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第3章 心が繋がる時
10.親心と執事心
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「仮に契約するとして…方法としては、最低限の魔力で名付け契約をするか、足りない魔力をなんらかの方法で補うか、ということになると思います。
妖精とずっと一緒にいるということの良い点としては…ご自分の能力の自覚と友人が出来ること。あとはさまざまな所で助言をもらえたり…でしょうか。そのためにはご自分でも頑張って念話などを使えるようになる必要はあるかもしれません」
「悪い点は…学園などで知られたら……とんでも無いことに巻き込まれかねないわ」
エリーナさんが人差し指を口元に当てて言う。先々代の王妃は妖精眼の持ち主だったと言われており、男爵家の生まれだったらしいが、13歳で妖精が見えると分かった時に、無理矢理公爵家の養女にして当時14歳だった第1王子の婚約者にしたらしい。その時既に王子には幼い時に決められた婚約者がいたので、無理矢理婚約者をすげ替えたことでしばらく国はギクシャクしたのだと言う。
「まあ、以来王家の婚約者の選定は学園の卒業後にしているみたいだから、この辺りは置いておいてもいいとして…」
「問題はメリーベルです。リッカさん、精霊と暮らしてご不便はないのですか?」
「私は全く。寧ろ助けてもらっています。ですが私の生活はメリーベルさんとはだいぶ違いますから、参考にはならないかと…」
なんというか、他人との関わりという意味では全く違う生活を送っている。
「お友達が出来る、という意味では良いわね。言い方は悪いけれど、決して裏切らないお友達でしょうから。その分自分を律して行かなければならないけれど」
「そうだね。あの学園では心強いな…」
「あなた、私は賛成ですわ。ここで反対したところで妖精眼は消えないわ。きっとあの子のことだから、最初の時に他の子供に揶揄われたりして、妖精眼が見えることを黙っていることにしたのよ、きっと」
そこで、エリーナさんは唯一在室を許されていた執事さんにも意見を求めた。
「どう?ある意味私達よりも子供たちを見てきたあなたの意見が聞きたいわ」
「はい、旦那様、奥様」
ずっと空気か壁に徹していたようにも見える執事さんが、優雅に一礼した。
「お嬢様が妖精のお話をなさったのが3歳と4歳の頃、懸命にお勉強なされるようになったのは、5歳からでございます。当時から、何かを秘密になさっているような所はおありでした」
「私もそれは感じていたよ。子供特有の他愛の無いものかと思っていたんだが…」
「私もですわ」
しばらく悩んでいたサブマスとエリーナさん、私の前に、温かい紅茶が出された。執事さんは私にパチンと片目を瞑る仕草をすると、私のそばに、私の分とは別に小さなミルク入れのようなものに入れた紅茶と、小皿に小さく切り分けたお菓子を置いていく。精霊たちと妖精が目を輝かせて私を見た。
(いいよ。あなた達の分みたい)
おそらく、話の内容と、食べているふりをしてフォークで切り分けた私のお菓子が、少しずつ減っていくことに気づいたのかもしれない。
「まあ…」
エリーナさんが先に声を上げ、サブマスもそちらを見た。2人からすれば、お菓子のかけらが宙に浮いているように見えるかもしれない。私の目には、ひと抱えあるパウンドケーキをもぐもぐ食べているハムスターのような姿が見えている。
不意に扉がノックされた。執事さんがドアに近付く。
「お嬢様のお支度が出来たそうです」
「わかりました。通してください」
「…あなた」
サブマスはエリーナさんに優しく微笑んだ。夫で、お父さんの顔をしているように思う。
「メリーベルが苦しんできたのなら、それは私たちの責任だよ。何があっても、私たちが守ればいいんだ。それに、方法なら…」
サブマスは私を見た。
「リッカさんも相談に乗ってくれるようだからね」
