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番外編
旅編3:オスカー様はとても強かったです
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オスカー様と旅に出てから、10日が経った。どんどん北に向かっている様で、段々と寒さも厳しさを増していく。
「オスカー様、雪が降って来ましたわ!これが雪なのね。とても奇麗ですわ」
船のデッキで初めて見た雪に大興奮だ。何を隠そう、私は今まで一度も雪を見た事が無かった。まあ、我が国では雪が降らないから、ほとんどの国民は見た事が無いのだが…
北の方に行くと聞いて、もしかして雪が見られるかも!そう期待していたのだ。
「本当だね。それにしても、白い氷の結晶の様なものが空から降って来るなんて、本当に不思議だ。でも、触るとすぐに消えてしまうんだね」
確かにオスカー様の言う通り、触るとすぐに消えてしまう。
「アメリア、さすがに冷えて来たから、船の中に入ろう。これから雪はいつでも見られるからね」
確かにかなり寒くなって来た。手も顔も凍り付きそうだ。オスカー様に連れられ、温かい部屋へと戻って来た。すぐにメイドがホットミルクを準備してくれた。
ホットミルクが、冷え切った体を温めてくれる。ホットミルクなんてほとんど飲んだことが無かったけれど、冷えた体には最高に美味しい。
「アメリア、3日後の朝には次の国に着くはずだ。きっと雪も積もっているはずだから、楽しみにしておくといい。それからきっと物凄く寒いから、出来るだけ温かい格好をするんだよ」
「ええ、分かったわ。ありがとう、オスカー様」
次は3日後か。楽しみね!
次の国に着くまでの間は、オスカー様と一緒に娯楽施設で遊んだり、デッキに積もった雪で雪ダルマというものを作って遊んだりした。
「オスカー様、大きな氷の塊がありますわ!あんな大きな氷が海に浮かんでいるなんて、船は大丈夫なのですか?」
初めて雪を見てから2日後、今度は大きな氷が目に付いた。
「あれは氷山だよ。アメリア、船は大丈夫だよ。氷山にぶつからない様、しっかり見張りも居るからね」
なるほど、でもこんな大きな氷が海を漂流しているなんて、本当に信じられないわ。それにしても、今回の旅でも見た事や想像した事すらないものを沢山見れている。本当に世界は凄いわ!
翌日
「お嬢様、外は物凄く寒いです。手袋とマフラー、それから帽子も被って下さいね」
そう言って次々に準備していくメイドたち。そう、やっと次の国に着いたのだ。完全防備の中、ついに船から降りる。しっかり温かい格好をしているおかげか、顔以外はそこまで寒さを感じない。それにしても、街全体が雪に覆われている。まるで別世界ね。
「オスカー様、雪とは街の姿までも変えてしまうのですね」
「本当だね、雪に覆われていると、物凄く神秘的だ。早速街を歩いてみよう」
オスカー様と一緒に、街を見て回る。さすが寒い国だけあって、毛皮など暖かそうな服がたくさん売られている。
あの毛皮、素敵ね。でも国に帰っても使えないから買っても勿体ないか…
その時だった。
10歳くらいの少年が、男たちに囲まれているのが見えた。どうやら言いがかりをつけられている様だ。
と、次の瞬間、少年が殴られたのだ。ちょっと、大の大人が寄ってたかって少年をイジメるなんて!そう思った時だった。
「アメリア、ちょっとここで待っていてね」
そう言うと、オスカー様が少年の方に向かって歩き始めた。
「大の大人が少年1人相手に、何をやっているのだい?」
「なんだ貴様!このガキがみかじめ料を支払わず、物を売り始めたから大人のルールを教えてやっているんだよ!」
「めちゃくちゃ言うな!そんなルールは聞いた事がない!そもそも、ここは自由に商売をしていい場所になっているんだ」
少年が必死に男たちに叫んでいる。
「要するに、元々自由に商売が出来る場所だったにもかかわらず、君たちが言いがかりをつけて、子供からお金を巻き上げようとしているという事でいいのかな?」
