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第27話:何が起こっているのでしょうか?
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お姉様から話しを聞いた翌日。
「おはようございます、ミリアム様」
「おはよう、キャリーヌ、今日も朝から元気ね」
いつも通り貴族学院に登院した私は、早速ミリアム様を捕まえた。
「ミリアム様、聞いてください。やっと我が国が落ち着いて来たようなのです。でも安心してください、私はしばらくは、この国にまだお世話になる予定でいますので」
ミリアム様に、昨日お姉様から聞いた話を報告したのだ。
「わ…私は別に、あなたが国に帰ろうが帰らまいが、特に気にならないわ!いいえ…そういう意味ではなくて、その…とにかく、アラステ王国が落ち着いてよかったわね」
相変わらずのミリアム様。口元が緩み、なんだか嬉しそうな顔をしている。きっと私が国にまだ帰らないから、喜んでくれているのだろう。いや、もしかしたら、アラステ王国が落ち着いて来たことを、喜んでくれているのかもしれない。
「さあ、早く教室に向かいましょう。今日は留学生が来るそうよ…いえ、何でもないわ」
「えっ?留学生がですか?きっと不安の中来るのでしょうから、私たちがしっかりサポートして差し上げましょう」
「あなたは相変わらずね。そうね、しっかりサポートをしてあげないといけないわね」
そう言ってミリアム様が笑っている。何かおかしなことを言ったかしら?訳が分からず、首をコテンとかしげた。
そんな話をしながら教室に着くと
「キャリーヌ様、ミリアム様、おはようございます。ミリアム様、今日から留学生が来るそうですね。他国の王族の方とお伺いしたのですが、本当ですか?」
令嬢たちが、一気に私たちの元にやって来たのだ。
「ええ、本当ですわ。昨日我が国に到着され、今王宮内にいらっしゃいます」
「やはりそうだったのですね。それにしても、他国の王族の方がいらっしゃるだなんて。もしかして、花嫁を探しに来たのかしら?私、見初められたらどうしましょう」
「あなた、婚約者がいらっしゃるでしょう?私こそ、見初められたら…」
令嬢たちが顔を赤くして騒いでいる。
「キャリーヌ様はご存じないかもしれませんが、我が国にはたまに他国の王族の方が留学にいらっしゃるのです。そしてごくまれに、王族の方に見初められ、そのまま嫁ぐという事もあるのですよ。最近他国に嫁ぐことも多いでしょう?あなた様のお姉様みたいに」
確かにお姉様も、たまたま視察に来たお義兄様に見初められ、この国に嫁いできた。なるほど、貴族学院もそういった出会いの場所だったのね。
「皆様、席に着いて下さい」
先生がいらしたので、急いで席に着いた。ソワソワしている令嬢たち。彼女たちの話だと、どうやら男性の様だし、今回は私の出番はなさそうね。もちろん私は、他国の王族と仲良くするつもりはないし、見初められたいとも思っていない。
そもそも私は、元婚約者にゴミの様に捨てられたうえ、側妃を要求されたあげく、拒否すると殺されかけたのだ。正直もう、王族は懲り懲り。
そう、王族は…
ふとサミュエル殿下の笑顔が、脳裏に浮かんだ。どうしてここで、サミュエル殿下の顔が浮かぶのだろう。
彼は近々王太子になる事が決まったのだ。きっとどこかの令嬢と結婚し、幸せに暮らすはず。そう、私ではない誰かと…
それでいいのだ、私は彼ではなく、ジェイデン殿下を選んだのだから…
それに今日いらっしゃるのは、サミュエル殿下とは無関係の人。それなのに私ったら…
「…という訳で、皆様に紹介いたします。どうぞ、中に入ってください」
私が考え事をしているうちに、先生の話が終わり、留学生がゆっくりと教室に入って来た。
「えっ…」
周りから小さな悲鳴が聞こえる。一体何が起こっているの?どうしてあなた様が?
「アラステ王国から参りました、サミュエル・グロッサム・アラステです。今日から3ヶ月という短い期間ではありますが、どうぞよろしくお願いいたします」
サラサラの金色の髪に真っ青なブルーの瞳と目が合った。すると、ニコリとほほ笑んだのだ。あの笑顔…私は知っているわ。7年半ぶりに見る彼の笑顔は、やっぱり素敵だ。
「サミュエル殿下は、キャリーヌ嬢と同じ国の出身ですので、彼女の隣の席を準備いたしました。どうぞ席に着いて下さい」
私の隣の席?
それよりも、どうしてサミュエル殿下がこの国に留学してきているの?もしかして、サミュエル殿下の命が狙われているとか?
それで安全のため、お父様辺りが私やお姉様がいるカリアン王国に避難する様に勧めたの?
何が何だかさっぱりわからない私を他所に、隣の席にやって来たサミュエル殿下。
「キャリーヌ、久しぶり。今日からよろしくね」
そう言ってほほ笑んでいるのだ。
今日からよろしくね!じゃないわ。どうしてあなた様がここにいるのですか?一体アラステ王国で何が起こっているのですか?
