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第2章
第25話:スカーレットが捕われてしまった~グレイ視点~
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アジトを攻め始めて早2ヶ月、6つあったアジトも残すところ1つだけになった。何度も調査を重ね、入念に攻め入ったはずなのに、さすが相手は犯罪のプロ。アジトにいる人間たちは、とにかく強い。
明らかにこちらは数で上回っているのに、完全に押されてしまった。そのせいで、沢山の負傷者を出してしまった。とにかくこれ以上は負傷者を増やすわけには行かない。そんな思いから、作戦を練り直し、何とか5つのアジトを攻め入り、それぞれのボスたちを生け捕りにした。
もちろん、法の下に裁くためだ。残ったアジトも、あと少しで落ちるだろう。俺とスティーブンも自ら現場に入り、敵たちと戦う。首には2ヶ月前スカーレットから預かったネックレスが、腕にはプロポーズした時に付けたブレスレットが付いている。
正直スカーレットを思わない日は1日もなかった。それでも目の回るような忙しさと、必死に戦い続ける日々に追われ、日に日に連絡する頻度が減ってしまった。そんな中何とか時間を見つけてはスカーレットに連絡をする。
スカーレットの声を聞くだけで、力がみなぎるのだ。とにかく最後のアジトを落とせば、やっと街に帰れる。
「お前たち、とにかくこのアジトのボスを探せ!そいつさえ捕らえてしまえば、もう奴らはどうする事も出来ない!」
ほぼアジト内も俺たち騎士団員が制圧している。後はこのアジトのボスを探すだけだ。逃げられない様、アジト周辺にはフェリーチェ伯爵家の護衛騎士団が囲っている。絶対にどこかに隠れているはずだ。
「団長、アジトの中をくまなく探しましたが、ボスらしき人物は見つかりません」
「そんなはずはない!絶対にボスが隠れているはずだ!何が何でも探し出せ」
このアジトからは絶対に逃げられないはずだ。必ずどこかにいるはず。でもどこを探しても、ボスらしき人物は見つからない。
ドン!!
「どうしてこんなに探しているのに、見つからないんだ!一体どこに隠れているんだ」
見つからない苛立ちを抑えきれず、つい壁を叩いてしまった。
「グレイ、落ち着け。必ずどこかにいるはずだ。もしかしたら、俺たちの知らない隠し部屋などがあるのかもしれない。とにかく、壁などを壊して探してみよう」
「ああ、そうだな…」
早くボスを捕まえて、スカーレットの元に戻りたい。そんな思いから、再びアジト内を探そうと歩き出した時だった。
ヴーヴー
俺の通信機がなる。この通信機は、スカーレット?でも、スカーレットは俺に気を使って、今まで一度も通信を入れてくることはなかった。なんだか嫌な予感がする。
「おい、スカーレットちゃんからだろ?出ないのか?」
通信機を握りしめ、固まる俺にスティーブンが声を掛ける。恐る恐る通信機をONにする。
「スカーレット、どうした?何かあったのか?」
スカーレットに声を掛けるが…
“よう、騎士団長。ごきげんよう”
通信機に出たのは、聞き覚えのない男の声だ。パン屋の息子か?いいや、あいつはこんなに低い声をしていない。
「お前は誰だ。なぜスカーレットの通信機を持っているんだ?」
“俺か?俺は今お前たちが血眼になって探しているアジトのボスだよ。お前の可愛い奥さんは、俺たちが預かった。後、副騎士団長の妻も一緒にな。お前たちの妻を返してほしかったら、生け捕りにした他のボスたちを連れて、明日の朝、国境付近の森に来い。もし変な真似をしたら、お前たちの可愛い奥さんの命はないからな!”
ツーツー
「おい、スカーレットは無事なのか?せめて声だけでも…」
そう叫んだが、既に通信は切れていた。
「クソ!!」
感情が抑えられず、通信機を投げ捨てた。
「おい、どうしたんだ。何があったんだ?」
俺の様子を見て、何かを感じ取ったのか物凄い勢いで詰め寄ってくるスティーブン。
「どうやらここのアジトのボスは、うまくアジトから逃げ出し、俺とお前の妻を人質に取ったらしい…そして、生け捕りにした他のボスたちを連れて、明日の朝国境付近の森に来いとの事だ」
「何だって…ミミリィが人質に…」
真っ青な顔をしてその場に座り込むスティーブン。俺もその場に座り込んだ。そんな俺たちを見て
「団長も副団長も落ち着いて下さい。奥様の通信機には、場所特定の機能はついてないのですか?」
「付いている。でも俺は、スカーレットを監視するような真似はしたくなくて、一度も見た事はない。もし俺がスカーレットの行動を監視しているなんて思われたら、嫌われてしまうかもしれないだろ?」
「今は団長が奥様に嫌われるとか、そんな事はどうでもいいです。とにかく、奴らの居場所を特定しましょう」
そう言うと、投げ捨てた通信機を取り、操作し始めた第一部隊の隊長。他の隊長もその様子を見守っている。クソ、俺がスカーレットに嫌われることがどうでもいいだと!こいつ、何をふざけた事を!
