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第2章 繋がりは繋がっていく
6.隠者は御守りを仕上げる
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「精霊って、珍しいんですね?」
「まあな。あ、ちなみに見えるヤツはそこまで居ないぜ。俺も頑張らないと見えないが、息するみてぇに見えるのは、王宮魔術師レベルじゃ無いか?契約すると本人には見えやすくなるらしいんだがな、俺らとパーティ組んでたフロニアとかも『うっすら光って見える』程度だった筈だ。契約も基本的には難しいらしいしな」
「ごめんなさい、大丈夫だったかしら?」
「はい、びっくりしただけですから。触れる方がいる方にびっくりでした」
「油断したの」
「赤ちゃん可愛いの」
精霊達は、勝手にフードから出てしまう。
「大丈夫だったようですよ。触れる事が出来たことに驚いてはいるようですけど」
「私、そういう手に触れる感覚だけは鋭いのよ。目はさっぱりなんだけど…」
改めて、と、ミリィさんは私の両手を取ってキュッと握った。
「私はミリィ。アーバンの妻よ。この間は本当に本当にありがとう!一生忘れないわ」
「いえいえ、運が良かったんですよ。私の名前は…」
「リッカさん、よね?教えてもらったわ」
そのまま手を引いて、赤ちゃんのところに連れて行ってくれる。
「そして、この子があの時の赤ちゃんよ。名前はリッカ」
「え?」
スヤスヤ寝ている赤ちゃんの前で、大声を出しかけて口を押さえる。
「恩人の名前だからな。良い名前だろ?」
「うふふ。ほら、リッカ。あなたと私の恩人が来てくれたわよ」
「俺にとっても恩人だ。本当にありがとうな」
ミリィさんの肩に手を回して、アーバンさんが私に手を伸ばしてくる。私も手を差し出して握手する。
「本当に、間に合って良かったです」
ふいに、赤ちゃんのちいさな泣き声がした。
「あ、うるさかったかな?」
「ううん、そろそろお腹が空いた筈なのよ。私、飲ませてくるわ」
ミリィさんはアーバンさんに目配せして、奥に入っていった。
「悪いなリッカさん。お茶入れてくるから、そこ座っててくれ」
「はい」
ここは古着屋さんで、もともとミリィさんが若い時に一人で立ち上げた店らしい。接客用なのか、年季の入ったティーテーブルのセットは、使い込まれているがしっかりしたものだ。私は、懐から出すふりをして、アイテムボックスから御守りの未完成品をいくつか出した。
「どれがいいかな?」
「あのね、これ!」
「あの子と波長が合いますの」
「きっと居るだけで人を穏やかにするよ」
3人(匹?)が勧めたのは、紫水晶のものだ。円形の石の中には、天使の翼のような羽が一対掘り込まれている。あくまで内側なので、手触りはひんやりと滑らかしている。私も1番良い出来だと思っていたので、ちょっと嬉しい。
「じゃあ…」
石の下に名前を刻むための、石自身の紋様を出す。その中心に、こちらの文字で赤ちゃんの名前を紋様化して刻み込んだ。
「よし」
「出来上がりですの」
「良い夢見れるよ」
「良い睡眠は健康にいいですから!」
3人に褒められて、良い気になっていたら、不意にカチャカチャ…と物音がした。顔をあげると、茶器とコップを持ったアーバンさんと、赤ちゃんを抱いて、あんぐりと口を開けてこちらを見るミリィさんが居た。カチャカチャ言っているのは、お盆に乗せた食器類で、音がなっているのは、アーバンさんの手が震えているからだ。
「見ちゃった…」
「前も見ただろ」
「だって前はこの子産む時でしょ?見る余裕なんか…」
私を凝視しながら口元はパクパクと動いて話をしている2人と、やっと目が合う。
「…初めて見たわ。完全無詠唱」
「……珍しいんですか?」
2人は、大きく同時に頷いた。
「ええと。ま、お茶どうぞ。冷めるぜ?」
結論だけ言えば、お守りは本当に喜んでもらえた。そして、ミリィさんからは噛んで含めるように、
「触ればわかるわ。すごい魔力が込められてる。こんなのを作れるのはそれこそ神殿の本部くらいにしか居ないわ。人前でホイホイ見せたら変な権力者とかに攫われちゃうから絶対にダメよ!知らない人に見せたり、何か言われてもついて行ったらダメよ。約束して。ね?」
