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【18】盛大な勘違い/幕間
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「今日は本当にびっくりしたわ。まさかシスターが、レイとのリハビリまで嫌がるなんて……!」
ミモザはテーブルに肘をついて、がっくりとうなだれていた。テーブルに置いたワインのグラスを見つめて、頭の痛そうな顔をしている。
「本当ね……。せっかく、少しずつイイ仲になってきたと思っていたのに」
「王太子殿下が来たとき、しくちゃったなぁ……」
ローゼルとアニスも、ワインを飲みつつ重たい溜息をついた。
彼女たち3人組は今、ミモザの部屋で女子会の真っ最中である。仕事後に誰かの部屋に集まってよく晩酌するのだが、今日の女子会は気分が重い。重い理由はもちろん、エルダがラファエルと距離を置こうとしたからだ。
ちなみにミモザたちは、本人のいないところでは昔と変わらず『シスター』、『レイ』と呼んでいる。
王太子が訪問した際に自分たちがしでかしてしまった『ミス』を、彼女たちは包み隠さずラファエルに報告していた。エルダとの約束を違えることにはなってしまったが、報告しない訳にはいかない。ラファエルに情報共有しておかないと、エルダとの関係性に深刻な問題が生じかねないからだ。
「そりゃシスターの気持ちも分かるわよ……自分の承諾もなしに、勝手に結婚式の準備まで進められてたらショックよね」
「あのときシスター、泣いてたよね。全然嬉しそうじゃなかったし、やっぱりレイと結婚するのは嫌なのかなぁ」
うーん……。と、ミモザは難しい顔で首を傾げた。
「でも、嫌いって訳でもないんじゃない? だって本当に嫌だったら、はっきり拒否すると思うのよね。『聞かなかったことにする』っていう反応が、イマイチよく分からないというか……」
彼女たち3人は気付いていない――エルダが盛大な勘違いをしているということに。
エルダは王太子が来たあの日、『ラファエルが愛しい人との結婚式の準備をしている』という話を盗み聞きした。だがその『愛しい人』が自分だなんてちっとも気づいていない。『ラファエルには婚約者がいて、その女性との結婚式を準備している』と思い込んでいるのだ。
しかし侍女たちは認識のズレに気付かないまま、ラファエルに報告していた……。
「要するに『レイは嫌いじゃないけれど、まだ男としては見れない』って状況なんじゃないかしら」
「「あー……。なるほど」」
3人とも合点のいった顔をしている。だが実際は大ハズレだ。
「それにしてもレイは、いつあのことをシスターに打ち明けるのかしら」
「うーん……まだ無理でしょ。今シスターが知っちゃったら、ショックで失踪しかねないもの」
「せめて今より少しでも、シスターがレイに心を開いてくれなきゃね……」
ワインのグラスを空にしたローゼルが、少しお酒の回った口調で言った。
「シスター、素直に落ちちゃえばいいのに。あんなに何度も求愛されたら、その気になってきても良い頃だと思うんだけどな。レイはいろいろ歪んでるけど、まあ、いい男だし」
ミモザもアニスも賛同している。
「そうね。意外と度胸があるし、あれだけ一途に愛してくれる男はそうそういないと思うわ」
「うん。しつこいし腹黒いけど、いい奴だよね」
3人はグラスにワインを注ぎ直すと、意気投合して再度の乾杯をした。
「ともかく私たちのやるべきことは一つ! シスターがレイを好きになるように、引き続きがんばりましょ。新生アルシュバーン侯爵家のためにも、あの二人には幸せになってもらわなくちゃ」
「「おー!!」」
ミモザはテーブルに肘をついて、がっくりとうなだれていた。テーブルに置いたワインのグラスを見つめて、頭の痛そうな顔をしている。
「本当ね……。せっかく、少しずつイイ仲になってきたと思っていたのに」
「王太子殿下が来たとき、しくちゃったなぁ……」
ローゼルとアニスも、ワインを飲みつつ重たい溜息をついた。
彼女たち3人組は今、ミモザの部屋で女子会の真っ最中である。仕事後に誰かの部屋に集まってよく晩酌するのだが、今日の女子会は気分が重い。重い理由はもちろん、エルダがラファエルと距離を置こうとしたからだ。
ちなみにミモザたちは、本人のいないところでは昔と変わらず『シスター』、『レイ』と呼んでいる。
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「そりゃシスターの気持ちも分かるわよ……自分の承諾もなしに、勝手に結婚式の準備まで進められてたらショックよね」
「あのときシスター、泣いてたよね。全然嬉しそうじゃなかったし、やっぱりレイと結婚するのは嫌なのかなぁ」
うーん……。と、ミモザは難しい顔で首を傾げた。
「でも、嫌いって訳でもないんじゃない? だって本当に嫌だったら、はっきり拒否すると思うのよね。『聞かなかったことにする』っていう反応が、イマイチよく分からないというか……」
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しかし侍女たちは認識のズレに気付かないまま、ラファエルに報告していた……。
「要するに『レイは嫌いじゃないけれど、まだ男としては見れない』って状況なんじゃないかしら」
「「あー……。なるほど」」
3人とも合点のいった顔をしている。だが実際は大ハズレだ。
「それにしてもレイは、いつあのことをシスターに打ち明けるのかしら」
「うーん……まだ無理でしょ。今シスターが知っちゃったら、ショックで失踪しかねないもの」
「せめて今より少しでも、シスターがレイに心を開いてくれなきゃね……」
ワインのグラスを空にしたローゼルが、少しお酒の回った口調で言った。
「シスター、素直に落ちちゃえばいいのに。あんなに何度も求愛されたら、その気になってきても良い頃だと思うんだけどな。レイはいろいろ歪んでるけど、まあ、いい男だし」
ミモザもアニスも賛同している。
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「うん。しつこいし腹黒いけど、いい奴だよね」
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「ともかく私たちのやるべきことは一つ! シスターがレイを好きになるように、引き続きがんばりましょ。新生アルシュバーン侯爵家のためにも、あの二人には幸せになってもらわなくちゃ」
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