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第45話:どういう事でしょうか
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サラ様とお話をして1ヶ月半が過ぎた。あの日以降、私はジェファーソン様と徹底的に距離を取っている。時折寂しそうにこちらを見ているジェファーソン様を見ると胸が痛いが、ここで彼の話を聞いたりしたら、ジェファーソン様に変な期待をさせてしまうかもしれない。
私の優柔不断な行いは、決して誰も幸せにすることはない。そう自分に言い聞かせている。それにジェファーソン様と関わるのも後少し。卒院まで後3日に迫っているのだ。卒院してしまえば、もうジェファーソン様と顔を合わす機会もうんと減る。それに私は、ローイン様と婚約を結ぶ予定でいるのだ。
ローイン様に気持ちを伝えるため、彼の瞳をイメージしたブルーとエメラルドグリーンを基調にした、ネクタイピンを自らデザインしたのだ。我が国では女性から男性にネクタイピンを贈るのは“あなたを愛しています”という意味があるのだ。
正直恥ずかしい。でも、ローイン様はこの半年、ずっと私の傍にいて支えてくれた大切な人。いつも私の気持ちを優先し、自分の事は後回し。そんな彼を、今度は私が支えて行きたいと思っているのだ。
そして今日は、そのネクタイピンが我が家に届く日。その為朝からウキウキなのだ。
「マーガレット様、なんだか嬉しそうですわね。何かいい事でもありましたの?」
学院内で一緒にお茶を楽しんでいたサラ様が話しかけて下さった。彼女とはあの日以来、すっかり仲良しになったのだ。最初はやはり恐縮していたが、彼女の気さくな人柄からか、いつの間にか打ち解けて、今ではよく2人で一緒にいる。
ただ、サラ様はどうやら忙しいローイン様の代わりに、私を守って下さっているという任務を担っている様だ。
最近ローイン様はお忙しく、あまり一緒にいる事が出来ない。もしかして、私の事を…
いいえ、彼に限ってそんな事はないだろう。私はローイン様を信じると決めたのだ。
「実は今日、ローイン様に贈る予定でいるネクタイピンが、我が家に届く予定になっておりますの。出来栄えを見るのが楽しみで」
「そうだったのですね。ネクタイピンを贈るだなんて、マーガレット様はよほどローイン様の事をお慕いしているのですね。きっとローイン様も、大喜びする事ですわ。それではそろそろ帰りましょうか。馬車まで送りますわ」
「サラ様に送って頂くだなんて。私は大丈夫ですわ。それに最近、パタリとジェファーソン様から話し掛けられることもなくなりましたし。きっと諦めたのでしょう」
「油断は禁物ですわ。さあ、参りましょう」
結局サラ様に馬車まで送ってもらった。公爵令嬢でノエル殿下の婚約者に送って頂くだなんて、本当に申し訳ない。
「サラ様、ありがとうございます。それではまた明日学院で」
「マーガレット様、お気をつけて帰ってくださいませ。ごきげんよう」
サラ様に見送られながら馬車に乗り込んだ。本当にサラ様はいい人ね。それよりも早く、家に帰らないと。私のデザインしたネクタイピン、どんな風に仕上がっているかしら?
考えただけで胸が高鳴るわ。早く家につかないかしら?
あら?この大きな箱はなにかしら?
見覚えのない大きな箱が、なぜか馬車に乗っているのだ。どうして馬車にこんな箱が乗っているの?全く気が付かなかったわ。
もしかして、ローイン様が私にサプライズプレゼントを贈ってくれたとか?彼ならやりそうね。せっかくなので、中身を見てみよう。そう思って蓋を開けた。
「きゃぁぁぁ」
「そんなに驚かなくてもいいだろう。びっくりしたかい、マーガレット。もう少しバレない方がよかったのだけれど、バレてしまったら仕方がないね」
何と箱から出てきたのは、ジェファーソン様だ。一体どうなっているの?どうしてジェファーソン様が我が家の馬車に乗っているの?
全く意味が分からない。
「どうしてあなた様が、我が家の馬車に乗っているのですか?」
「こうでもしないと、マーガレットと2人きりで話が出来ないだろう?」
「こんな事をして許されると思っているのですか?それにもう我が家…あら?ここは一体どこなの?どこに向かって走っているの?」
窓の外を見ると、見慣れた王都の街並みではなく、見た事のない道を走っていた。
「残念だったね。今馬車を操っているのは、僕が雇った人間だ。今から僕たちは、隣国、ヴァレッスル民主共和国に向かうんだ。あそこはとても自由な国だからね。貴族も王族もいない、皆が平等に暮らしている国だよ。僕はもう、貴族のくだらないしがらみは御免だからね」
この人は、何を言っているの?ヴァレッスル民主共和国ですって?
