愛する殿下の為に身を引いたのに…なぜかヤンデレ化した殿下に囚われてしまいました

Karamimi

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第12話:面白い事になって来た~リアム視点~

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翌日、色々と準備を整え、急いで公爵家へと向かった。やはり何人かの令嬢が、レティシアを心配して訪ねて来た様だ。ただ僕の言いつけ通り、追い返したとの事。

そして使用人たちを集め、公爵家が取り潰しになった事を伝えた。それと同時に、他の貴族の家で働ける事も伝え、各自招待状を渡した。そんな中

「殿下、お嬢様は王宮で生活をなさるのですよね。どうか私も、王宮で働かせてください。こんな事を申し上げては失礼に当たるかもしれませんが、私にとってお嬢様は妹の様な大切な存在なのです。あんなにも衰弱したお嬢様を放って、別のところで仕事なんてとてもできません」

「私もです。どうかお嬢様の側で働かせてください」

レティシアの専属メイドたちが、次々と名乗りを上げていく。レティシアは使用人にも好かれていたのだな。でも、こいつらについてこられては、僕の計画は狂ってしまう。とにかくレティシアには、僕しか頼れない状況を作りたいのだ。

「レティシアには優秀なメイドたちを新たに雇った。悪いが、君たちを雇う事は出来ないんだ」

そうはっきりと伝えた。そしてレティシアを連れて、王宮へとやって来た。落ち込むレティシアの側に寄り添う。眠る時以外、極力彼女の部屋で過ごす様にした。そのお陰か、レティシアは少しずつ元気を取り戻していった。

でもそれと同時に、母上から

「レティシア嬢はもう公爵令嬢ではないのよ。何の価値もない令嬢なの。とにかく、ほとぼりが冷めたら婚約を解消し、ミランダ嬢と婚約を結び直しなさい。ガルシア侯爵も、それを望んでいるわ」

そう頻繁に言われるようになったのだ。この女は何をふざけた事を抜かしているんだ。僕はレティシア以外と結婚するつもりなんて微塵もない。それも、相手がミランダ嬢なら尚更の事。

「母上、僕はレティシア意外と結婚しません。寝言なら寝てから言ってください。それでは僕は忙しいので」

そう言い切ってやった。

そんなある日、なんとミランダ嬢が訪ねて来たのだ。とにかくさっさと追い返そう、そう思っていたのだが…

「リアム殿下、私と取引をしませんか?」

僕の顔を見るなり、人払いをしたと思ったら、そんな事を言いだしたのだ。この女は何を言っているのだろう?とにかく話を聞いてみる事にした。すると、トンプソン公爵家の馬車に細工を仕掛け、事故に見せかけて2人を殺害したのは、ガルシア侯爵だと言う事。その証拠も掴んでいるという事。

さらに、トンプソン公爵によって断罪された貴族を集め、レティシアを引きずり下ろし、ミランダ嬢と僕を結婚させようとしているとの事。権力が欲しい母上も、ガルシア侯爵に協力しているという事。全ての証拠を、ミランダ嬢が握っているという事を丁寧に話をされた。

「他にも今調査中ですが、数々の悪事に父は手を染めている様です」

そうはっきりと告げたミランダ嬢。この女は一体どういうつもりなのだろう。こんな事を僕に暴露したら、きっと父親でもあるガルシア侯爵はただでは済まない。もちろん、ガルシア侯爵家も取り潰されるだろう。それなのにどうして…

「どうしてこんな事を自分に話すのだろう。そんな顔をしていますね。実は私には、心から愛する男性がいるのです。彼は私の従者でした。私たちは父の目を盗んで、密かに愛し合いう様になったのです。でも父に見つかり、彼はこの国で最も過酷と言われる、北の街に送られました。今もその場所で、強制的に働かされているのです!お願いです、殿下。どうか彼を助けて下さい。もちろん、私が握っている証拠は、全て殿下にお渡ししますわ。とにかく、早くしないと彼が死んでしまう。お願いします」

必死に頭を下げるミランダ嬢。よほどその男の事を愛しているのだろう。確かにミランダ嬢が握っている証拠さえあれば、ガルシア侯爵を断罪できる。ガルシア侯爵は今後面倒な存在になる事は間違いない。今のうちに潰しておいた方がいいだろう。よし!

「分かった、その取引に乗ろう。僕は早速その男を救出する。君は証拠を持って来てくれ」

「分かりましたわ。どうか彼を、よろしくお願いします」

深々と頭を下げるミランダ嬢。トンプソン公爵の事故は確かに不自然な事も多かった。そんな中、調査は早々に打ち切りになったから怪しいとは思っていたが、やはりガルシア侯爵が絡んでいたのか。

これは面白い事になって来たぞ。とにかくガルシア侯爵を断罪してしまえば、もうミランダ嬢と結婚しろとも言われなくなるだろう。それに、両親の仇を捕まえれば、レティシアにも感謝されるだろうし。

早速僕は、ミランダ嬢の元従事を救出し、王宮で匿う事にした。かなり劣悪な環境の中で過酷な労働をさせられていた様で、酷く衰弱していたが、献身的な看護の結果、何とか元気を取り戻した。

そして僕とミランダ嬢は、誰も来ない中庭の奥で、密かに会う様になった。もちろん、今後の計画を立てる為にだ。

「これが証拠の数々です。他にも今調査中のものもたくさんあります。それで彼は、どうなのですか?」

「随分衰弱していたが、今は元気だよ。それにしても、君たちは本当に愛し合っているのだね。あの男がまず最初に口を開いた言葉が、君を心配する言葉だったよ」

「良かった…」

涙を流して喜ぶミランダ嬢。へ~、この女でも、涙を流すんだな。まあ、どうでもいいけれど。その後も、時間を見つけては何度もミランダ嬢と密会を続けた。そして、元気になった元従者にも会わせてやった。

何度も抱き合い、何度も僕にお礼を言う2人。ただ、万が一ガルシア侯爵に見つかると厄介だ。とりあえず、僕の護衛騎士としてしばらく王宮で生活してもらう事になった。護衛騎士なら基本的に鎧をまとっている為、顔も見えないので安心だ。

よし、ミランダ嬢の方は取りあえず片付いた。後はガルシア侯爵の断罪を目指すまでだ。そんな中、母上がレティシアに数々の暴言を吐いている事が発覚した。母上め、許せない!きつく抗議をし、レティシアに近付かない様、護衛騎士の数も増やした。

本当は僕がレティシアの側にいて守ってあげたいのだが、今は忙しくてほとんど時間が取れない。とにかく早く全てを片付けて、レティシアと以前の様にゆっくり過ごしたい。それでもレティシアに会えないのは辛くて、眠った後のレティシアを訪ねるのが日課になった。

「レティシア、寂しい思いをさせてごめんね。でも、あと少しで全てが片付くから待っていてね」

眠るレティシアに声を掛ける。そしてレティシアの唇に、自分の唇を重ねた。柔らかくて温かな感触が、唇から伝わる。あぁ、やっぱりレティシアは最高だな。早く僕だけのレティシアにしたい。その為にも頑張らないと。
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