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第8話:貴族学院1日目です
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「お嬢様、その衣装、とてもよく似合っておられますよ。それにしても、貴族学院とはその様な衣装をお召しになるのですね。少しスカートの丈が短い気がいたしますが…」
「あら、素敵な衣装じゃない。それにこのブレザーと呼ばれる服も、とても素敵だわ。特にこのチェックのリボンとスカートがとても可愛いし。貴族学院には、こんな素敵な衣装があるのね」
あの後すぐに、お義兄様が貴族学院に通えるよう手続きをしてくれたのだ。そして今日、初めて貴族学院というところに通う。どうやら私は、貴族学院1年生として、学院に通うらしい。
貴族学院には制服と呼ばれるものが存在しており、早速今朝、クラミーに着せてもらったのだ。ドレスに比べるととても動きやすく、とても着やすい。貴族がこのような衣装を着てもいいのかと最初は考えたが、学院に通っている人は皆、この制服というものを着ているとの事。
皆が着ているのなら、問題ないだろう。
なんだか町娘になった気分ね。
「お嬢様、そろそろお時間ですわ。さあ、参りましょう」
「ええ、そうね」
部屋から出ると、馬車へと向かった。するとお姉様とグランが待っていてくれたのだ。
「キャリーヌ、その制服、よく似合っているわ。まさかあなたが、貴族学院に通う日が来るだなんて。キャリーヌは今までずっとやりたい事も出来ずに頑張って来たのだから、貴族学院では目いっぱい楽しみなさい」
「ええ、もちろんですわ。沢山お友達を作って、今まで出来なかった友人との時間を目いっぱい楽しもうと思っております。お姉様、私にその機会を与えて下さり、ありがとうございます。お義兄様にもお礼を言わないと」
「お礼なんて必要ないのよ。さあ、初日から遅刻しては大変よ」
「そうですわね。それでは、行って参ります」
お姉様とグランに手を振り、馬車へと乗り込んだ。いよいよ今から貴族学院に向かうのね。初めてこの国に来た時見た、あの立派な学院に通うのか。考えただけで、ワクワクしてきた。
一体どんな人たちがいるのかしら?私と仲良くしてくださるといいな。
そんな事を考えているうちに、学院が見えて来た。相変わらず大きな建物だ。
そして門の前で馬車が停まった。ゆっくり馬車から降りる。周りを見渡すと、私と同じ制服を着た生徒たちが沢山いる。本当に皆、私と同じ歳くらいの子ばかりなのね。なんだかそれが嬉しくて、つい笑みがこぼれる。
「お嬢様、そんなところに突っ立っていないで、早く参りましょう」
「ええ、そうね」
クラミーに案内され、先生方がいる職員室というところに向かった。
「君がクレスティル公爵夫人の妹君の、キャリーヌ殿だね。私は君の担任の、ドリフ・スタンデンだ。スタンデン先生と呼んでくれ」
「アラステ王国から参りました、キャリーヌ・マディスンと申します。スタンデン先生、どうかよろしくお願いします」
先生に向かって笑顔で挨拶をした。するとなぜか目をそらされたのだ。どうしたのかしら?訳が分からず、首をかしげる。
「いや…その…何でもない。それじゃあ、クラスに向かおうか。君が入るクラスは、侯爵以上が集まっているAクラスだ。身分も同じくらいだし、仲良くできるだろう」
どうやら貴族学院は、身分に合わせてクラス分けがされている様だ。同じくらいの身分の人たちとなら、気兼ねなく仲良く出来そうだ。
「それじゃあ、私が合図をしたら入ってきてくれるかい?」
「はい、分かりましたわ」
先生が1人で教室の中に入って行った。これが教室なのね。貴族学院とは、不思議な造りをしているのね。つい周りをキョロキョロとしてしまう。
すると、先生が合図を送ってくれたので、急いで教室に入った。教室に入ると、沢山の机が並んでいて、皆がイスに座っていた。こんなにたくさんの貴族たちが、同じ服を着て集まっているだなんて。
なんだか不思議だわ。でも、こうやって皆でお勉強が出来るだなんて、楽しそうね。
「それじゃあ、キャリーヌ嬢。挨拶をしてもらっていいかな?」
おっといけない、つい違う事を考えていたわ。とりあえず挨拶をすればいいのよね。
「アラステ王国から参りました、キャリーヌ・マディスンと申します。カリアン王国に来てまだ3週間程度で、学院の事はもちろん、カリアン王国の事も教えていただけると嬉しいです。どうか仲良くしてくださいね」
笑顔で挨拶をする。こんな感じでよかったのかしら?お姉様は、あまり堅苦しい挨拶は必要ないと言っていたから、軽く挨拶をしたのだけれど…
「それじゃあ、キャリーヌ嬢は、一番後ろのあの席に座ってくれ」