オスカー様が分かりやすく解説してくれた。ふと周りを見ると、住民たちと思われる人々が心配そうにこちらを見ている。
「はぁ?何だ貴様!好き勝手な事を言いやがって。そう言えば、お前いい女を連れているな。なんだ、女の前でカッコつけているつもりか!お前もボコボコにしてやるぜ」
そう言って殴り掛かって来た男を、いとも簡単にかわし、男を投げ飛ばしたオスカー様。さらに襲い掛かって来た男たちも、腰に付けていた護身用の棒で次々と倒していく。そう言えば、オスカー様はああ見えて物凄く強いのよね。
あっという間に男たちをやっつけたオスカー様。オスカー様の戦う姿、なんて格好良いのかしら!つい見とれてしまった。
次の瞬間、周りから大きな拍手が沸き起こった。さらにこの国の護衛官と思われる男性が数名現れ、次々と男たちを縛り上げていく。
「ご協力ありがとうございました。実はこいつら、最近ここら辺で言いがかりをつけては金を巻き上げる悪質な奴らでして!それでは、こいつらは連れて行きますので」
そう言って男たちを連行していく護衛官たち。呆れた!オスカー様がやっつけた犯罪者たちを、あたかも自分の手柄の様に引き連れていくなんて。そもそも、今まであの人たちは何をしていたのかしら?
「アメリア、暴力的なところを見せてしまって、すまなかったね。大丈夫だったかい?」
「ええ、私は大丈夫ですわ。それよりもオスカー様、物凄く格好良かったです。惚れ直しましたわ」
私の側にやって来たオスカー様の腕に絡みついた。すると周りから
「兄ちゃん華奢な体しているのに、強いんだな。どこかの騎士様かい?」
「本当にあいつらには困っていたんだよ!護衛官もあまり当てにならないし、本当にありがとう」
「これで安心して商売が出来るよ。そうだ、これささやかなお礼だ!良かったら使ってくれ」
「これも、良かったら食べて」
「これも、どうぞ」
次々と街の人から色々な物を渡されるオスカー様。もう完全なスターだ。少し恥ずかしそうに皆から色々受け取っている。やっぱりオスカー様は本当に頼りになるわ。
「オスカー様、雪が降って来ましたわ!これが雪なのね。とても奇麗ですわ」
船のデッキで初めて見た雪に大興奮だ。何を隠そう、私は今まで一度も雪を見た事が無かった。まあ、我が国では雪が降らないから、ほとんどの国民は見た事が無いのだが…
北の方に行くと聞いて、もしかして雪が見られるかも!そう期待していたのだ。
「本当だね。それにしても、白い氷の結晶の様なものが空から降って来るなんて、本当に不思議だ。でも、触るとすぐに消えてしまうんだね」
確かにオスカー様の言う通り、触るとすぐに消えてしまう。
「アメリア、さすがに冷えて来たから、船の中に入ろう。これから雪はいつでも見られるからね」
確かにかなり寒くなって来た。手も顔も凍り付きそうだ。オスカー様に連れられ、温かい部屋へと戻って来た。すぐにメイドがホットミルクを準備してくれた。
ホットミルクが、冷え切った体を温めてくれる。ホットミルクなんてほとんど飲んだことが無かったけれど、冷えた体には最高に美味しい。
「アメリア、3日後の朝には次の国に着くはずだ。きっと雪も積もっているはずだから、楽しみにしておくといい。それからきっと物凄く寒いから、出来るだけ温かい格好をするんだよ」
「ええ、分かったわ。ありがとう、オスカー様」
次は3日後か。楽しみね!
次の国に着くまでの間は、オスカー様と一緒に娯楽施設で遊んだり、デッキに積もった雪で雪ダルマというものを作って遊んだりした。
「オスカー様、大きな氷の塊がありますわ!あんな大きな氷が海に浮かんでいるなんて、船は大丈夫なのですか?」
初めて雪を見てから2日後、今度は大きな氷が目に付いた。
「あれは氷山だよ。アメリア、船は大丈夫だよ。氷山にぶつからない様、しっかり見張りも居るからね」
なるほど、でもこんな大きな氷が海を漂流しているなんて、本当に信じられないわ。それにしても、今回の旅でも見た事や想像した事すらないものを沢山見れている。本当に世界は凄いわ!
