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第1章
第16話:誕生日パーティー開始です
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しばらく待っていると、ガチャリと鍵が開く音が聞こえた。とりあえずリンダさんを客間に残し、1人で玄関へと向かう。
「おかえりなさい、グレイ様」
「ただいま、スカーレット。あぁ、今日も腹が減った。すぐに着替えてくるから待っていてくれ」
そう言うと、自室へと戻ったグレイ様。その隙に、騎士団員たちが玄関からこっそり客間へと移動する。とにかく時間との勝負だ。すべての団員が客間に入った事を確認したところで、ちょうどグレイ様がやって来た。
「なんだ、まだ玄関にいたのか。さあ、食事にしよう」
「その前に、ちょっと客間に来ていただいて宜しいですか?見ていただきたいものがありまして…」
「客間にか?わかった」
うまく客間に誘い出すことに成功した。よし、後は騎士団員たちがうまくやってくれるはず!
グレイ様がゆっくり客間の扉を開けると
「「「「騎士団長、23歳の誕生日おめでとうございます」」」」」
一斉に騎士団員たちが叫んだ。
「なんだお前たち。これはまさか…」
「団長の為に俺たちとスカーレットちゃんが準備したんですよ。それにしても団長、俺たちとスカーレットちゃんが作戦を練っているとすぐにこっちに来るから、中々話が進まなくて大変だったんですよ。本当に嫉妬深い男は嫌ですね~」
「おい、誰が嫉妬深い男だ!もしかして最近スカーレットが楽しそうにお前たちと話をしていたのは、俺の誕生日パーティーをするためだったのか?」
「はい、私も先週団員の皆様に話を伺って、それでこの家でパーティーをする事になったのです。改めてグレイ様、23歳のお誕生日、おめでとうございます」
「ありがとう、スカーレット。正直今日が俺の誕生日だなんて、すっかり忘れていた。でも、こうやってスカーレットに祝ってもらえるなら、誕生日も悪くないな」
「ひっでぇなぁ~団長、俺たちもいるのに!まあ、仕方ないか。立ち話も何だから、早速料理を食べようぜ。酒もたくさん買って来たし」
「さあ、グレイ様」
早速料理を取り分け、グレイ様に手渡した。
「この料理、初めて見たな。これは?」
「そのお料理は、コメットさんの奥さんのリンダさんが作ってくださいましたの。お2人の地元では有名だそうですよ」
「おぉ、懐かしい。魚をパイで包んだやつだ。これ、メチャクチャ旨いんだぞ。皆、食ってみろ。それから、こいつが俺の妻のリンダだ」
コメットさんがリンダさんを紹介している。早速私も魚をパイで包んだお料理を頂いた。これは美味しいわ。魚にしっかりした味が付いていて、その味とパイがよく合う。
他にもリンダさんのお料理を食べようと思ったのだが、物凄い勢いで料理が減っている。これはまずい。このままでは料理が足りなくなる。急いでリンダさんと2人でキッチンに戻り、再度料理を作る。
「それにしても、あの人たち凄い食欲ですね。とにかく、作りやすい料理を片っ端から作っていきましょう」
2人で必死に料理を作っていく。途中食料を買い足しに行き、再び調理スタートだ。そんな私たちの様子を見に来たのは、グレイ様だ。
「スカーレット、リンダ殿。料理ばかり作ってもらってすまない。あいつらの食欲も落ち着いてきたから、そろそろ休憩してくれ。既に出来上がっている奴も何人もいるから、客間には戻らない方がいいかもしれない」
そう伝えに来てくれたのだ。
「グレイ様、ありがとうございます。でも今日はグレイ様のお誕生日パーティーですので、私たちも客間に向かいますわ。ねえ、リンダさん」
「ええ、もちろんですわ」
「そうか…わかった。それじゃあ、一緒に戻ろう」
3人で再び客間へと戻る。すると、早速酔っぱらった騎士団員たちが絡んできた。
「おぉ、やっと女性陣が戻って来たな。さあ、一緒に飲もう」
私の肩に手を回そうとした騎士団員を、すかさず振りほどいたのはグレイ様だ。
「おい、スカーレットに気安く触るな。スカーレット、とにかくこいつらには近づかない方がいい。俺の隣に座ってくれ」
そう言うと、私の腕を引っ張り隣に座らせた。きっと気を使ってくれているのだろう。
「うわぁ~、団長、完全にスカーレットちゃんの番犬じゃないですか。これじゃあ、スカーレットちゃんに近づけねぇや」
そう言って大笑いしている騎士団員たち。グレイ様を番犬呼ばわりするとは、さすがだ。そして近づけないと言いつつも、がっつり絡んでくる騎士団員たちに、怒り狂うグレイ様。
なんだか誰の誕生日パーティーかわからなくなってしまった。結局その後3時間、飲み食いした後、団員たちは嬉しそうに帰っていった。
有難い事に、リンダさんが後片付けを手伝ってくれるとの事なので、2人で洗い物をしていく。客間はグレイ様とコメットさん、さらに残った団員が片付けてくれている。
「スカーレットさん、やっぱり騎士団長様はあなたの事を相当気に入っていると思いますわ。だって、少しでも騎士団員が近づくと、鬼の様な形相で追い払っていらしたし」
そう言ってクスクスと笑っているリンダさん。
「グレイ様は責任感が強い方なので、居候とはいえ保護している私を守ろうとしてくださっているだけですわ。さっきも言いましたが、妹の様な存在なのだと思います」
グレイ様も私の事を好きでいてくれたらどんなに嬉しいだろう。でも…それはきっと妄想でしかない。現にあれほど私の事を愛していると言っていたデビッドに、あっけなく捨てられたのだから…
「スカーレットさんはかなり鈍い人の様ですわね…まあ、自分の事になると、なぜか全く周りが見えていないと言う人もいるものね…」
何やらブツブツ言っているリンダさん。どうしたのかしら?
