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第48話新たな王~文官side~
しおりを挟むアダマント王国に新たな王が即位した。
年若い国王は優秀と謳われていたが、半年もしないうちに無能者の烙印を押されつつあった。
頭は良い。
知識も豊富だ。
武芸にも秀でている。
だが他者へと接する態度が悪過ぎた。
横柄な物言いや、尊大な態度。
これが家臣達だけならまだいい。
他国の、それも外交官にまで同じ態度を取るのだ。
当然、関係は悪化する。
しかも質が悪い事に、ユリウス国王はそれを解っていない。無自覚なのだ。自分の言動が正しいと思っている。自覚なく人を見下す言動を繰り返す。
そんな態度では各国からの信頼など得られない。
使節団との会談でもそれが現れた。
客をもてなす側だと理解しているにも関わらず、見下したような発言を連発したのだ。その上、如何に自分が優れているかを自慢気に語る始末。
相手を立てる事を知らないのか!!そう怒鳴りつけたい衝動を抑えるのに苦労した程だ。
この新王を表舞台に出すのは時期早計だと大臣達が判断したのは当然だった。
裏方で働くのならいざ知らず、表に立つには相応しくない。
だからと言って、このまま放置しておく訳にもいかない。
どうしたものかと頭を悩ませているところに男達の声が聞こえてきた。
「暫く事務仕事だとさ」
「国王陛下の事か?」
「あぁ、大臣達が頭を抱えていたぜ。気の毒に……」
「何だかんだ言ってもユリウス陛下は見目が良い。それに頭脳明晰だって触れ込みだったからな。それを利用した交渉ごとに引っ張り出そうと算段していたって話だ。それが全部パァになった訳だから……頭が痛くなるだろうよ」
「広告塔として利用しようとしてたらしい。だがあの陛下じゃ無理だろう。あれでは誰一人付いて来ないだろう」
「その通りだ。今は大人しく政務に励むべきだ。まぁそれでも多少の文句はあるだろうけどな」
「八つ当たりか」
「それしかないだろう?」
「陛下は大臣達の嫌がらせと思っている節がある」
「だろうな。今まで散々甘やかされていたんだろうし……」
「自業自得というヤツだってのに。自覚がないとは嘆かわしい限りだよ」
「全くだ。反省の欠片もないんだから」
「まぁ俺達はいつも通り仕事をしていれば問題無いだろう」
「そうだな。しかし最近、外交の仕事が少ない気がしないか?」
「そうだと思う。以前はもっと頻繁にあったはずだ」
「あぁ、何かあったのか?そういえば、先日の会談でも妙な雰囲気を感じたぞ」
「何かしらの問題が発生したんじゃないのか?」
「だとしたら厄介だな」
「確かに……」
「まぁ、取り敢えず今日は帰って一杯やるとするかね」
「おいおい、お前はまだ昼前だぞ!?」
「堅いこと言うなって!気分的に飲まなきゃやってられねぇんだよ!」
「仕方のない奴だな……」
数人の男達は苦笑しつつ、その場から離れていく。
ユリウス陛下の評判は文官達の間でも下落の一途を辿っていた。
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