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第22話:グランズ王国に向かいます~ミリアム視点~
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「キャリーヌ、実は私、次兄に会いに行く事になったの。それで、しばらく学院を留守にするわ」
「ミリアム様のお兄様にですか?確かグランズ王国の女王様と、ご結婚されたのでしたね」
「ええ、そうよ。兄の結婚式以来会っていないから、久しぶりに会いたくてね。それにカイロ様との仲も改善したでしょう。だから、この機会にもっとカイロ様の仲を深めたくて。カイロ様と一緒に、お兄様に会いに行く事になったの」
「そうでしたか。それは良うございますわ。どうか楽しんできてください」
キャリーヌがそう言ってほほ笑んでくれているが、どことなく悲しげな顔をしている。キャリーヌ、ごめんなさい。でも、どうしても私は、お兄様に会いに行かないと…いいえ、正式にはお義姉様に会わないといけない。
「沢山お土産を買ってくるから、楽しみに待っていてね」
私だって、キャリーヌとは離れたくはない。後どれくらい、彼女と一緒に過ごせるのだろう。そう思うと、1秒だって時間を無駄にしたくはない。
でも…
それは私の我が儘だ。私はキャリーヌに沢山の幸せをもらった。だから今度は、私がキャリーヌを幸せにする番。
そんな思いで私は翌日、グランズ王国に向かって旅立った。
「カイロ様まで私の我が儘に付き合って頂く事になり、申し訳ございませんでした」
向かいに座るカイロ様に、深々と頭を下げた。
「どうしてミリアムが謝るのだい?私が我が儘を言ってついて来ただけだよ。私は嬉しいのだよ、こうやってミリアムと一緒に出掛けられることが。これもすべて、キャリーヌ嬢のお陰だね」
「そうですわ…キャリーヌがいてくれたから、私は…」
だからこそ、今度は私がキャリーヌの為に動く番。正直うまくいく保証はない。それに私は口下手で、お義姉様からも嫌われている。こんな私が訴えたところで、私の言う事を聞いてくれるのかしら?
なんだか不安になって来た。
そんな私の手を、ギュッと握ったのは、カイロ様だ。
「ミリアム、大丈夫だよ。君自身の気持ちをしっかりと伝えれば、きっと女王陛下も君の気持ちを理解してくれるはずだ。もちろん、私もミリアムの力になるつもりだ。その為に、私も一緒に来たのだから。2人で一緒に、キャリーヌ嬢に恩返しをしよう」
「カイロ様…」
こんなにも優しい婚約者が、私を支えてくれる。それが嬉しくてたまらない。
本当は
“ありがとうございます。私はカイロ様が傍にいてくれるだけで、勇気が湧いてきます”
そう言いたいが、まだ素直になれない私は、自分の気持ちを伝える事が出来ないのだ。カイロ様にも自分の気持ちを伝えられない私が、お義姉様に自分の気持ちを伝えられるの?
そうよ、気持ちは言葉にしないと伝わらない
「あの…私…その…カイロ様が一緒についてきてくださって…その…とても心強いですわ。あなた様が傍にいて下さるだけで私は、勇気が湧いてきます!」
やっぱり恥ずかしい。
つい俯いてしまう。
「ミリアム…ありがとう。実は私は、少しだけキャリーヌ嬢に嫉妬していたんだ。彼女は誰よりもミリアムの事を理解しているだろう?それが悔しくてね。だからこうやって少しでも君の本当の気持ちが聞けると、嬉しいよ。いつかキャリーヌ嬢以上に信頼してもらえる様に、頑張るよ」
カイロ様がにっこりとほほ笑んだのだ。カイロ様が嫉妬だなんて…
それがなんだか嬉しくて、頬が緩む。孤独で嫌われ者の王女だった私が、いつしかこんな風に思ってもらえる日が来るだなんて。
カイロ様がいて下さるだけで、長旅も苦痛ではない。
そう、グランズ王国までは、馬車で1週間かかるのだ。私達は休憩を挟みながら、グランズ王国を目指していく。
そして1週間後。
「見て下さい、カイロ様。あれがグランズ王国なのですね。なんて素敵な国なのでしょう」
グランズ王国は自然豊かな国。私はお兄様の結婚式には参加しなかった為、グランズ王国に来るのは初めてなのだ。
