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第9話:セイラとの出会い~ロイド視点~
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「セイラが…死ぬ?余命3ヶ月…セイラはもう、生きられない」
セイラ、僕の大切な人。君がいてくれたら僕は、何もいらない。そう思っていた。たとえ君が僕の事を好きでいてくれなくても、他に好きな男がいたとしても、それでも僕は君の傍にいたい。
この命が尽きるその瞬間まで、そう考えていた。
そんなセイラが、後3ヶ月しか生きられいないだなんて…
そっとあるものを手にした。血の付いた真っ白はハンカチ。僕の宝物だ。このハンカチを見ると、あの時の事を思い出す。
僕とセイラが初めて出会ったあの日を…
~6年前~
「ロイド、今日はツィンクル公爵が、娘のセイラ嬢を連れて登城するらしい」
「今日はツィンクル公爵家の令嬢ですか。承知いたしました。正直僕はこの国をしっかり支えてくれる女性なら、誰でも構いません。ですから、令嬢にわざわざ会う必要もないのですが…」
「またその様な事を。ロイドは私と違い、勉学も武術も優れているが、どうも感情が乏しいのが気になるな。まあいい、とにかく今日は、セイラ嬢が来るから、しっかり対応してくれ」
「承知しました、父上」
令嬢の相手か…面倒だな…
国王と王妃の唯一の子供でもある僕は、生まれながらの王太子だ。立派な国王になるべく、物心ついた時から、帝王学を叩き込まれてきた。
正直僕は、勉強も武術も苦痛に感じる事がなかったため、特に辛いと思った事はない。ただ、僕は感情をうまく表現するのが苦手だ。そのせいか、今まで何人もの令息たちと関りを持ってきたが、心から信頼できる人間には出会えていない。
それでもそれなりに、人間関係を続けてきたつもりだ。まあ、国王とは孤独な生き物なのだから、上辺だけ人間関係をしっかり築いておけば、問題ないだろう。
そう僕は考えている。
そして10歳になった僕に、そろそろ婚約者をとのことで、次々と侯爵以上の令嬢が、僕に会いに来ているのだが、どの令嬢も正直興味を抱く事はなかった。
それどころか、どの令嬢との時間も、苦痛だった。でもこの苦痛な時間も、僕が国王になるための試練なのだろう。そう自分に言い聞かせて、頑張っている。
そして今日は、父上と仲が良いツィンクル公爵家の令嬢と会うらしい。本来なら一番に彼女に会うはずなのだが、なぜかツィンクル公爵が、娘に会わせる事を渋っていたらしい。
ツィンクル公爵は非常に優秀で、父上が全面的に信頼している人間だ。ただ、なぜか家族の事は全くと言っていいほど、話しを聞かない。
確か夫人は、4年前に亡くなっているのだったな。夫人が亡くなった時ですら、仕事に来ていた男だ。きっと家族には興味がないのだろう。
母親を早くに亡くし、父親もほとんど家にいない家庭で育った令嬢か…我が儘で傲慢で、面倒な女性じゃないといいな。きっと彼女が、僕の婚約者候補最有力人物だろう。
そう考えると、気が重い…
「殿下、ツィンクル公爵様とセイラ嬢がいらっしゃいました」
「わかった、すぐに行くよ」
ついに来たか。いつもの様に適当にあしらって、早々に帰ってもらおう。重い腰を上げ、彼女の元へと向かった。
「失礼いたします」
2人が待つ部屋へと向かう。そこには無表情のツィンクル公爵と、その横には銀色の髪をした可愛らしい女の子がちょこんと座っていた。
不安そうに父親を見つめているが、一切彼女の方を見ない公爵。
「ロイド殿下、娘のセイラです。それでは私は仕事がありますので、これで」
彼女の方を一切見ず、僕に挨拶をするとそのまま部屋から出て行った公爵。悲しそうな顔で、父親を見つめる真っ赤な瞳は、今にも泣きそうな顔をしていた。
可哀そうに、訳も分からず連れてこられたうえ、唯一頼れる父親は娘の事を顧みず、さっさと行ってしまうだなんて。
どうしていいのか分からず、おどおどしている。何だこの子、可愛いな。
「初めまして、君がセイラ嬢だね。セイラ嬢の銀色の髪、とても綺麗だね。まるで女神様の様だ」
僕はなんて事を言っているのだ。確かに美しい銀髪だけれど、これじゃあ軽い男みたいじゃないか。
「あの、そういう意味ではなくて…」
「お初にお目にかかります、セイラ・ツィンクルと申します。私の髪を褒めていただき、ありがとうございます。嬉しいです」
少し恥ずかしそうに笑ったセイラ嬢。やっぱりこの子、可愛い。
