愛する殿下の為に身を引いたのに…なぜかヤンデレ化した殿下に囚われてしまいました

Karamimi

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第11話:レティシアは僕だけのものだ~リアム視点~

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レティシアと婚約を結んでからは、本当に幸せでたまらなかった。相変わらず太陽の様に笑うレティシア。その笑顔を見ると、どんな辛い事も耐えられる気がした。さらにレティシアは非常に優秀で、王妃教育も難なくこなしていく。

そんなレティシアを見ていたら、僕も頑張らないと!そんな気持ちになった。ただ、誰にでも優しく少しお節介なレティシアは、もちろん友人も多い。友人が傷ついていると聞くと、彼女たちの元に飛んで行くのだ。それが面白くない僕。

そんなに器が小さくては国王は務まらない、そう思われるかもしれないが、レティシアは僕だけのレティシアなのだ。だから僕は、毎日王宮に呼び出して、極力友人たちと会えなくした。それでも彼女達との絆は強い様で、時間を見て会っている様だった。

まあ、王妃になったら簡単に彼女たちに会えないだろうから、今は多めに見ておこう。それに、あまり厳しく束縛して、レティシアに嫌われたら大変だからね。そう、僕は何より、レティシアに嫌われる事が怖いのだ。

だから極力レティシアの前では、紳士を演じている。本当の僕は、嫉妬深くて独占欲が強いのだが、それをレティシアに知られない様必死なのだ。ただ、周りにはバレている様で

「殿下、あまりレティシア嬢を縛り付けると、そのうち嫌われますよ」

何て事を言われるのもしょっちゅうだ。そのたびに自分の行動を戒め、紳士を装っている。そんな日々が9年続いた。この9年で、僕のレティシアへの思いは増すばかり。レティシアと離れている時間は、不安で仕方がない。

正直居場所を特定できる器具などをレティシアに持たせたいぐらいだが、バレた時大変なので、こっそり護衛騎士を付けるくらいにとどまっている。

そんな中、事件が起きた。レティシアの両親が事故で命を落としたのだ。一報を受け、急いで病院に駆けつけると、憔悴しきったレティシアの姿が。今までに見た事のないレティシアの姿に、胸が張り裂けそうになる。

あぁ、僕の可愛いレティシアがこんなに悲しんでいるなんて…優しく包み込むように抱きしめると、声を上げ子供の様に泣き出した。きっと僕が来た事で安心したのだろう。その姿を見た時、不謹慎ながら嬉しかった。しばらく泣いて落ち着いたところで、病院側が準備した部屋へとレティシアを運んだ。そして、温かい飲み物を飲ませる。実はこの飲み物には、強力な睡眠薬が入っている。

少しでもレティシアに休んで欲しくて、僕の指示で入れさせた。案の定、すぐに眠ってしまった。そう言えば、レティシアの寝顔を見るのは初めてだな…無意識にレティシアの眠るベッドに潜り込んだ。温かくて柔らかいレティシアの体…

レティシアを包み込むように抱きしめる。両親が亡くなった今、レティシアは1人ボッチだ。もう僕にしか頼る人がいない…いいや、レティシアには沢山の友達がいる。きっとここぞとばかりに、レティシアを励まそうと令嬢共が駆けつけて来るだろう。

そんな事はさせない!とにかく、レティシアには僕しか頼れない状況を作ろう。そう、この機会に僕は、レティシアを孤立させようと考えたのだ。もう僕しかいない、僕がいなくなったら生きていけない、そう思いこませよう。

傍から見たら、最低最悪な奴と思われるかもしれない。でも、このチャンスを逃したくはない。それくらい僕は、レティシアを愛しているのだ。

そして数日後、早速トンプソン公爵と夫人の葬儀の準備を行った。とにかく、レティシアの友人たちが駆け付ける前に、全てを終わらせないと!

まだ状況を受け入れられないでいるレティシアを連れ、トンプソン公爵と夫人の葬儀を執り行った。それでも公爵令嬢として、気丈に振舞うレティシア。そんなレティシアの隣をずっとキープする。無事葬儀も終わり、そのまま王宮に連れて帰ろうと思ったのだが、あろう事か、一度公爵家に帰りたいと言うレティシア。

公爵家に帰ったら、その間にレティシアを心配した友人たちがやってくるかもしれない。何とか王宮に来るよう説得しても、頑なに首を縦に振らないレティシアに根負けして、この日は公爵家で過ごさせる事にした。

もちろん、僕が来るまで絶対に誰も公爵家の中に入れない事。そう強く護衛騎士と公爵家の使用人たちに伝えておいた。

王宮に戻ると、早速レティシアの部屋を準備する。そうだ、レティシアが少しでも過ごしやすい様に、公爵家の部屋の荷物を、この部屋に運ぼう。早速指示を出していると、執事がやって来た。

「殿下、陛下がお呼びです。至急会議室へ」

会議室だと?まさか他の貴族も集まっているのか?そのまさかだった。今回、トンプソン公爵と夫人が亡くなり、娘のレティシアが僕に嫁ぐ事が決まっている為、今後公爵家をどうするかという話し合いが行われたのだ。

「跡取りがいないのですから、法律に乗っ取り取り潰しにするのが妥当でしょう」

そう言ったのは、ガルシア侯爵だ。その提案に母上も賛同する。さらに他の貴族たちも…そんな中

「トンプソン公爵家を取り潰す事は反対です。そもそも、次期王妃の実家が取り潰しになったら、レティシア嬢の立場はどうなるのですか?すぐに親戚の中から、跡取りを探すべきです」

そう言ったのは、マーケン侯爵だ。そう言えばマーケン侯爵家は、無実の罪を着せられ家が潰されそうになった時、トンプソン公爵に助けてもらった恩があったのだったな。他にも、トンプソン公爵に助けられた貴族たちが、続々とマーケン侯爵の味方をする。

トンプソン公爵は曲がった事が大嫌い、レティシアに似て義理と人情を大切にし、困っている貴族には手を差し伸べる反面、不正を働く者には容赦しなかった。その為、敵も味方も多いのだ。

激しい討論が繰り広げられ、中々結論が出ない。そんな中、父上が僕に話しかけて来た。

「リアム、お前はどう思う?」

僕は…
公爵には剣の事で恩もある。出来れば公爵家を残したい。でも…

「僕は法律に乗っ取り、取り潰しにするのが妥当だと思います」

たとえ親戚が継いだとしても、帰る実家があるという事は、レティシアにとって心のよりどころになるかもしれない。とにかく、レティシアには僕しか頼れない状況を作りたい。非道だと思われるかもしれないが、ここは取り潰しにして僕しか頼れない状況にするべきだ、そう判断したのだ。

僕の一言で、取り潰しが決まった。そして、公爵家で働いている使用人たちは、マーケン侯爵家を筆頭に、トンプソン公爵家に恩を感じている貴族の家で面倒を見る事になった。

マーケン侯爵からは

「殿下はレティシア嬢を愛していらっしゃらないのですか?どうしてこれ以上レティシア嬢を追いこむ事をするのですか?それでも婚約者なのですか?」

そう言われたが、なんと言われようと僕はこの決定を覆らせるつもりはない。でも後に、この判断を後悔する日が来るなんて、この時の僕は夢にも思っていなかった。
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