婚約者と親友に裏切られた伯爵令嬢は侯爵令息に溺愛される

Karamimi

文字の大きさ
6 / 55

第6話:なぜ私がこんな目に…

しおりを挟む
翌日、本当は貴族学院になんて行きたくない、マリンにもジェファーソン様にも会いたくない。でも、証拠を集めるためには、学院に行かないと!そんな思いで、学院に向かう準備を始めた。

「マーガレット、ジェファーソン殿に昨日の無礼を詫びるのだぞ。本当にお前は、あのような虚偽を訴えるだなんて。恥ずかしい娘だ」

お父様が朝から私を怒鳴りつけている。何が虚偽よ。娘の言う事を全く信用しないだなんて。悔しくてついお父様を睨んだ。

「何だその目は。本当にお前は誰に似たのだか。とにかく、見苦しい嫉妬心をこれ以上むき出しにするな。いいな、分かったな」

朝から煩わしいお父様を無視し、そのまま馬車へと乗り込んだ。正直食欲もあまりなく、昨日の夜から何も食べていないが、全くお腹が空かない。

このままやせ細って弱っていったら、婚約破棄できるかしら?弱ったくらいでは無理か…そんな事を考えているうちに、貴族学院に着いてしまった。クラスにはマリンもジェファーソン様もいる。そう思うと、なんだかクラスに向かうのが辛くて、どうしても馬車から降りる事が出来ない。

「お嬢様、学院に着きましたよ。体調でも悪いのですか?」

御者が心配そうに声をかけてきてくれる。

「いいえ、大丈夫よ。それじゃあ、行ってくるわね」

気を取り直してゆっくり馬車から降り、教室へと向かった。大丈夫よ、私は何も悪い事をしていない。堂々としていればいいのよ。そう自分に言い聞かせて教室の中に入る。

すると…

「マーガレット様、マリン様から話を聞きましたわ。ジェファーソン様と少し話をしていただけで、マーガレット様に酷い暴言を吐いたのですってね。ジェファーソン様にも婚約破棄を迫ったそうではありませんか。いくら何でも、お2人が可哀そうですわ」

「そうですわ、マリン様なんて、学院に来てからずっと泣いていらっしゃるのですよ」

教室に入るなり、一斉に令嬢たちに囲まれ、文句を言われた。一体何を言っているの?全く理解が出来ずに、マリンの方を見ると、シクシク泣いていた。さらに

「皆様、私の為にありがとうございます。でも、私もいくらマーガレットの為と言っても、少しジェファーソン様と仲良くしすぎたのかもしれませんわ。マーガレット、ごめんなさい。本当にごめんなさい」

涙を流しながら、必死に謝るマリン。

「マリン様、そんなに謝らなくてもいいのですよ。それにしても、色々とマーガレット様の為に動いて下さっていたマリン様の気持ちを無下にするだけでなく、お心を傷つけるだなんて。マーガレット様がそんな酷い人だなんて思いませんでしたわ。さあ、マリン様、意地悪なマーガレット様は放っておいて、私たちと一緒にいましょう」

「そうですわ。それにしても、嫉妬に狂った女程、見苦しいものはありませんわよね。そもそもマリン様は悪い事なんてしていないのに」

これって…
まさか私が悪者になっていると言う事なの?

訳が分からず、ジェファーソン様の方を見る。すると

「皆、マーガレットはちょっと嫉妬深いけれど、それだけ僕の事を愛してくれていると言う事なんだよ。それに僕も、いくらマーガレットのためとはいえ、色々と親友でもあるマリン嬢に相談していたこともよくなかったのだろう。マーガレット、もうマリン譲とは金輪際話をしないから、どうか機嫌を直してくれ」

ジェファーソン様まで、私が嫉妬深い女として通すつもりなのね。自分がした事を棚に上げて、皆して私を悪者にするだなんて…

悔しくて悲しくて、唇をギュッと噛む。

「ジェファーソンは優しいな。俺ならこんな我が儘な女、お断りだけれどな」

「本当ですわ。ちょっと他の令嬢と話をしただけで怒り狂うだなんて、貴族令嬢として有るまじき行為ですわ」

私が貴族令嬢として有るまじき行為ですって。それじゃあ、婚約者以外の異性と口づけをしたり、裸で抱き合っている事は、貴族としていい事なの?そう叫びたいが、きっと私が何を言っても聞き入れてくれないだろう…

