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第3話噂2
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勇者ブレイ。
彼の名前を知らない人間はいないだろう。
名もなき村人から一躍勇者となり、世界を救った。
聖女である王女との恋物語。遠い異国の地でも歌として広まるほど、有名だ。
……あの国の先代国王が吟遊詩人に金を払って広めたんだ。
手間暇掛けて広め、勇者たち一行を国に留めおくことに成功した。
元々勇者は、あの国の平民だけどな。
勇者を政治利用するのは、ある意味で正しい判断だ。
自国民であったことも幸いした。
下手に他所の国出身の者を王女と結婚させられないからな。なんだかんだで国際問題になる。
「どちらにしろ面倒な国だ」
世界を救った代償は王位と王女。
魔王を倒す旅をしている中で徐々に恋に発展していく過程の話は舞台にもなったほどだ。
それだけ人気がある。
勇者の力が弱くなったといっても、他の人間よりずっと強かった。
おそらく、A級の冒険者くらいの実力があると思われる。
勇者が倒れる前に富国強兵しておくべきだったんだ。他の国のように。
そうすれば魔獣が襲ってきたと右往左往することもなかった。
魔獣が襲ってくるのは何処の国でも条件は同じだ。
他国からしたら「今更なにを言っているんだ?」って話だろう。
勇者がいるから。
勇者パーティーメンバーがいるから。
なんていう過信が今の結果をもたらしたんだろう。
実際、過信してもおかしくない環境だった。今までは。
そのツケが回ってきたともいえる。それか魔獣が更に賢くなったのか。
今なら勝てる。
今なら殺せる。
そう判断したのかもな。
数日後。
おかしな噂がギルド内に流れ始めた。
勇者の国が『勇者の子供』を探しているという噂だ。『勇者』の子供。つまり、『俺』を探しているってことだ。……なんで今更?
「勇者の隠し子ってやつか?」
「その話、俺も聞いたけどよ。ガセネタじゃねぇのか?」
「いや。それがな、どうやら本当の話らしいぞ。出所が勇者の国だっていうんだから信憑性はかなり高い」
「マジかよ……」
「だがよ、なんでまた隠し子探しなんてやってんだ?」
「そりゃあれだ……王妃様の子供が勇者の子じゃないってことに関係してんだろ」
「だからって探してどうするんだ?」
「王様の勇者の代わりをさせようって魂胆じゃねぇのか。魔獣討伐に上手くいってないようだしな」
「……勇者の子供だからって強いとは限らないんじゃ……。そもそも子供っていってもな。年齢も性別も分からないんじゃ探しようがねぇだろ」
「性別は分らんが、年齢は分かるそうだぞ。今年で二十三歳になるらしい」
「へぇ、じゃあもう成人してるわけだ」
そんな会話がギルド内で行われている。
俺はそれを聞きながら、内心の動揺を悟られないように必死に抑え込んでいた。
『勇者の子供』を探しているという噂は本当だった。
いや、噂じゃない。
各国にその情報が流れている。
「でもよぉ、なんでそんな具体的情報が流れてるんだ?二十三歳なら王女と結婚する前だろ。勇者の元恋人が産んでたとか……か?」
「ありそうな話だな。年齢的にも魔王討伐の旅に出る前に関係を持ったか、もしくは旅の途中で出会った女か……」
「有り得るな」
「三日前だが、勇者の国の騎士たちが極秘でギルドに来てたぜ。勇者の子供の事だろうな」
「まぁ、一般の冒険者やギルド職員が知らないだけで各国のどこかに匿われてるって線で動いててもおかしくねぇわな」
「極秘で嗅ぎまわってるんだろうよ」
「どこかに有力な情報筋でもいるんだろうな。ギルドにしか流していないという話だからギルドしか知りえない情報を聞き付けたか……」
「……として……話し……んだ……」
ザワザワと騒がしいく中で、俺は一人考え込んでいた。