その後皆で片づけを終え、コメットさんやリンダさん、残りの騎士団員たちも帰っていった。帰り際、次はリンダさんのお宅でお茶を飲む約束を取り付けた。
「スカーレット、今日は俺の為にありがとう。疲れただろう。さあ、風呂に入って寝よう」
確かに今日は疲れた。でも、私にはまだやらなければいけないことがある。
「グレイ様、少しお待ちください」
急いで自室に戻り、引き出しから腕時計を取り出した。そう、グレイ様の為に買ったお誕生日プレゼントだ。急いでグレイ様の元に戻り
「グレイ様、お誕生日おめでとうございます。これ、大した物ではないのですが、どうか受け取ってください」
早速プレゼントを渡した。
「俺の為にわざわざ買ってきてくれたのかい?開けてもいいだろうか?」
「もちろんです」
早速包み紙を開けるグレイ様。
「腕時計だ。それも俺の瞳と同じ色…スカーレット、ありがとう。こんな素敵なプレゼントを貰ったのは、生まれて初めてだ!こんなに嬉しいプレゼントはない。それにしても、高かったのではないのか?」
「喜んでもらえてよかったですわ。お金は私のお給料で買いましたので、安心してください」
「俺の為に、スカーレットが一生懸命働いた金を使ってくれたのか…あぁ、本当に君は素晴らしい女性だ。この腕時計、俺の宝物にしよう。なくすと大変だから、金庫に保管しておかないとな!」
金庫だなんて、大げさね。でもこんなにも喜んでもらえるなんて、嬉しいわ。
「喜んでもらえて何よりです。でもせっかくなので、使ってください。私も使ってもらえると嬉しいので」
「そうか、分かった!では、毎日肌身離さず持っている事にしよう。スカーレット、本当にありがとう」
嬉しそうに笑ったグレイ様。
そんな笑顔を見て、心底腕時計をプレゼントしてよかったなと思ったスカーレットであった。
「おかえりなさい、グレイ様」
「ただいま、スカーレット。あぁ、今日も腹が減った。すぐに着替えてくるから待っていてくれ」
そう言うと、自室へと戻ったグレイ様。その隙に、騎士団員たちが玄関からこっそり客間へと移動する。とにかく時間との勝負だ。すべての団員が客間に入った事を確認したところで、ちょうどグレイ様がやって来た。
「なんだ、まだ玄関にいたのか。さあ、食事にしよう」
「その前に、ちょっと客間に来ていただいて宜しいですか?見ていただきたいものがありまして…」
「客間にか?わかった」
うまく客間に誘い出すことに成功した。よし、後は騎士団員たちがうまくやってくれるはず!
グレイ様がゆっくり客間の扉を開けると
「「「「騎士団長、23歳の誕生日おめでとうございます」」」」」
一斉に騎士団員たちが叫んだ。
「なんだお前たち。これはまさか…」
「団長の為に俺たちとスカーレットちゃんが準備したんですよ。それにしても団長、俺たちとスカーレットちゃんが作戦を練っているとすぐにこっちに来るから、中々話が進まなくて大変だったんですよ。本当に嫉妬深い男は嫌ですね~」
「おい、誰が嫉妬深い男だ!もしかして最近スカーレットが楽しそうにお前たちと話をしていたのは、俺の誕生日パーティーをするためだったのか?」
「はい、私も先週団員の皆様に話を伺って、それでこの家でパーティーをする事になったのです。改めてグレイ様、23歳のお誕生日、おめでとうございます」
「ありがとう、スカーレット。正直今日が俺の誕生日だなんて、すっかり忘れていた。でも、こうやってスカーレットに祝ってもらえるなら、誕生日も悪くないな」
「ひっでぇなぁ~団長、俺たちもいるのに!まあ、仕方ないか。立ち話も何だから、早速料理を食べようぜ。酒もたくさん買って来たし」
「さあ、グレイ様」
早速料理を取り分け、グレイ様に手渡した。
「この料理、初めて見たな。これは?」
「そのお料理は、コメットさんの奥さんのリンダさんが作ってくださいましたの。お2人の地元では有名だそうですよ」
「おぉ、懐かしい。魚をパイで包んだやつだ。これ、メチャクチャ旨いんだぞ。皆、食ってみろ。それから、こいつが俺の妻のリンダだ」
コメットさんがリンダさんを紹介している。早速私も魚をパイで包んだお料理を頂いた。これは美味しいわ。魚にしっかりした味が付いていて、その味とパイがよく合う。
他にもリンダさんのお料理を食べようと思ったのだが、物凄い勢いで料理が減っている。これはまずい。このままでは料理が足りなくなる。急いでリンダさんと2人でキッチンに戻り、再度料理を作る。
「それにしても、あの人たち凄い食欲ですね。とにかく、作りやすい料理を片っ端から作っていきましょう」