両親ですら、私の言う事を信じてくれなかったのだから。既に悪者になっている私が、何を言っても無駄だわ…

そう思ったら、何も言う気になれず、そのまま自分の席に着いた。今にも涙が溢れそうになるのを、必死に堪える。どうして私が、こんな目に合わないといけないのだろう。

そしてお昼休み、いつもはマリンと一緒に食べているが、今日は…

「マリン様、今日は私たちと一緒に食べましょう。あんな意地悪な令嬢と一緒にいる事はありませんわ」

「でも…マーガレットは私の大切な親友なのです。だからどうかマーガレットも…」

「マリン様は優しいのですね。マーガレット様、お優しいマリン様が、あなたも一緒にとおっしゃって下さっていますわ。どうしますか?マリン様に謝るのでしたら、一緒に食事を食べて差し上げてもよろしくてよ」

ふとマリンの方を見ると、ニヤニヤした顔でこっちを見ていた。

「申し訳ございませんが、私は何も間違った事をしておりません。マリンとはもう、友達としてやっていく自信がありませんので。それでは失礼いたします」

自分の気持ちに嘘をついて、皆と一緒にいたくない。それなら1人でいた方がマシだ。そんな思いで、そう伝えた。

「まあ、酷い。マリン様がせっかく許してあげるとおっしゃっているのに。マリン様、あんな女、放っておきましょう」

「本当に嫌な令嬢だ事」

そう言って私の前を去っていく令嬢たち。去り際にマリンが、再び私の方を見てニヤリと笑ったのを、私は見逃さなかった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】田舎暮らしを都会でしているの?と思ったらここはどうやら異世界みたいです。

まりぃべる
恋愛
私、春日凛。 24歳、しがない中小企業の会社員。 …だったはずなんだけど、いつの間にかアスファルトではなくて石畳の街並みに迷い込んでいたみたい。 病院じゃないの? ここどこ?どうして?やっぱり私死んじゃったの!? パン屋のおじさんとおばさんに拾ってもらって、異世界で生きていきます! …そして、どうにかこうにかあって幸せになっちゃうお話です。 ☆28話で完結です。もう出来てますので、随時更新していきます。 ☆この国での世界観です。よろしくお願いします。

地味令嬢は冤罪で処刑されて逆行転生したので、華麗な悪女を目指します!~目隠れ美形の天才王子に溺愛されまして~

胡蝶乃夢
恋愛
婚約者である王太子の望む通り『理想の淑女』として尽くしてきたにも関わらず、婚約破棄された挙句に冤罪で処刑されてしまった公爵令嬢ガーネット。 時間が遡り目覚めたガーネットは、二度と自分を犠牲にして尽くしたりしないと怒り、今度は自分勝手に生きる『華麗な悪女』になると決意する。 王太子の弟であるルベリウス王子にガーネットは留学をやめて傍にいて欲しいと願う。 処刑された時、留学中でいなかった彼がガーネットの傍にいることで運命は大きく変わっていく。 これは、不憫な地味令嬢が華麗な悪女へと変貌して周囲を魅了し、幼馴染の天才王子にも溺愛され、ざまぁして幸せになる物語です。

我慢するだけの日々はもう終わりにします

風見ゆうみ
恋愛
「レンウィル公爵も素敵だけれど、あなたの婚約者も素敵ね」伯爵の爵位を持つ父の後妻の連れ子であるロザンヌは、私、アリカ・ルージーの婚約者シーロンをうっとりとした目で見つめて言った――。 学園でのパーティーに出席した際、シーロンからパーティー会場の入口で「今日はロザンヌと出席するから、君は1人で中に入ってほしい」と言われた挙げ句、ロザンヌからは「あなたにはお似合いの相手を用意しておいた」と言われ、複数人の男子生徒にどこかへ連れ去られそうになってしまう。 そんな私を助けてくれたのは、ロザンヌが想いを寄せている相手、若き公爵ギルバート・レンウィルだった。 ※本編完結しましたが、番外編を更新中です。 ※史実とは関係なく、設定もゆるい、ご都合主義です。 ※独特の世界観です。 ※中世〜近世ヨーロッパ風で貴族制度はありますが、法律、武器、食べ物など、その他諸々は現代風です。話を進めるにあたり、都合の良い世界観となっています。 ※誤字脱字など見直して気を付けているつもりですが、やはりございます。申し訳ございません。

