愛する殿下の為に身を引いたのに…なぜかヤンデレ化した殿下に囚われてしまいました

Karamimi

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第26話:懐かしいパンドラ王国に着きました

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「レティシア、少し冷えてきたね。さあ、部屋に戻ろう。大体12時間くらいでパンドラ王国に着く予定だから、それまではゆっくり過ごそう」

そういうと、私の手を引き部屋に戻ろうとするリアム様。でも、もう少し海を見ていたい。

「リアム様、せっかく2人で船に乗ったのですから、もう少し海を一緒に眺めましょう。ほら、カモメもいますわ。あっちにはイルカの群れも」

来るときは夜だったから、真っ暗で何も見えなかったけれど、今は昼間だから美しい海を船の上から見ることができるのだ。

「本当だね、カモメもイルカもいるね。でも、そろそろ中に入るよ。こっちにおいで」

リアム様に連れられ、船内に入った。せっかくお天気もいいから、もっと海を見たかったのに、残念ね…

そう思っていたのだが、なぜかリアム様が向かった先は部屋ではなく、別の場所だ。

「レティシア、ここから海の中が見えるんだよ」

リアム様が連れてきてくれた場所は、一面分厚い透明なガラス張りになっている場所だ。そこから海の中が見られるのだ。

「まあ、なんて素敵な場所なのかしら!見てリアム様、あそこにお魚が泳いでいますわよ。それにしても、海ってこんなにも綺麗なのね。まるでリアム様の瞳の色みたい」

「それを言うならレティシアの瞳の色だろう。それにしても、本当に綺麗だね。僕も海の中は初めて見たよ」

「行きもこの船でいらしたのですよね?その時は見なかったのですか?」

「行きは誰かさんのせいで、それどころではなかったからね」

ジト目で私を睨むリアム様。しまった!墓穴を掘ってしまった。とにかくリアム様の機嫌をとらないと!

「それでしたら、2人で初めて海の中を見られたという事ですわね。リアム様と初めてを共有出来て、嬉しいですわ」

そう言うとリアム様に抱きついた。これで機嫌を直してくれるかしら?

「僕もレティシアと一緒に、初めて海の中を体験出来てよかったよ!さあ、そろそろ昼ごはんにしよう」

どうやら機嫌が直ったようでよかったわ。ほっと胸をなでおろす。

その後も船内を探索したり、部屋でまったりと過ごしたり、夕食を食べたりして過ごした。そして日が沈んだ頃、ついに懐かしいパンドラ王国が見えてきた。半年前たった1人で出港したこの場所に帰ってきたのだ。

それもリアム様と一緒に。あの時は寂しくて、船の上でただただ涙を流すことしか出来なかった。でも今は、大好きなリアム様が隣にいる。それが嬉しくてたまらない。

「リアム様、私を再びパンドラ王国に連れ帰ってきてくださり、ありがとうございます。まさかまたこの地に帰って来られるとは、夢にも思っていませんでしたわ」

そう言うと、そのままリアム様の胸に飛び込んだ。あぁ、このぬくもり…やっぱり落ち着くわ。

「あぁ、僕の可愛いレティシア、僕の方こそ一緒に帰ってきてくれてありがとう。さあ、皆首を長くして君の帰りを待っているよ。急いで王宮に帰ろう!」

「はい」

いつもの様にリアム様に抱きかかえられ船を降りると、そのまま王宮の馬車へと乗せられた。懐かしいパンドラ王国の街並みを見ていると、本当に帰ってきたのだと実感がわく。しばらく走ると、王宮が見えてきた。