と何度も念を押された。
前世の年齢を足してしまえば、ミリィさんの親でもおかしくないくらいなのに、なんだか自分が小さな子供になったような気がした。
「まあな。あ、ちなみに見えるヤツはそこまで居ないぜ。俺も頑張らないと見えないが、息するみてぇに見えるのは、王宮魔術師レベルじゃ無いか?契約すると本人には見えやすくなるらしいんだがな、俺らとパーティ組んでたフロニアとかも『うっすら光って見える』程度だった筈だ。契約も基本的には難しいらしいしな」
「ごめんなさい、大丈夫だったかしら?」
「はい、びっくりしただけですから。触れる方がいる方にびっくりでした」
「油断したの」
「赤ちゃん可愛いの」
精霊達は、勝手にフードから出てしまう。
「大丈夫だったようですよ。触れる事が出来たことに驚いてはいるようですけど」
「私、そういう手に触れる感覚だけは鋭いのよ。目はさっぱりなんだけど…」
改めて、と、ミリィさんは私の両手を取ってキュッと握った。
「私はミリィ。アーバンの妻よ。この間は本当に本当にありがとう!一生忘れないわ」
「いえいえ、運が良かったんですよ。私の名前は…」
「リッカさん、よね?教えてもらったわ」
そのまま手を引いて、赤ちゃんのところに連れて行ってくれる。
「そして、この子があの時の赤ちゃんよ。名前はリッカ」
「え?」
スヤスヤ寝ている赤ちゃんの前で、大声を出しかけて口を押さえる。
「恩人の名前だからな。良い名前だろ?」
「うふふ。ほら、リッカ。あなたと私の恩人が来てくれたわよ」
「俺にとっても恩人だ。本当にありがとうな」
ミリィさんの肩に手を回して、アーバンさんが私に手を伸ばしてくる。私も手を差し出して握手する。
「本当に、間に合って良かったです」
ふいに、赤ちゃんのちいさな泣き声がした。
「あ、うるさかったかな?」
「ううん、そろそろお腹が空いた筈なのよ。私、飲ませてくるわ」
ミリィさんはアーバンさんに目配せして、奥に入っていった。
「悪いなリッカさん。お茶入れてくるから、そこ座っててくれ」
「はい」
ここは古着屋さんで、もともとミリィさんが若い時に一人で立ち上げた店らしい。接客用なのか、年季の入ったティーテーブルのセットは、使い込まれているがしっかりしたものだ。私は、懐から出すふりをして、アイテムボックスから御守りの未完成品をいくつか出した。
「どれがいいかな?」
「あのね、これ!」
「あの子と波長が合いますの」
「きっと居るだけで人を穏やかにするよ」
3人(匹?)が勧めたのは、紫水晶のものだ。円形の石の中には、天使の翼のような羽が一対掘り込まれている。あくまで内側なので、手触りはひんやりと滑らかしている。私も1番良い出来だと思っていたので、ちょっと嬉しい。
「じゃあ…」
石の下に名前を刻むための、石自身の紋様を出す。その中心に、こちらの文字で赤ちゃんの名前を紋様化して刻み込んだ。
「よし」
「出来上がりですの」
「良い夢見れるよ」
「良い睡眠は健康にいいですから!」
3人に褒められて、良い気になっていたら、不意にカチャカチャ…と物音がした。顔をあげると、茶器とコップを持ったアーバンさんと、赤ちゃんを抱いて、あんぐりと口を開けてこちらを見るミリィさんが居た。カチャカチャ言っているのは、お盆に乗せた食器類で、音がなっているのは、アーバンさんの手が震えているからだ。
「見ちゃった…」
「前も見ただろ」
「だって前はこの子産む時でしょ?見る余裕なんか…」
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「…初めて見たわ。完全無詠唱」
「……珍しいんですか?」
2人は、大きく同時に頷いた。
「ええと。ま、お茶どうぞ。冷めるぜ?」
結論だけ言えば、お守りは本当に喜んでもらえた。そして、ミリィさんからは噛んで含めるように、
「触ればわかるわ。すごい魔力が込められてる。こんなのを作れるのはそれこそ神殿の本部くらいにしか居ないわ。人前でホイホイ見せたら変な権力者とかに攫われちゃうから絶対にダメよ!知らない人に見せたり、何か言われてもついて行ったらダメよ。約束して。ね?」
と何度も念を押された。
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