「本当に綺麗な国だね。あれが王宮かな?」
丘の上には、立派な宮殿が建っていた。きっとあれが、王宮なのだろう。
いよいよね。
「ミリアム様のお兄様にですか?確かグランズ王国の女王様と、ご結婚されたのでしたね」
「ええ、そうよ。兄の結婚式以来会っていないから、久しぶりに会いたくてね。それにカイロ様との仲も改善したでしょう。だから、この機会にもっとカイロ様の仲を深めたくて。カイロ様と一緒に、お兄様に会いに行く事になったの」
「そうでしたか。それは良うございますわ。どうか楽しんできてください」
キャリーヌがそう言ってほほ笑んでくれているが、どことなく悲しげな顔をしている。キャリーヌ、ごめんなさい。でも、どうしても私は、お兄様に会いに行かないと…いいえ、正式にはお義姉様に会わないといけない。
「沢山お土産を買ってくるから、楽しみに待っていてね」
私だって、キャリーヌとは離れたくはない。後どれくらい、彼女と一緒に過ごせるのだろう。そう思うと、1秒だって時間を無駄にしたくはない。
でも…
それは私の我が儘だ。私はキャリーヌに沢山の幸せをもらった。だから今度は、私がキャリーヌを幸せにする番。
そんな思いで私は翌日、グランズ王国に向かって旅立った。
「カイロ様まで私の我が儘に付き合って頂く事になり、申し訳ございませんでした」
向かいに座るカイロ様に、深々と頭を下げた。
「どうしてミリアムが謝るのだい?私が我が儘を言ってついて来ただけだよ。私は嬉しいのだよ、こうやってミリアムと一緒に出掛けられることが。これもすべて、キャリーヌ嬢のお陰だね」
「そうですわ…キャリーヌがいてくれたから、私は…」
だからこそ、今度は私がキャリーヌの為に動く番。正直うまくいく保証はない。それに私は口下手で、お義姉様からも嫌われている。こんな私が訴えたところで、私の言う事を聞いてくれるのかしら?
なんだか不安になって来た。
そんな私の手を、ギュッと握ったのは、カイロ様だ。
「ミリアム、大丈夫だよ。君自身の気持ちをしっかりと伝えれば、きっと女王陛下も君の気持ちを理解してくれるはずだ。もちろん、私もミリアムの力になるつもりだ。その為に、私も一緒に来たのだから。2人で一緒に、キャリーヌ嬢に恩返しをしよう」
「カイロ様…」
こんなにも優しい婚約者が、私を支えてくれる。それが嬉しくてたまらない。
本当は
“ありがとうございます。私はカイロ様が傍にいてくれるだけで、勇気が湧いてきます”
そう言いたいが、まだ素直になれない私は、自分の気持ちを伝える事が出来ないのだ。カイロ様にも自分の気持ちを伝えられない私が、お義姉様に自分の気持ちを伝えられるの?
そうよ、気持ちは言葉にしないと伝わらない
「あの…私…その…カイロ様が一緒についてきてくださって…その…とても心強いですわ。あなた様が傍にいて下さるだけで私は、勇気が湧いてきます!」
やっぱり恥ずかしい。
つい俯いてしまう。
「ミリアム…ありがとう。実は私は、少しだけキャリーヌ嬢に嫉妬していたんだ。彼女は誰よりもミリアムの事を理解しているだろう?それが悔しくてね。だからこうやって少しでも君の本当の気持ちが聞けると、嬉しいよ。いつかキャリーヌ嬢以上に信頼してもらえる様に、頑張るよ」
カイロ様がにっこりとほほ笑んだのだ。カイロ様が嫉妬だなんて…
それがなんだか嬉しくて、頬が緩む。孤独で嫌われ者の王女だった私が、いつしかこんな風に思ってもらえる日が来るだなんて。
カイロ様がいて下さるだけで、長旅も苦痛ではない。
そう、グランズ王国までは、馬車で1週間かかるのだ。私達は休憩を挟みながら、グランズ王国を目指していく。
そして1週間後。
「見て下さい、カイロ様。あれがグランズ王国なのですね。なんて素敵な国なのでしょう」
グランズ王国は自然豊かな国。私はお兄様の結婚式には参加しなかった為、グランズ王国に来るのは初めてなのだ。
「本当に綺麗な国だね。あれが王宮かな?」
丘の上には、立派な宮殿が建っていた。きっとあれが、王宮なのだろう。
いよいよね。
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