先生に言われた席に座った。そして、授業というものが始まった。なるほど、学院とはこうやって授業を受けるのね。全てが目新しく、全てが新鮮な貴族学院。
なんだか増々ワクワクしてきた。
「あら、素敵な衣装じゃない。それにこのブレザーと呼ばれる服も、とても素敵だわ。特にこのチェックのリボンとスカートがとても可愛いし。貴族学院には、こんな素敵な衣装があるのね」
あの後すぐに、お義兄様が貴族学院に通えるよう手続きをしてくれたのだ。そして今日、初めて貴族学院というところに通う。どうやら私は、貴族学院1年生として、学院に通うらしい。
貴族学院には制服と呼ばれるものが存在しており、早速今朝、クラミーに着せてもらったのだ。ドレスに比べるととても動きやすく、とても着やすい。貴族がこのような衣装を着てもいいのかと最初は考えたが、学院に通っている人は皆、この制服というものを着ているとの事。
皆が着ているのなら、問題ないだろう。
なんだか町娘になった気分ね。
「お嬢様、そろそろお時間ですわ。さあ、参りましょう」
「ええ、そうね」
部屋から出ると、馬車へと向かった。するとお姉様とグランが待っていてくれたのだ。
「キャリーヌ、その制服、よく似合っているわ。まさかあなたが、貴族学院に通う日が来るだなんて。キャリーヌは今までずっとやりたい事も出来ずに頑張って来たのだから、貴族学院では目いっぱい楽しみなさい」
「ええ、もちろんですわ。沢山お友達を作って、今まで出来なかった友人との時間を目いっぱい楽しもうと思っております。お姉様、私にその機会を与えて下さり、ありがとうございます。お義兄様にもお礼を言わないと」
「お礼なんて必要ないのよ。さあ、初日から遅刻しては大変よ」
「そうですわね。それでは、行って参ります」
お姉様とグランに手を振り、馬車へと乗り込んだ。いよいよ今から貴族学院に向かうのね。初めてこの国に来た時見た、あの立派な学院に通うのか。考えただけで、ワクワクしてきた。
一体どんな人たちがいるのかしら?私と仲良くしてくださるといいな。
そんな事を考えているうちに、学院が見えて来た。相変わらず大きな建物だ。
そして門の前で馬車が停まった。ゆっくり馬車から降りる。周りを見渡すと、私と同じ制服を着た生徒たちが沢山いる。本当に皆、私と同じ歳くらいの子ばかりなのね。なんだかそれが嬉しくて、つい笑みがこぼれる。
「お嬢様、そんなところに突っ立っていないで、早く参りましょう」
「ええ、そうね」
クラミーに案内され、先生方がいる職員室というところに向かった。
「君がクレスティル公爵夫人の妹君の、キャリーヌ殿だね。私は君の担任の、ドリフ・スタンデンだ。スタンデン先生と呼んでくれ」
「アラステ王国から参りました、キャリーヌ・マディスンと申します。スタンデン先生、どうかよろしくお願いします」
先生に向かって笑顔で挨拶をした。するとなぜか目をそらされたのだ。どうしたのかしら?訳が分からず、首をかしげる。
「いや…その…何でもない。それじゃあ、クラスに向かおうか。君が入るクラスは、侯爵以上が集まっているAクラスだ。身分も同じくらいだし、仲良くできるだろう」
どうやら貴族学院は、身分に合わせてクラス分けがされている様だ。同じくらいの身分の人たちとなら、気兼ねなく仲良く出来そうだ。
「それじゃあ、私が合図をしたら入ってきてくれるかい?」
「はい、分かりましたわ」
先生が1人で教室の中に入って行った。これが教室なのね。貴族学院とは、不思議な造りをしているのね。つい周りをキョロキョロとしてしまう。
すると、先生が合図を送ってくれたので、急いで教室に入った。教室に入ると、沢山の机が並んでいて、皆がイスに座っていた。こんなにたくさんの貴族たちが、同じ服を着て集まっているだなんて。
なんだか不思議だわ。でも、こうやって皆でお勉強が出来るだなんて、楽しそうね。
「それじゃあ、キャリーヌ嬢。挨拶をしてもらっていいかな?」
おっといけない、つい違う事を考えていたわ。とりあえず挨拶をすればいいのよね。
「アラステ王国から参りました、キャリーヌ・マディスンと申します。カリアン王国に来てまだ3週間程度で、学院の事はもちろん、カリアン王国の事も教えていただけると嬉しいです。どうか仲良くしてくださいね」
笑顔で挨拶をする。こんな感じでよかったのかしら?お姉様は、あまり堅苦しい挨拶は必要ないと言っていたから、軽く挨拶をしたのだけれど…
「それじゃあ、キャリーヌ嬢は、一番後ろのあの席に座ってくれ」
先生に言われた席に座った。そして、授業というものが始まった。なるほど、学院とはこうやって授業を受けるのね。全てが目新しく、全てが新鮮な貴族学院。
なんだか増々ワクワクしてきた。
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