勇者の国が『二十三歳になる冒険者』を探している。
連中、なりふり構わなくなってきたな。
彼の名前を知らない人間はいないだろう。
名もなき村人から一躍勇者となり、世界を救った。
聖女である王女との恋物語。遠い異国の地でも歌として広まるほど、有名だ。
……あの国の先代国王が吟遊詩人に金を払って広めたんだ。
手間暇掛けて広め、勇者たち一行を国に留めおくことに成功した。
元々勇者は、あの国の平民だけどな。
勇者を政治利用するのは、ある意味で正しい判断だ。
自国民であったことも幸いした。
下手に他所の国出身の者を王女と結婚させられないからな。なんだかんだで国際問題になる。
「どちらにしろ面倒な国だ」
世界を救った代償は王位と王女。
魔王を倒す旅をしている中で徐々に恋に発展していく過程の話は舞台にもなったほどだ。
それだけ人気がある。
勇者の力が弱くなったといっても、他の人間よりずっと強かった。
おそらく、A級の冒険者くらいの実力があると思われる。
勇者が倒れる前に富国強兵しておくべきだったんだ。他の国のように。
そうすれば魔獣が襲ってきたと右往左往することもなかった。
魔獣が襲ってくるのは何処の国でも条件は同じだ。
他国からしたら「今更なにを言っているんだ?」って話だろう。
勇者がいるから。
勇者パーティーメンバーがいるから。
なんていう過信が今の結果をもたらしたんだろう。
実際、過信してもおかしくない環境だった。今までは。
そのツケが回ってきたともいえる。それか魔獣が更に賢くなったのか。
今なら勝てる。
今なら殺せる。
そう判断したのかもな。
数日後。
おかしな噂がギルド内に流れ始めた。
勇者の国が『勇者の子供』を探しているという噂だ。『勇者』の子供。つまり、『俺』を探しているってことだ。……なんで今更?
「勇者の隠し子ってやつか?」
「その話、俺も聞いたけどよ。ガセネタじゃねぇのか?」
「いや。それがな、どうやら本当の話らしいぞ。出所が勇者の国だっていうんだから信憑性はかなり高い」
「マジかよ……」
「だがよ、なんでまた隠し子探しなんてやってんだ?」
「そりゃあれだ……王妃様の子供が勇者の子じゃないってことに関係してんだろ」
「だからって探してどうするんだ?」
「王様の勇者の代わりをさせようって魂胆じゃねぇのか。魔獣討伐に上手くいってないようだしな」
「……勇者の子供だからって強いとは限らないんじゃ……。そもそも子供っていってもな。年齢も性別も分からないんじゃ探しようがねぇだろ」
「性別は分らんが、年齢は分かるそうだぞ。今年で二十三歳になるらしい」
「へぇ、じゃあもう成人してるわけだ」
そんな会話がギルド内で行われている。
俺はそれを聞きながら、内心の動揺を悟られないように必死に抑え込んでいた。
『勇者の子供』を探しているという噂は本当だった。
いや、噂じゃない。
各国にその情報が流れている。
「でもよぉ、なんでそんな具体的情報が流れてるんだ?二十三歳なら王女と結婚する前だろ。勇者の元恋人が産んでたとか……か?」
「ありそうな話だな。年齢的にも魔王討伐の旅に出る前に関係を持ったか、もしくは旅の途中で出会った女か……」
「有り得るな」
「三日前だが、勇者の国の騎士たちが極秘でギルドに来てたぜ。勇者の子供の事だろうな」
「まぁ、一般の冒険者やギルド職員が知らないだけで各国のどこかに匿われてるって線で動いててもおかしくねぇわな」
「極秘で嗅ぎまわってるんだろうよ」
「どこかに有力な情報筋でもいるんだろうな。ギルドにしか流していないという話だからギルドしか知りえない情報を聞き付けたか……」
「……として……話し……んだ……」
ザワザワと騒がしいく中で、俺は一人考え込んでいた。
勇者の国が『二十三歳になる冒険者』を探している。
連中、なりふり構わなくなってきたな。
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