「団長、どうやら通信機は、キャルメロ王国の国境付近の街を指しています。ただ、詳細な居場所を特定できない様、細工されていますね。クソ、詳細が分かれば助けに行けるのに!」
「国境付近の街だと、ここから馬を飛ばして2時間ってところか。とにかく、すぐに向かおう。ほら、団長も副団長も行きますよ!しっかりしてください!」
そうだ、とにかくスカーレットを助けないと!すまない、スカーレット、俺たちがアジトのボスを取り逃したばっかりに…
「とにかく、急いで街に向かうぞ!それから、悪いが生け捕りにしたボスたちも連れて来てくれ」
そう叫ぶと、馬にまたがり走り出す。
スカーレット、何が何でも助け出すから、待っていてくれ!
明らかにこちらは数で上回っているのに、完全に押されてしまった。そのせいで、沢山の負傷者を出してしまった。とにかくこれ以上は負傷者を増やすわけには行かない。そんな思いから、作戦を練り直し、何とか5つのアジトを攻め入り、それぞれのボスたちを生け捕りにした。
もちろん、法の下に裁くためだ。残ったアジトも、あと少しで落ちるだろう。俺とスティーブンも自ら現場に入り、敵たちと戦う。首には2ヶ月前スカーレットから預かったネックレスが、腕にはプロポーズした時に付けたブレスレットが付いている。
正直スカーレットを思わない日は1日もなかった。それでも目の回るような忙しさと、必死に戦い続ける日々に追われ、日に日に連絡する頻度が減ってしまった。そんな中何とか時間を見つけてはスカーレットに連絡をする。
スカーレットの声を聞くだけで、力がみなぎるのだ。とにかく最後のアジトを落とせば、やっと街に帰れる。
「お前たち、とにかくこのアジトのボスを探せ!そいつさえ捕らえてしまえば、もう奴らはどうする事も出来ない!」
ほぼアジト内も俺たち騎士団員が制圧している。後はこのアジトのボスを探すだけだ。逃げられない様、アジト周辺にはフェリーチェ伯爵家の護衛騎士団が囲っている。絶対にどこかに隠れているはずだ。
「団長、アジトの中をくまなく探しましたが、ボスらしき人物は見つかりません」
「そんなはずはない!絶対にボスが隠れているはずだ!何が何でも探し出せ」
このアジトからは絶対に逃げられないはずだ。必ずどこかにいるはず。でもどこを探しても、ボスらしき人物は見つからない。
ドン!!
「どうしてこんなに探しているのに、見つからないんだ!一体どこに隠れているんだ」
見つからない苛立ちを抑えきれず、つい壁を叩いてしまった。
「グレイ、落ち着け。必ずどこかにいるはずだ。もしかしたら、俺たちの知らない隠し部屋などがあるのかもしれない。とにかく、壁などを壊して探してみよう」
「ああ、そうだな…」
早くボスを捕まえて、スカーレットの元に戻りたい。そんな思いから、再びアジト内を探そうと歩き出した時だった。
ヴーヴー
俺の通信機がなる。この通信機は、スカーレット?でも、スカーレットは俺に気を使って、今まで一度も通信を入れてくることはなかった。なんだか嫌な予感がする。
「おい、スカーレットちゃんからだろ?出ないのか?」
通信機を握りしめ、固まる俺にスティーブンが声を掛ける。恐る恐る通信機をONにする。
「スカーレット、どうした?何かあったのか?」
スカーレットに声を掛けるが…
“よう、騎士団長。ごきげんよう”
通信機に出たのは、聞き覚えのない男の声だ。パン屋の息子か?いいや、あいつはこんなに低い声をしていない。
「お前は誰だ。なぜスカーレットの通信機を持っているんだ?」
“俺か?俺は今お前たちが血眼になって探しているアジトのボスだよ。お前の可愛い奥さんは、俺たちが預かった。後、副騎士団長の妻も一緒にな。お前たちの妻を返してほしかったら、生け捕りにした他のボスたちを連れて、明日の朝、国境付近の森に来い。もし変な真似をしたら、お前たちの可愛い奥さんの命はないからな!”
ツーツー
「おい、スカーレットは無事なのか?せめて声だけでも…」
そう叫んだが、既に通信は切れていた。
「クソ!!」
感情が抑えられず、通信機を投げ捨てた。
「おい、どうしたんだ。何があったんだ?」
俺の様子を見て、何かを感じ取ったのか物凄い勢いで詰め寄ってくるスティーブン。
「どうやらここのアジトのボスは、うまくアジトから逃げ出し、俺とお前の妻を人質に取ったらしい…そして、生け捕りにした他のボスたちを連れて、明日の朝国境付近の森に来いとの事だ」
「何だって…ミミリィが人質に…」
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「団長も副団長も落ち着いて下さい。奥様の通信機には、場所特定の機能はついてないのですか?」
「付いている。でも俺は、スカーレットを監視するような真似はしたくなくて、一度も見た事はない。もし俺がスカーレットの行動を監視しているなんて思われたら、嫌われてしまうかもしれないだろ?」
「今は団長が奥様に嫌われるとか、そんな事はどうでもいいです。とにかく、奴らの居場所を特定しましょう」
そう言うと、投げ捨てた通信機を取り、操作し始めた第一部隊の隊長。他の隊長もその様子を見守っている。クソ、俺がスカーレットに嫌われることがどうでもいいだと!こいつ、何をふざけた事を!
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「国境付近の街だと、ここから馬を飛ばして2時間ってところか。とにかく、すぐに向かおう。ほら、団長も副団長も行きますよ!しっかりしてください!」
そうだ、とにかくスカーレットを助けないと!すまない、スカーレット、俺たちがアジトのボスを取り逃したばっかりに…
「とにかく、急いで街に向かうぞ!それから、悪いが生け捕りにしたボスたちも連れて来てくれ」
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