「私はそんな国にはいきませんわ!学院を卒院したら、ローイン様と婚約をする事が決まっております。今ならまだ間に合いますわ。今回の事は、絶対に誰にも言いません。ですので、どうか家に帰してください」
必死にジェファーソン様に訴えるが…
「それは無理だね。僕はもう、この国を出る事に決めたんだよ。ちょっと別の令嬢を抱いただけで、こんなにも大事にするような国は御免だ。幸い馬車を飛ばせば明日の朝には隣国に入れる。悪いが隣国までは、このまま馬車を進めさせてもらうよ」
にっこりと笑ったジェファーソン様。でも、目が笑っていない。今までに見たことがない様な不敵な表情を浮かべているジェファーソン様に恐怖すら感じる。
どうしよう、このままだと本当に、隣国に連れて行かれてしまうわ…
※次回、ローイン視点です。
よろしくお願いいたします。
私の優柔不断な行いは、決して誰も幸せにすることはない。そう自分に言い聞かせている。それにジェファーソン様と関わるのも後少し。卒院まで後3日に迫っているのだ。卒院してしまえば、もうジェファーソン様と顔を合わす機会もうんと減る。それに私は、ローイン様と婚約を結ぶ予定でいるのだ。
ローイン様に気持ちを伝えるため、彼の瞳をイメージしたブルーとエメラルドグリーンを基調にした、ネクタイピンを自らデザインしたのだ。我が国では女性から男性にネクタイピンを贈るのは“あなたを愛しています”という意味があるのだ。
正直恥ずかしい。でも、ローイン様はこの半年、ずっと私の傍にいて支えてくれた大切な人。いつも私の気持ちを優先し、自分の事は後回し。そんな彼を、今度は私が支えて行きたいと思っているのだ。
そして今日は、そのネクタイピンが我が家に届く日。その為朝からウキウキなのだ。
「マーガレット様、なんだか嬉しそうですわね。何かいい事でもありましたの?」
学院内で一緒にお茶を楽しんでいたサラ様が話しかけて下さった。彼女とはあの日以来、すっかり仲良しになったのだ。最初はやはり恐縮していたが、彼女の気さくな人柄からか、いつの間にか打ち解けて、今ではよく2人で一緒にいる。
ただ、サラ様はどうやら忙しいローイン様の代わりに、私を守って下さっているという任務を担っている様だ。
最近ローイン様はお忙しく、あまり一緒にいる事が出来ない。もしかして、私の事を…
いいえ、彼に限ってそんな事はないだろう。私はローイン様を信じると決めたのだ。
「実は今日、ローイン様に贈る予定でいるネクタイピンが、我が家に届く予定になっておりますの。出来栄えを見るのが楽しみで」
「そうだったのですね。ネクタイピンを贈るだなんて、マーガレット様はよほどローイン様の事をお慕いしているのですね。きっとローイン様も、大喜びする事ですわ。それではそろそろ帰りましょうか。馬車まで送りますわ」
「サラ様に送って頂くだなんて。私は大丈夫ですわ。それに最近、パタリとジェファーソン様から話し掛けられることもなくなりましたし。きっと諦めたのでしょう」
「油断は禁物ですわ。さあ、参りましょう」
結局サラ様に馬車まで送ってもらった。公爵令嬢でノエル殿下の婚約者に送って頂くだなんて、本当に申し訳ない。
「サラ様、ありがとうございます。それではまた明日学院で」
「マーガレット様、お気をつけて帰ってくださいませ。ごきげんよう」
サラ様に見送られながら馬車に乗り込んだ。本当にサラ様はいい人ね。それよりも早く、家に帰らないと。私のデザインしたネクタイピン、どんな風に仕上がっているかしら?
考えただけで胸が高鳴るわ。早く家につかないかしら?
あら?この大きな箱はなにかしら?
見覚えのない大きな箱が、なぜか馬車に乗っているのだ。どうして馬車にこんな箱が乗っているの?全く気が付かなかったわ。
もしかして、ローイン様が私にサプライズプレゼントを贈ってくれたとか?彼ならやりそうね。せっかくなので、中身を見てみよう。そう思って蓋を開けた。
「きゃぁぁぁ」
「そんなに驚かなくてもいいだろう。びっくりしたかい、マーガレット。もう少しバレない方がよかったのだけれど、バレてしまったら仕方がないね」
何と箱から出てきたのは、ジェファーソン様だ。一体どうなっているの?どうしてジェファーソン様が我が家の馬車に乗っているの?
全く意味が分からない。
「どうしてあなた様が、我が家の馬車に乗っているのですか?」
「こうでもしないと、マーガレットと2人きりで話が出来ないだろう?」
「こんな事をして許されると思っているのですか?それにもう我が家…あら?ここは一体どこなの?どこに向かって走っているの?」
窓の外を見ると、見慣れた王都の街並みではなく、見た事のない道を走っていた。
「残念だったね。今馬車を操っているのは、僕が雇った人間だ。今から僕たちは、隣国、ヴァレッスル民主共和国に向かうんだ。あそこはとても自由な国だからね。貴族も王族もいない、皆が平等に暮らしている国だよ。僕はもう、貴族のくだらないしがらみは御免だからね」
この人は、何を言っているの?ヴァレッスル民主共和国ですって?
「私はそんな国にはいきませんわ!学院を卒院したら、ローイン様と婚約をする事が決まっております。今ならまだ間に合いますわ。今回の事は、絶対に誰にも言いません。ですので、どうか家に帰してください」
必死にジェファーソン様に訴えるが…
「それは無理だね。僕はもう、この国を出る事に決めたんだよ。ちょっと別の令嬢を抱いただけで、こんなにも大事にするような国は御免だ。幸い馬車を飛ばせば明日の朝には隣国に入れる。悪いが隣国までは、このまま馬車を進めさせてもらうよ」
にっこりと笑ったジェファーソン様。でも、目が笑っていない。今までに見たことがない様な不敵な表情を浮かべているジェファーソン様に恐怖すら感じる。
どうしよう、このままだと本当に、隣国に連れて行かれてしまうわ…
※次回、ローイン視点です。
よろしくお願いいたします。
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