【完結】愛してるなんて言うから

空原海
恋愛
「メアリー、俺はこの婚約を破棄したい」  婚約が決まって、三年が経とうかという頃に切り出された婚約破棄。  婚約の理由は、アラン様のお父様とわたしのお母様が、昔恋人同士だったから。 ――なんだそれ。ふざけてんのか。  わたし達は婚約解消を前提とした婚約を、互いに了承し合った。 第1部が恋物語。 第2部は裏事情の暴露大会。親世代の愛憎確執バトル、スタートッ! ※ 一話のみ挿絵があります。サブタイトルに(※挿絵あり)と表記しております。  苦手な方、ごめんなさい。挿絵の箇所は、するーっと流してくださると幸いです。

氷の騎士様は実は太陽の騎士様です。

りつ
恋愛
 イリスの婚約者は幼馴染のラファエルである。彼と結婚するまで遠い修道院の寄宿学校で過ごしていたが、十八歳になり、王都へ戻って来た彼女は彼と結婚できる事実に胸をときめかせていた。しかし両親はラファエル以外の男性にも目を向けるよう言い出し、イリスは戸惑ってしまう。  王女殿下や王太子殿下とも知り合い、ラファエルが「氷の騎士」と呼ばれていることを知ったイリス。離れている間の知らなかったラファエルのことを令嬢たちの口から聞かされるが、イリスは次第に違和感を抱き始めて…… ※他サイトにも掲載しています ※表紙は「かんたん表紙メーカー」様で作成しました

【完結】気味が悪いと見放された令嬢ですので ~殿下、無理に愛さなくていいのでお構いなく~

Rohdea
恋愛
───私に嘘は通じない。 だから私は知っている。あなたは私のことなんて本当は愛していないのだと── 公爵家の令嬢という身分と魔力の強さによって、 幼い頃に自国の王子、イライアスの婚約者に選ばれていた公爵令嬢リリーベル。 二人は幼馴染としても仲良く過ごしていた。 しかし、リリーベル十歳の誕生日。 嘘を見抜ける力 “真実の瞳”という能力に目覚めたことで、 リリーベルを取り巻く環境は一変する。 リリーベルの目覚めた真実の瞳の能力は、巷で言われている能力と違っていて少々特殊だった。 そのことから更に気味が悪いと親に見放されたリリーベル。 唯一、味方となってくれたのは八歳年上の兄、トラヴィスだけだった。 そして、婚約者のイライアスとも段々と距離が出来てしまう…… そんな“真実の瞳”で視てしまった彼の心の中は─── ※『可愛い妹に全てを奪われましたので ~あなた達への未練は捨てたのでお構いなく~』 こちらの作品のヒーローの妹が主人公となる話です。 めちゃくちゃチートを発揮しています……

婚約破棄された竜好き令嬢は黒竜様に溺愛される。残念ですが、守護竜を捨てたこの国は滅亡するようですよ

水無瀬
ファンタジー
竜が好きで、三度のご飯より竜研究に没頭していた侯爵令嬢の私は、婚約者の王太子から婚約破棄を突きつけられる。 それだけでなく、この国をずっと守護してきた黒竜様を捨てると言うの。 黒竜様のことをずっと研究してきた私も、見せしめとして処刑されてしまうらしいです。 叶うなら、死ぬ前に一度でいいから黒竜様に会ってみたかったな。 ですが、私は知らなかった。 黒竜様はずっと私のそばで、私を見守ってくれていたのだ。 残念ですが、守護竜を捨てたこの国は滅亡するようですよ?

【完結】前代未聞の婚約破棄~なぜあなたが言うの?~【長編】

暖夢 由
恋愛
「サリー・ナシェルカ伯爵令嬢、あなたの婚約は破棄いたします!」 高らかに宣言された婚約破棄の言葉。 ドルマン侯爵主催のガーデンパーティーの庭にその声は響き渡った。 でもその婚約破棄、どうしてあなたが言うのですか? ********* 以前投稿した小説を長編版にリメイクして投稿しております。 内容も少し変わっておりますので、お楽し頂ければ嬉しいです。

処理中です...