王宮に着くと、陛下と王妃様、さらにミランダ様とミランダ様の腰に手を回している男性が立っていた。あの人がミランダ様の恋人なのね。

「レティシア嬢、おかえり!よく帰ってきてくれた」

「レティシア嬢、あの時は本当にごめんなさい。でも、帰ってきてくれてよかったわ。本当にありがとう!」

なぜか涙を流して喜ぶ王妃様と、ホッとした表情の陛下に抱き着かれた。でもその瞬間、2人から引き離すリアム様。

「レティシア様、誤解を与える様な事をしてごめんなさい。でもレティシア様にとっては、そのまま国外逃亡していた方が幸せだったかもしれないわね」

そう言ってジト目でリアム様を見ているミランダ様。隣の男性がミランダ様を怒っているが、あまり聞いていない様子。

「ミランダ嬢、あなたはもう侯爵令嬢でもなんでもないのに、よくも図々しく王宮に来られたな。そもそも、レティシアが国外逃亡していた方が幸せとはどういう事だ!」

「あら、本当の事を申し上げたまででしょう。そもそもレティシア様の実家を取り潰し、レティシア様を心配する令嬢や貴族、さらに使用人たちから遠ざけ、孤独にさせたあなたの傍にいるよりは、平民として過ごした方が幸せだと思ったまでですわ」

「うるさいな!そもそも君との変な噂のせいで、レティシアは出て行ったんだ。少しは責任を感じないのか!」

「感じているからこそ、こうして様子を見に来たのでしょう?とにかく、レティシア様が無事でよかったですわ。そうだ、こんな男の傍にいるのが嫌なら、私がこっそり逃がしてあげましょうか?今度は絶対に見つからないところに」

にやりと笑ったミランダ様。この人、こんな方だったかしら?そう思うほど、私が思っていた人と全然違うのだ。ミランダ様といえばなんでも完璧で、まさに理想の女性をイメージしていたのだけれど…

「ふざけるな!レティシアは二度と僕の傍からは離れさせない。そのために、もう体に居場所を特定できるチップも入れたんだ!」

「まあ、なんて恐ろしいことを。お可哀そうなレティシア様」

「何が可哀そうだ!そもそも、僕から勝手に逃げ出したレティシアが悪いんだ。これくらいしても、罰は当たらない!」

「だからって、体にチップを入れるなんて、鬼畜のすることですわ。この鬼畜!」

この国の王太子のリアム様を鬼畜呼ばわりだなんて、ミランダ様はすごいわ!て、感心している場合ではないわね。とにかく、2人の喧嘩を止めないと!

「ミランダ様、私へのお気遣いありがとうございます。でも私は、リアム様を心から愛しております。そもそも今回この国を出たのも、リアム様に幸せになって欲しかったからなのです。ですから、リアム様の事を悪く言わないでください」

そう伝えた。

「ほら見ろ!レティシアは、君みたいな歪んだ考えは持っていないんだ。さあ、こんな女は無視して、さっさと王宮に入ろう」

そう言うと、私の腰に手を回してさっさと歩き始めたリアム様。その時だった。

「レティシア様、お待ちください!まだ一番話さなければいけない話が残っております。私の父が本当にごめんなさい。謝っても許されるとは思っていませんが、せめて謝罪くらいはさせて下さい」

そう叫ぶと、深々と頭を下げるミランダ様。そういえば、ミランダ様のお父様に家の両親は殺されたと聞いた。でもガルシア侯爵の断罪を全面的に支援したのも、ミランダ様だと聞いている。

「ミランダ様、あなた様に謝っていただく必要はありませんわ。両親の件で色々と動いて下さり、ありがとうございました」

そう伝えると、私も頭を下げた。ゆっくり頭を上げると、涙を流しているミランダ様の姿が。きっと彼女なりに、罪悪感をかかえていたのだろう。

「ありがとうございます、レティシア様。もしあの鬼畜に何か酷いことをされそうになったら、いつでもおっしゃってくださいね。何が何でもお助けいたしますわ」

そう言うと、涙を流しながらも微笑んだミランダ様。なんとなくこの先彼女とは仲良くなれる。そんな気がした。


※次回最終話です。
よろしくお願いします(*^-^*)
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