「…はい」
エリーナさんは、やっとそこで安心したように微笑んだ。
「メリーベルです。失礼します」
ちょうど扉がノックされ、向こうから声がした。
妖精とずっと一緒にいるということの良い点としては…ご自分の能力の自覚と友人が出来ること。あとはさまざまな所で助言をもらえたり…でしょうか。そのためにはご自分でも頑張って念話などを使えるようになる必要はあるかもしれません」
「悪い点は…学園などで知られたら……とんでも無いことに巻き込まれかねないわ」
エリーナさんが人差し指を口元に当てて言う。先々代の王妃は妖精眼の持ち主だったと言われており、男爵家の生まれだったらしいが、13歳で妖精が見えると分かった時に、無理矢理公爵家の養女にして当時14歳だった第1王子の婚約者にしたらしい。その時既に王子には幼い時に決められた婚約者がいたので、無理矢理婚約者をすげ替えたことでしばらく国はギクシャクしたのだと言う。
「まあ、以来王家の婚約者の選定は学園の卒業後にしているみたいだから、この辺りは置いておいてもいいとして…」
「問題はメリーベルです。リッカさん、精霊と暮らしてご不便はないのですか?」
「私は全く。寧ろ助けてもらっています。ですが私の生活はメリーベルさんとはだいぶ違いますから、参考にはならないかと…」
なんというか、他人との関わりという意味では全く違う生活を送っている。
「お友達が出来る、という意味では良いわね。言い方は悪いけれど、決して裏切らないお友達でしょうから。その分自分を律して行かなければならないけれど」
「そうだね。あの学園では心強いな…」
「あなた、私は賛成ですわ。ここで反対したところで妖精眼は消えないわ。きっとあの子のことだから、最初の時に他の子供に揶揄われたりして、妖精眼が見えることを黙っていることにしたのよ、きっと」
そこで、エリーナさんは唯一在室を許されていた執事さんにも意見を求めた。
「どう?ある意味私達よりも子供たちを見てきたあなたの意見が聞きたいわ」
「はい、旦那様、奥様」
ずっと空気か壁に徹していたようにも見える執事さんが、優雅に一礼した。
「お嬢様が妖精のお話をなさったのが3歳と4歳の頃、懸命にお勉強なされるようになったのは、5歳からでございます。当時から、何かを秘密になさっているような所はおありでした」
「私もそれは感じていたよ。子供特有の他愛の無いものかと思っていたんだが…」
「私もですわ」
しばらく悩んでいたサブマスとエリーナさん、私の前に、温かい紅茶が出された。執事さんは私にパチンと片目を瞑る仕草をすると、私のそばに、私の分とは別に小さなミルク入れのようなものに入れた紅茶と、小皿に小さく切り分けたお菓子を置いていく。精霊たちと妖精が目を輝かせて私を見た。
(いいよ。あなた達の分みたい)
おそらく、話の内容と、食べているふりをしてフォークで切り分けた私のお菓子が、少しずつ減っていくことに気づいたのかもしれない。
「まあ…」
エリーナさんが先に声を上げ、サブマスもそちらを見た。2人からすれば、お菓子のかけらが宙に浮いているように見えるかもしれない。私の目には、ひと抱えあるパウンドケーキをもぐもぐ食べているハムスターのような姿が見えている。
不意に扉がノックされた。執事さんがドアに近付く。
「お嬢様のお支度が出来たそうです」
「わかりました。通してください」
「…あなた」
サブマスはエリーナさんに優しく微笑んだ。夫で、お父さんの顔をしているように思う。
「メリーベルが苦しんできたのなら、それは私たちの責任だよ。何があっても、私たちが守ればいいんだ。それに、方法なら…」
サブマスは私を見た。
「リッカさんも相談に乗ってくれるようだからね」
「…はい」
エリーナさんは、やっとそこで安心したように微笑んだ。
「メリーベルです。失礼します」
ちょうど扉がノックされ、向こうから声がした。
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