その後2人でお茶をする。セイラ嬢は物腰柔らかで、笑顔が可愛い女の子だった。本来ならお茶をしてお終いなのだが、なんだかもっと彼女と一緒にいたくて、中庭に誘った。
セイラ、僕の大切な人。君がいてくれたら僕は、何もいらない。そう思っていた。たとえ君が僕の事を好きでいてくれなくても、他に好きな男がいたとしても、それでも僕は君の傍にいたい。
この命が尽きるその瞬間まで、そう考えていた。
そんなセイラが、後3ヶ月しか生きられいないだなんて…
そっとあるものを手にした。血の付いた真っ白はハンカチ。僕の宝物だ。このハンカチを見ると、あの時の事を思い出す。
僕とセイラが初めて出会ったあの日を…
~6年前~
「ロイド、今日はツィンクル公爵が、娘のセイラ嬢を連れて登城するらしい」
「今日はツィンクル公爵家の令嬢ですか。承知いたしました。正直僕はこの国をしっかり支えてくれる女性なら、誰でも構いません。ですから、令嬢にわざわざ会う必要もないのですが…」
「またその様な事を。ロイドは私と違い、勉学も武術も優れているが、どうも感情が乏しいのが気になるな。まあいい、とにかく今日は、セイラ嬢が来るから、しっかり対応してくれ」
「承知しました、父上」
令嬢の相手か…面倒だな…
国王と王妃の唯一の子供でもある僕は、生まれながらの王太子だ。立派な国王になるべく、物心ついた時から、帝王学を叩き込まれてきた。
正直僕は、勉強も武術も苦痛に感じる事がなかったため、特に辛いと思った事はない。ただ、僕は感情をうまく表現するのが苦手だ。そのせいか、今まで何人もの令息たちと関りを持ってきたが、心から信頼できる人間には出会えていない。
それでもそれなりに、人間関係を続けてきたつもりだ。まあ、国王とは孤独な生き物なのだから、上辺だけ人間関係をしっかり築いておけば、問題ないだろう。
そう僕は考えている。
そして10歳になった僕に、そろそろ婚約者をとのことで、次々と侯爵以上の令嬢が、僕に会いに来ているのだが、どの令嬢も正直興味を抱く事はなかった。
それどころか、どの令嬢との時間も、苦痛だった。でもこの苦痛な時間も、僕が国王になるための試練なのだろう。そう自分に言い聞かせて、頑張っている。
そして今日は、父上と仲が良いツィンクル公爵家の令嬢と会うらしい。本来なら一番に彼女に会うはずなのだが、なぜかツィンクル公爵が、娘に会わせる事を渋っていたらしい。
ツィンクル公爵は非常に優秀で、父上が全面的に信頼している人間だ。ただ、なぜか家族の事は全くと言っていいほど、話しを聞かない。
確か夫人は、4年前に亡くなっているのだったな。夫人が亡くなった時ですら、仕事に来ていた男だ。きっと家族には興味がないのだろう。
母親を早くに亡くし、父親もほとんど家にいない家庭で育った令嬢か…我が儘で傲慢で、面倒な女性じゃないといいな。きっと彼女が、僕の婚約者候補最有力人物だろう。
そう考えると、気が重い…
「殿下、ツィンクル公爵様とセイラ嬢がいらっしゃいました」
「わかった、すぐに行くよ」
ついに来たか。いつもの様に適当にあしらって、早々に帰ってもらおう。重い腰を上げ、彼女の元へと向かった。
「失礼いたします」
2人が待つ部屋へと向かう。そこには無表情のツィンクル公爵と、その横には銀色の髪をした可愛らしい女の子がちょこんと座っていた。
不安そうに父親を見つめているが、一切彼女の方を見ない公爵。
「ロイド殿下、娘のセイラです。それでは私は仕事がありますので、これで」
彼女の方を一切見ず、僕に挨拶をするとそのまま部屋から出て行った公爵。悲しそうな顔で、父親を見つめる真っ赤な瞳は、今にも泣きそうな顔をしていた。
可哀そうに、訳も分からず連れてこられたうえ、唯一頼れる父親は娘の事を顧みず、さっさと行ってしまうだなんて。
どうしていいのか分からず、おどおどしている。何だこの子、可愛いな。
「初めまして、君がセイラ嬢だね。セイラ嬢の銀色の髪、とても綺麗だね。まるで女神様の様だ」
僕はなんて事を言っているのだ。確かに美しい銀髪だけれど、これじゃあ軽い男みたいじゃないか。
「あの、そういう意味ではなくて…」
「お初にお目にかかります、セイラ・ツィンクルと申します。私の髪を褒めていただき、ありがとうございます。嬉しいです」
少し恥ずかしそうに笑ったセイラ嬢。やっぱりこの子、可愛い。
その後2人でお茶をする。セイラ嬢は物腰柔らかで、笑顔が可愛い女の子だった。本来ならお茶をしてお終いなのだが、なんだかもっと彼女と一緒にいたくて、中庭に誘った。
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