翌日
「お嬢様、外は物凄く寒いです。手袋とマフラー、それから帽子も被って下さいね」
そう言って次々に準備していくメイドたち。そう、やっと次の国に着いたのだ。完全防備の中、ついに船から降りる。しっかり温かい格好をしているおかげか、顔以外はそこまで寒さを感じない。それにしても、街全体が雪に覆われている。まるで別世界ね。
「オスカー様、雪とは街の姿までも変えてしまうのですね」
「本当だね、雪に覆われていると、物凄く神秘的だ。早速街を歩いてみよう」
オスカー様と一緒に、街を見て回る。さすが寒い国だけあって、毛皮など暖かそうな服がたくさん売られている。
あの毛皮、素敵ね。でも国に帰っても使えないから買っても勿体ないか…
その時だった。
10歳くらいの少年が、男たちに囲まれているのが見えた。どうやら言いがかりをつけられている様だ。
と、次の瞬間、少年が殴られたのだ。ちょっと、大の大人が寄ってたかって少年をイジメるなんて!そう思った時だった。
「アメリア、ちょっとここで待っていてね」
そう言うと、オスカー様が少年の方に向かって歩き始めた。
「大の大人が少年1人相手に、何をやっているのだい?」
「なんだ貴様!このガキがみかじめ料を支払わず、物を売り始めたから大人のルールを教えてやっているんだよ!」
「めちゃくちゃ言うな!そんなルールは聞いた事がない!そもそも、ここは自由に商売をしていい場所になっているんだ」
少年が必死に男たちに叫んでいる。
「要するに、元々自由に商売が出来る場所だったにもかかわらず、君たちが言いがかりをつけて、子供からお金を巻き上げようとしているという事でいいのかな?」
オスカー様が分かりやすく解説してくれた。ふと周りを見ると、住民たちと思われる人々が心配そうにこちらを見ている。
「はぁ?何だ貴様!好き勝手な事を言いやがって。そう言えば、お前いい女を連れているな。なんだ、女の前でカッコつけているつもりか!お前もボコボコにしてやるぜ」
そう言って殴り掛かって来た男を、いとも簡単にかわし、男を投げ飛ばしたオスカー様。さらに襲い掛かって来た男たちも、腰に付けていた護身用の棒で次々と倒していく。そう言えば、オスカー様はああ見えて物凄く強いのよね。
あっという間に男たちをやっつけたオスカー様。オスカー様の戦う姿、なんて格好良いのかしら!つい見とれてしまった。
次の瞬間、周りから大きな拍手が沸き起こった。さらにこの国の護衛官と思われる男性が数名現れ、次々と男たちを縛り上げていく。
「ご協力ありがとうございました。実はこいつら、最近ここら辺で言いがかりをつけては金を巻き上げる悪質な奴らでして!それでは、こいつらは連れて行きますので」
そう言って男たちを連行していく護衛官たち。呆れた!オスカー様がやっつけた犯罪者たちを、あたかも自分の手柄の様に引き連れていくなんて。そもそも、今まであの人たちは何をしていたのかしら?
「アメリア、暴力的なところを見せてしまって、すまなかったね。大丈夫だったかい?」
「ええ、私は大丈夫ですわ。それよりもオスカー様、物凄く格好良かったです。惚れ直しましたわ」
私の側にやって来たオスカー様の腕に絡みついた。すると周りから
「兄ちゃん華奢な体しているのに、強いんだな。どこかの騎士様かい?」
「本当にあいつらには困っていたんだよ!護衛官もあまり当てにならないし、本当にありがとう」
「これで安心して商売が出来るよ。そうだ、これささやかなお礼だ!良かったら使ってくれ」
「これも、良かったら食べて」
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