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第18話:やっと尻尾を捕まえました
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翌日も、私はこっそりテントを抜け出し、ある人のテントの前に来た。そっとテントに耳を当てると、誰かと話をしている声が。一体何を話しているのかしら?
「アリー、こんなところで何をしているんだい?」
絶妙なタイミングで、ルーカス様がやって来たのだ。
「いいえ、別に何も…それでは私は、用事がありますので」
急いでその場を離れる。その後も何度もあの人のテントを訪れたり、尾行をしたりするが、なぜかことごとくルーカス様に邪魔をされてしまう。もう、この前まで私を避けていたくせに、どうして急に私に絡むのよ!
そう思いつつも、やっぱりルーカス様に話しかけられると、嬉しくてつい相手をしてしまうのだ。結局何も情報を掴めないまま、1週間が過ぎた。相変わらずお兄様からは、何の連絡も来ない。
作戦を考えるから待っていろって言ったのに!でも、後1週間もすれば、お兄様たちの部隊に合流できる。そうなれば、あの人もさすがに手が出しにくくなるだろう。
今日の夜もこっそり抜け出し、あの人のテントに向かった。すると、テントの外に出て、どこかに向かうではないか。もしかして、何らかの手掛かりがつかめるかもしれない。
そんな思いから、彼の後を付ける。
どんどん奥に入って行く。一体どこに行くのかしら?すると、開けた場所で止まったのだ。こんなところで、一体何をしているのかしら?
「ねえ、アリー。そんなところに隠れていないで、出ておいでよ。君がずっと俺の事を探っている事は知っていたんだよ」
しまった…バレていたのね。
恐る恐る彼の前に姿を現す。
「あ…あの、今日はとても星が奇麗ですわね。こんな開けた場所があるなんて、知りませんでしたわ」
星を見ながら、必死に話しかける。私はたまたまここを通りかかっただけですのよ。オホホ。そんな思いを込めて言ったのだが…
「君は本当に嘘が下手だね。それに、隠れるのも。ここ1週間、毎日俺を尾行したり、テントに様子を見に来たりしていた事、丸わかりだったよ。そのせいで、ルーカスからは“アリーはお前に気があるのかもしれない”なんて相談されるし、本当に迷惑だったよ」
「あら…私は別に、尾行など…」
「目が泳いでいるよ。ただ…勘はかなり鋭い様だね。俺がルーカスに毒を入れた犯人だと気が付いて、その証拠を探すために、俺の周りをウロウロしていたのだろう?」
そう言うと、私に近づいて来た。
「やっぱり、あなたが隊長に毒を盛ったのですね。副隊長!あなたは一体何者なのですか?なんでそんな事をしたのですか?」
「俺かい?俺は王妃様に雇われたスパイだよ。いいだろう。全て教えてやろう。俺の任務は、第二王子でもあるアーロン殿下が正式に王太子に就任できる16歳まで、ルーカスを討伐部隊に置いておくことだ。王妃様はね。ルーカスが魔物討伐に行っている間に、貴族と陛下を丸め込み、アーロン殿下を王太子にさせようと考えているんだよ」
なるほど、アーロン殿下はもうすぐ15歳。後1年足らずで、王太子に就任できるようになるという事か。
「どうして王妃様はそんな面倒な事をするのですか?そんな事をしなくても、さっさと隊長を亡き者にすればよろしいのでは?」
「俺もそう思ったのだが、王妃様が放っておけば魔物に殺されるだろうとおっしゃるので、今まで放置していたんだ。でも、彼にはカーラル公爵家の人間が付いているからね。中々命を落とすことはなかった。それどころか、カーラル公爵家の令息たちが、どんどん魔物を倒していった。そして気が付くと、彼らの部隊は随分奥まで魔物を討伐してしまった。そこで焦った王妃様が、何人ものスパイを送り込み始めた。でも…どいつもこいつも役立たずだった様で、ことごとく失敗したんだ。ルーカスはああ見えて、人一倍警戒心が強いからね」
なるほど。
「そこで白羽の矢が立ったのが俺だ。半年前、副隊長として就任すると、まず料理が上手い隊員と治癒師を魔物を使って暗殺した。それにより、死人やケガ人が急増した。さらに満足に食事が出来ず、皆やせ細っていったんだ。このままいけば、隊が全滅するのも時間の問題だった。それなのに、君が来てしまった。君のせいで、隊は息を吹き返した。ただありがたい事に、ルーカスは君に恋をした。ルーカスはね、カーラル公爵家の令嬢と婚約しているんだ。それなのに、君を好きになった。だから、チャンスだと思ったんだ。このことをカーラル公爵家の令息に話せばきっと、怒り狂い、ルーカスを見放すだろう。そう思った。それなのに…」
悔しそうに唇を噛む副隊長。そもそも、カーラル家の令嬢でルーカス様の婚約者は、私自身だ。ルーカス様が私を好きと勘違いしている副隊長がいくらお兄様に訴えても、お兄様は何とも思わない。むしろ婚約者同士、仲睦まじいと思うくらいだろう。
でも、この人がお兄様にチクったおかげで、この男がルーカス様を裏切ったスパイだとわかったのだけれどね。
「カーラル公爵の令息たちに、“別にそんな事は気にしない。ルーカス殿下の思うままに”とでも言われたのでしょう。それで、利用価値がなくなったうえ、隊を良い方向に導く邪魔者でもある私を、亡き者にしようとしたけれど、失敗した。そこで仕方なくルーカス様を毒殺しようとしたが、またまた失敗したという事でよろしいでしょうか?」
長々とこの男の話しを聞くのが面倒になり、こちらでまとめて話してやった。
「お前、超能力者なのか?そうだ、その通りだ…」
目を大きく見開いて驚いている。どうやら副隊長は、私がカーラル公爵令嬢と言う事は、知らない様だ。
とにかく、言質は取れた。これでこの男を捕まえられる!
