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第17話七年前~ブリリアントside~
しおりを挟むユリウス王子の言葉で騒ぎは大きくなる一方です。どうやって収拾するつもりなのかしら?
「お許しください!弟があの様な行為に走ったのは、私の育て方が悪かったせいでございます!どんな罰も私と弟が受けますので、どうかユリウスだけはお助けください!悪いのは全て私なのです!息子に罪はありません。どうか……どうかお願い致します!!」
シュゼット側妃の悲痛な叫び声。心の底からユリウス王子の身を案じ、どうにか我が子に罪が及ばないように懇願しています。けれどそれは無理な話というものです。モントール伯爵と血縁関係がある以上ユリウス王子も無関係ではありません。連座制が適用されてしまいます。ただ、ユリウス王子は王妃殿下の猶子になっていますからね、そこが狙い目でしょう。
「沙汰は追って命じる。モントール伯爵は地下牢に……側妃は貴族牢へ移動させよ」
「父上!?」
国王陛下も随分と甘い処罰をなさるものですね。恐らく、これ以上の議論は無駄だと考えられたからでしょう。この場でどのような意見を述べたところで結果は変わりませんものね。
近衛隊がやってきました。
「母上!?」
「ユリウス、ごめんなさいね。あなたまで巻き込んでしまって。叔父様を恨まないで。全て私の責任なのです」
項垂れたシュゼット側妃が近衛隊に連行される際も力無く謝罪を繰り返しています。
「やめよ!母上を連れて行くな!!母上は関係ない!!!僕達母子は無関係だ!!!」
近衛隊の手を払い除けようと必死に抵抗するユリウス王子でしたが、数人の護衛に取り押さえられました。それでも連行される母君の無実を訴えていますが応じる者はいません。周囲の貴族達もユリウス王子の態度に眉を寄せ、不愉快そうに眺めています。
「母上ぇえーっ!!」
泣き叫ぶユリウス王子。
彼の絶叫は虚しく木霊するのでした。
「父上!何故ですか!何故、母上を!!」
「お前はまだ分かっていないのか!お前の生母は犯罪者の家族なのだぞ!それにもうシュゼットはお前の母ではない!」
「何を仰るんですか!!」
「お前は王妃の息子になったのだ!王妃の猶子になった瞬間からモントール伯爵家との縁は切れたのだ!!」
「なっ!? 母上はどうなるんですか!!」
「黙れ!シュゼットはお前の母親でも何でもない!!誰か!王太子を部屋に連れて行け!!暫く謹慎せよ!!」
ユリウス王子が近衛隊に連行されていきます。何度もシュゼット側妃の無実を訴えながら。実母を助けたい気持ちは分かりますが、ここは大人しくしておくところでしょうに。どうやら、我が婚約者は状況判断ができない方のようです。呆れた目で見ていると、目があい、私達母娘を憎悪に満ちた目で睨み付けてきました。
もしかして、この状況を作ったと思われたのでしょうか?
実母が窮地に陥っているのは私達のせいだと?
逆恨みですわよ!
なんですの、その恨みがましい目は!
これは間違いなく恨まれましたわ。逆恨みも甚だしいのですけど……。まあ、ユリウス王子は見るからにマザコンですから仕方がないのかもしれませんね。
これからどうなるのでしょうか?
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