2人で必死に料理を作っていく。途中食料を買い足しに行き、再び調理スタートだ。そんな私たちの様子を見に来たのは、グレイ様だ。
「スカーレット、リンダ殿。料理ばかり作ってもらってすまない。あいつらの食欲も落ち着いてきたから、そろそろ休憩してくれ。既に出来上がっている奴も何人もいるから、客間には戻らない方がいいかもしれない」
そう伝えに来てくれたのだ。
「グレイ様、ありがとうございます。でも今日はグレイ様のお誕生日パーティーですので、私たちも客間に向かいますわ。ねえ、リンダさん」
「ええ、もちろんですわ」
「そうか…わかった。それじゃあ、一緒に戻ろう」
3人で再び客間へと戻る。すると、早速酔っぱらった騎士団員たちが絡んできた。
「おぉ、やっと女性陣が戻って来たな。さあ、一緒に飲もう」
私の肩に手を回そうとした騎士団員を、すかさず振りほどいたのはグレイ様だ。
「おい、スカーレットに気安く触るな。スカーレット、とにかくこいつらには近づかない方がいい。俺の隣に座ってくれ」
そう言うと、私の腕を引っ張り隣に座らせた。きっと気を使ってくれているのだろう。
「うわぁ~、団長、完全にスカーレットちゃんの番犬じゃないですか。これじゃあ、スカーレットちゃんに近づけねぇや」
そう言って大笑いしている騎士団員たち。グレイ様を番犬呼ばわりするとは、さすがだ。そして近づけないと言いつつも、がっつり絡んでくる騎士団員たちに、怒り狂うグレイ様。
なんだか誰の誕生日パーティーかわからなくなってしまった。結局その後3時間、飲み食いした後、団員たちは嬉しそうに帰っていった。
有難い事に、リンダさんが後片付けを手伝ってくれるとの事なので、2人で洗い物をしていく。客間はグレイ様とコメットさん、さらに残った団員が片付けてくれている。
「スカーレットさん、やっぱり騎士団長様はあなたの事を相当気に入っていると思いますわ。だって、少しでも騎士団員が近づくと、鬼の様な形相で追い払っていらしたし」
そう言ってクスクスと笑っているリンダさん。
「グレイ様は責任感が強い方なので、居候とはいえ保護している私を守ろうとしてくださっているだけですわ。さっきも言いましたが、妹の様な存在なのだと思います」
グレイ様も私の事を好きでいてくれたらどんなに嬉しいだろう。でも…それはきっと妄想でしかない。現にあれほど私の事を愛していると言っていたデビッドに、あっけなく捨てられたのだから…
「スカーレットさんはかなり鈍い人の様ですわね…まあ、自分の事になると、なぜか全く周りが見えていないと言う人もいるものね…」
何やらブツブツ言っているリンダさん。どうしたのかしら?
その後皆で片づけを終え、コメットさんやリンダさん、残りの騎士団員たちも帰っていった。帰り際、次はリンダさんのお宅でお茶を飲む約束を取り付けた。
「スカーレット、今日は俺の為にありがとう。疲れただろう。さあ、風呂に入って寝よう」
確かに今日は疲れた。でも、私にはまだやらなければいけないことがある。
「グレイ様、少しお待ちください」
急いで自室に戻り、引き出しから腕時計を取り出した。そう、グレイ様の為に買ったお誕生日プレゼントだ。急いでグレイ様の元に戻り
「グレイ様、お誕生日おめでとうございます。これ、大した物ではないのですが、どうか受け取ってください」
早速プレゼントを渡した。
「俺の為にわざわざ買ってきてくれたのかい?開けてもいいだろうか?」
「もちろんです」
早速包み紙を開けるグレイ様。
「腕時計だ。それも俺の瞳と同じ色…スカーレット、ありがとう。こんな素敵なプレゼントを貰ったのは、生まれて初めてだ!こんなに嬉しいプレゼントはない。それにしても、高かったのではないのか?」
「喜んでもらえてよかったですわ。お金は私のお給料で買いましたので、安心してください」
「俺の為に、スカーレットが一生懸命働いた金を使ってくれたのか…あぁ、本当に君は素晴らしい女性だ。この腕時計、俺の宝物にしよう。なくすと大変だから、金庫に保管しておかないとな!」
金庫だなんて、大げさね。でもこんなにも喜んでもらえるなんて、嬉しいわ。
「喜んでもらえて何よりです。でもせっかくなので、使ってください。私も使ってもらえると嬉しいので」
「そうか、分かった!では、毎日肌身離さず持っている事にしよう。スカーレット、本当にありがとう」
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