「アリー、こんなところで何をしているんだい?」
絶妙なタイミングで、ルーカス様がやって来たのだ。
「いいえ、別に何も…それでは私は、用事がありますので」
急いでその場を離れる。その後も何度もあの人のテントを訪れたり、尾行をしたりするが、なぜかことごとくルーカス様に邪魔をされてしまう。もう、この前まで私を避けていたくせに、どうして急に私に絡むのよ!
そう思いつつも、やっぱりルーカス様に話しかけられると、嬉しくてつい相手をしてしまうのだ。結局何も情報を掴めないまま、1週間が過ぎた。相変わらずお兄様からは、何の連絡も来ない。
作戦を考えるから待っていろって言ったのに!でも、後1週間もすれば、お兄様たちの部隊に合流できる。そうなれば、あの人もさすがに手が出しにくくなるだろう。
今日の夜もこっそり抜け出し、あの人のテントに向かった。すると、テントの外に出て、どこかに向かうではないか。もしかして、何らかの手掛かりがつかめるかもしれない。
そんな思いから、彼の後を付ける。
どんどん奥に入って行く。一体どこに行くのかしら?すると、開けた場所で止まったのだ。こんなところで、一体何をしているのかしら?
「ねえ、アリー。そんなところに隠れていないで、出ておいでよ。君がずっと俺の事を探っている事は知っていたんだよ」
しまった…バレていたのね。
恐る恐る彼の前に姿を現す。
「あ…あの、今日はとても星が奇麗ですわね。こんな開けた場所があるなんて、知りませんでしたわ」
星を見ながら、必死に話しかける。私はたまたまここを通りかかっただけですのよ。オホホ。そんな思いを込めて言ったのだが…
「君は本当に嘘が下手だね。それに、隠れるのも。ここ1週間、毎日俺を尾行したり、テントに様子を見に来たりしていた事、丸わかりだったよ。そのせいで、ルーカスからは“アリーはお前に気があるのかもしれない”なんて相談されるし、本当に迷惑だったよ」
「あら…私は別に、尾行など…」
「目が泳いでいるよ。ただ…勘はかなり鋭い様だね。俺がルーカスに毒を入れた犯人だと気が付いて、その証拠を探すために、俺の周りをウロウロしていたのだろう?」
そう言うと、私に近づいて来た。
「やっぱり、あなたが隊長に毒を盛ったのですね。副隊長!あなたは一体何者なのですか?なんでそんな事をしたのですか?」
「俺かい?俺は王妃様に雇われたスパイだよ。いいだろう。全て教えてやろう。俺の任務は、第二王子でもあるアーロン殿下が正式に王太子に就任できる16歳まで、ルーカスを討伐部隊に置いておくことだ。王妃様はね。ルーカスが魔物討伐に行っている間に、貴族と陛下を丸め込み、アーロン殿下を王太子にさせようと考えているんだよ」
なるほど、アーロン殿下はもうすぐ15歳。後1年足らずで、王太子に就任できるようになるという事か。
「どうして王妃様はそんな面倒な事をするのですか?そんな事をしなくても、さっさと隊長を亡き者にすればよろしいのでは?」
「俺もそう思ったのだが、王妃様が放っておけば魔物に殺されるだろうとおっしゃるので、今まで放置していたんだ。でも、彼にはカーラル公爵家の人間が付いているからね。中々命を落とすことはなかった。それどころか、カーラル公爵家の令息たちが、どんどん魔物を倒していった。そして気が付くと、彼らの部隊は随分奥まで魔物を討伐してしまった。そこで焦った王妃様が、何人ものスパイを送り込み始めた。でも…どいつもこいつも役立たずだった様で、ことごとく失敗したんだ。ルーカスはああ見えて、人一倍警戒心が強いからね」
なるほど。
「そこで白羽の矢が立ったのが俺だ。半年前、副隊長として就任すると、まず料理が上手い隊員と治癒師を魔物を使って暗殺した。それにより、死人やケガ人が急増した。さらに満足に食事が出来ず、皆やせ細っていったんだ。このままいけば、隊が全滅するのも時間の問題だった。それなのに、君が来てしまった。君のせいで、隊は息を吹き返した。ただありがたい事に、ルーカスは君に恋をした。ルーカスはね、カーラル公爵家の令嬢と婚約しているんだ。それなのに、君を好きになった。だから、チャンスだと思ったんだ。このことをカーラル公爵家の令息に話せばきっと、怒り狂い、ルーカスを見放すだろう。そう思った。それなのに…」
悔しそうに唇を噛む副隊長。そもそも、カーラル家の令嬢でルーカス様の婚約者は、私自身だ。ルーカス様が私を好きと勘違いしている副隊長がいくらお兄様に訴えても、お兄様は何とも思わない。むしろ婚約者同士、仲睦まじいと思うくらいだろう。
でも、この人がお兄様にチクったおかげで、この男がルーカス様を裏切ったスパイだとわかったのだけれどね。
「カーラル公爵の令息たちに、“別にそんな事は気にしない。ルーカス殿下の思うままに”とでも言われたのでしょう。それで、利用価値がなくなったうえ、隊を良い方向に導く邪魔者でもある私を、亡き者にしようとしたけれど、失敗した。そこで仕方なくルーカス様を毒殺しようとしたが、またまた失敗したという事でよろしいでしょうか?」
長々とこの男の話しを聞くのが面倒になり、こちらでまとめて話してやった。
「お前、超能力者なのか?そうだ、その通りだ…」
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