましょう!」
「そんな時間はない!今すぐ奴を捕まえねば大変なことになるぞ!!領地で蟄居など生ぬるい!法律を今すぐ変更してブリリアントに罪を償わせてやる!そこをどけ!手遅れになったらどうするつもりだ!!」
「殿下落ち着いて周りをご覧ください!」
ユリウスが側近の言うまま周囲を見渡すと白い目で見られていることに気づいた。
「法を変えるですって?」
「王太子と言えどもそのような権限はない」
「まさか本当に謀反を考えているのではあるまいか?」
「ブリリアント様に無実の罪を着せて裁こうなどとは……私情を挟むにもほどがある」
「いくら何でもこれはやり過ぎだろう。これでは王家は終わりではないか」
「婚約破棄は正当なものだったのか?むしろ今までの彼女の功績を考えれば婚約破棄を申し出てきた殿方に非があったのではないか?」
「婚約者に対してあの仕打ちは酷過ぎる」
ヒソヒソと小声で話す声が聞こえてくる。ユリウスは自分がとんでもない醜態を晒していることにも気づき、カッと頬を赤らめた。
(くそ!何だというのだ!!!)
ユリウスは理解できなかった。
正義を掲げる者に何故賛同しないのかと。
その正義感が思い込みに過ぎないものである事も分かっていなかった。
「くっ……仕方ない。我々も退却だ。今は一旦退くしか無いようだな。お前たちしっかりついてこい!」
「「はっ!」」
こうして、シャイン公爵家令嬢ブリリアント・シャインの冤罪事件は幕を閉じた。
しかし、その裏では密かに陰謀が渦巻いていた事をユリウスは知らなかった。
「所詮は、側妃腹の王子よ」
「王族の中の王族であるブリリアント様を害する事など誰にもできぬ」
「あの方を敵に回す事は二つの大国を敵にする事だというのに」
かくして、人々は動き出す。
「皆さまの御意見を伺えば、殿下の行動は王族としてあるまじき行為。ましてや次期国王たる者が感情のままに動くなど言語道断。王族の恥さらしでございますわ。私は王太子殿下の婚約者として恥ずべき行いをした覚えなどございませんもの。先程から聞いていれば、まるで私が悪事に加担しているような言い草。とても不愉快です。私の潔白はこの会場に集まった方々が証明してくださるでしょう。ですので、私からも殿下に宣言いたしましょう。私、ブリリアント・シャインは今よりアダマント王国第一位王位継承権を持つユリウス・アウグストとの婚約を白紙にさせていただきます」
凛とした態度で高らかに告げたブリリアントは優雅に会場を後にした。
その堂々とした振る舞いと気高い態度はとても美しかった。
「待て!まだ話は終わっていないぞ!!」
慌てて追いかけようとするユリウスだったが、背後に控えていた二人の側近によって阻まれた。
「お待ちください!殿下!」
「放せ!一体何だというのだ!あいつは犯罪者なのだぞ!!罪を悔い謝罪するのならまだしも……この私に向かってあのような口を叩くとは!」
「落ち着いて下さい!まずは状況を整理致しましょう!」
「そんな時間はない!今すぐ奴を捕まえねば大変なことになるぞ!!領地で蟄居など生ぬるい!法律を今すぐ変更してブリリアントに罪を償わせてやる!そこをどけ!手遅れになったらどうするつもりだ!!」
「殿下落ち着いて周りをご覧ください!」
ユリウスが側近の言うまま周囲を見渡すと白い目で見られていることに気づいた。
「法を変えるですって?」
「王太子と言えどもそのような権限はない」
「まさか本当に謀反を考えているのではあるまいか?」
「ブリリアント様に無実の罪を着せて裁こうなどとは……私情を挟むにもほどがある」
「いくら何でもこれはやり過ぎだろう。これでは王家は終わりではないか」
「婚約破棄は正当なものだったのか?むしろ今までの彼女の功績を考えれば婚約破棄を申し出てきた殿方に非があったのではないか?」
「婚約者に対してあの仕打ちは酷過ぎる」
ヒソヒソと小声で話す声が聞こえてくる。ユリウスは自分がとんでもない醜態を晒していることにも気づき、カッと頬を赤らめた。
(くそ!何だというのだ!!!)
ユリウスは理解できなかった。
正義を掲げる者に何故賛同しないのかと。
その正義感が思い込みに過ぎないものである事も分かっていなかった。
「くっ……仕方ない。我々も退却だ。今は一旦退くしか無いようだな。お前たちしっかりついてこい!」
「「はっ!」」
こうして、シャイン公爵家令嬢ブリリアント・シャインの冤罪事件は幕を閉じた。
しかし、その裏では密かに陰謀が渦巻いていた事をユリウスは知らなかった。
「所詮は、側妃腹の王子よ」
「王族の中の王族であるブリリアント様を害する事など誰にもできぬ」
「あの方を敵に回す事は二つの大国を敵にする事だというのに」
かくして、人々は動き出す。
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