完全にパニックになった私は、授業どころではなくなったのだった。
「おはようございます、ミリアム様」
「おはよう、キャリーヌ、今日も朝から元気ね」
いつも通り貴族学院に登院した私は、早速ミリアム様を捕まえた。
「ミリアム様、聞いてください。やっと我が国が落ち着いて来たようなのです。でも安心してください、私はしばらくは、この国にまだお世話になる予定でいますので」
ミリアム様に、昨日お姉様から聞いた話を報告したのだ。
「わ…私は別に、あなたが国に帰ろうが帰らまいが、特に気にならないわ!いいえ…そういう意味ではなくて、その…とにかく、アラステ王国が落ち着いてよかったわね」
相変わらずのミリアム様。口元が緩み、なんだか嬉しそうな顔をしている。きっと私が国にまだ帰らないから、喜んでくれているのだろう。いや、もしかしたら、アラステ王国が落ち着いて来たことを、喜んでくれているのかもしれない。
「さあ、早く教室に向かいましょう。今日は留学生が来るそうよ…いえ、何でもないわ」
「えっ?留学生がですか?きっと不安の中来るのでしょうから、私たちがしっかりサポートして差し上げましょう」
「あなたは相変わらずね。そうね、しっかりサポートをしてあげないといけないわね」
そう言ってミリアム様が笑っている。何かおかしなことを言ったかしら?訳が分からず、首をコテンとかしげた。
そんな話をしながら教室に着くと
「キャリーヌ様、ミリアム様、おはようございます。ミリアム様、今日から留学生が来るそうですね。他国の王族の方とお伺いしたのですが、本当ですか?」
令嬢たちが、一気に私たちの元にやって来たのだ。
「ええ、本当ですわ。昨日我が国に到着され、今王宮内にいらっしゃいます」
「やはりそうだったのですね。それにしても、他国の王族の方がいらっしゃるだなんて。もしかして、花嫁を探しに来たのかしら?私、見初められたらどうしましょう」
「あなた、婚約者がいらっしゃるでしょう?私こそ、見初められたら…」
令嬢たちが顔を赤くして騒いでいる。
「キャリーヌ様はご存じないかもしれませんが、我が国にはたまに他国の王族の方が留学にいらっしゃるのです。そしてごくまれに、王族の方に見初められ、そのまま嫁ぐという事もあるのですよ。最近他国に嫁ぐことも多いでしょう?あなた様のお姉様みたいに」
確かにお姉様も、たまたま視察に来たお義兄様に見初められ、この国に嫁いできた。なるほど、貴族学院もそういった出会いの場所だったのね。
「皆様、席に着いて下さい」
先生がいらしたので、急いで席に着いた。ソワソワしている令嬢たち。彼女たちの話だと、どうやら男性の様だし、今回は私の出番はなさそうね。もちろん私は、他国の王族と仲良くするつもりはないし、見初められたいとも思っていない。
そもそも私は、元婚約者にゴミの様に捨てられたうえ、側妃を要求されたあげく、拒否すると殺されかけたのだ。正直もう、王族は懲り懲り。
そう、王族は…
ふとサミュエル殿下の笑顔が、脳裏に浮かんだ。どうしてここで、サミュエル殿下の顔が浮かぶのだろう。
彼は近々王太子になる事が決まったのだ。きっとどこかの令嬢と結婚し、幸せに暮らすはず。そう、私ではない誰かと…
それでいいのだ、私は彼ではなく、ジェイデン殿下を選んだのだから…
それに今日いらっしゃるのは、サミュエル殿下とは無関係の人。それなのに私ったら…
「…という訳で、皆様に紹介いたします。どうぞ、中に入ってください」
私が考え事をしているうちに、先生の話が終わり、留学生がゆっくりと教室に入って来た。
「えっ…」
周りから小さな悲鳴が聞こえる。一体何が起こっているの?どうしてあなた様が?
「アラステ王国から参りました、サミュエル・グロッサム・アラステです。今日から3ヶ月という短い期間ではありますが、どうぞよろしくお願いいたします」
サラサラの金色の髪に真っ青なブルーの瞳と目が合った。すると、ニコリとほほ笑んだのだ。あの笑顔…私は知っているわ。7年半ぶりに見る彼の笑顔は、やっぱり素敵だ。
「サミュエル殿下は、キャリーヌ嬢と同じ国の出身ですので、彼女の隣の席を準備いたしました。どうぞ席に着いて下さい」
私の隣の席?
それよりも、どうしてサミュエル殿下がこの国に留学してきているの?もしかして、サミュエル殿下の命が狙われているとか?
それで安全のため、お父様辺りが私やお姉様がいるカリアン王国に避難する様に勧めたの?
何が何だかさっぱりわからない私を他所に、隣の席にやって来たサミュエル殿下。
「キャリーヌ、久しぶり。今日からよろしくね」
そう言ってほほ笑んでいるのだ。
今日からよろしくね!じゃないわ。どうしてあなた様がここにいるのですか?一体アラステ王国で何が起こっているのですか?
完全にパニックになった私は、授業どころではなくなったのだった。
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