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第69話:気持ちは有難いのですが…
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アレックス様の音頭で、宴がスタートだ。友人達とお互いの両親だけが集まった小さな宴。それでも私にとっては、とても幸せな時間だ。
まさかこんな風に、お祝いが出来るだなんて。
「ディアン、よかったね。こうやって皆がディアンの退院と私たちの婚約をお祝いしてくれて」
ディアンに声をかける。
「ユーリちゃん、ディアンは私が見ているから、ご友人たちと楽しんできて。せっかくご友人たちが、来てくださったのですもの。あなたが相手をしないと」
おば様が声をかけてきてくれた。
「ありがとうございます。それではお言葉に甘えて、皆に挨拶をして参りますわ」
せっかく今日は皆が来てくれたのだ。1人ずつ、お礼に回る事にした。まさかこんなにも沢山の人たちが来てくれるだなんてね。
一通りお礼回りが終わったところで、レーナたちの元へと向かう。
「レーナ・カリン・マリアン、今日は本当にありがとう。あなた達のお陰で、最高の1日になったわ」
「もう、ユーリは大げさなのだから。でも、お礼ならアレックス様に言って。クラスメイト達に話しをしてくれたのも、アレックス様なのだから。私達はアレックス様の話に、乗っただけ」
「それでも色々と動いてくれたのだから、やっぱり有難いわ。まさか婚約披露パーティーまで出来るだなんて、思っていなかったから…」
「令嬢にとって、婚約ってとても大切な儀式だもの。だからね、なんとか婚約披露パーティーが出来ないか、ずっと考えていたの」
「そうだったのね。ありがとう。本当にあなた達は、最高の友人よ」
「もう、ユーリったら。ねえ、ユーリ。正直ね、私達も婚約披露パーティーの件、悩んでいたの。もしあなたが今後…その…」
「ありがとう、私の将来を気にしてくれていたのね。でも、私の心はもう決まっているから」
真っすぐ彼女たちを見つめた。きっと彼女たちなら、私の言いたい事が分かっているのだろう。
「ユーリならそう言うと思った。ユーリは頑固だからね。こうと決めたら絶対にこうだもの。私が言った通りでしょう?やっぱり婚約披露パーティーも一緒に出来て、よかったわね」
そう言って笑ったのはマリアンだ。
「実はね、マリアンが婚約披露パーティーも一緒にやろうと、提案してくれたのよ」
「まあ、そうだったの。マリアン、ありがとう。あなたが提案してくれたお陰で、素敵な婚約披露パーティーになったわ。もちろんレーナやカリンにも、感謝しているからね」
「私たちも今日、ユーリの幸せそうな顔を見られてよかったわ。私達はもういいから、ディアン様の元に戻ってあげて」
「ありがとう、皆。実はまだ、アレックス様にお礼を言っていないの。ちょっとアレックス様のところに行ってくるわ」
今日の立役者でもあるアレックス様に、お礼に行かないとね。
そう思い、アレックス様の元へと向かった。
「アレックス様、今日は本当にありがとうございました。ディアンもきっと、喜んでいますわ」
ちょうど1人でいたアレックス様に声をかけた。
「ユーリ、そのドレス、とても似合っているよ。ディアンの瞳の色に合わせた、赤色のドレスにしたのだね」
「はい、それぞれお互いの瞳の色の衣装をとの事で。あまり赤いドレスは着なかったのですが、これからは赤いドレスを積極的に着ていきたいと考えておりますわ」
赤はディアンの瞳の色。彼の色のドレスを着ているだけで、幸せな気持ちになる。
「ねえ、ユーリ。少しだけ話したいのだけれど、いいかな?」
なぜか急に真剣な顔になったアレックス様。一体どうしたのかしら?
「ええ、構いませんわ。一体どのような話ですか?」
「ちょっとこっちに来てくれるかな」
アレックス様に連れられ一旦ホールを出て、中庭にやって来た。一応中庭も解放されているのだ。ただ、皆ホールにいるため、中庭には誰もいない。
「アレックス様?」
「ごめんね、ユーリにどうしても確認したい事があって…ユーリ、昨日カスタマーディス伯爵から聞いたのだけれど、今後ディアンが目を覚ます確率は、5%くらいなんだって」
「えっ…」
「時間が経つにつれ、目覚める確率はどんどん下がっていくらしい。だからもう、ディアンが目覚める確率は、非常に低いらしい…」
辛そうにアレックス様が呟いた。
ディアンが目覚める確率は、5%…
「ユーリはこれからどうしたい?もうユーリも16才だろう?1年後には卒業だ。このまま目覚めないディアンと一緒にいても、ユーリは辛いだけではないのかい?もしユーリが望むなら、僕と…」
「アレックス様、お気遣いありがとうございます。ですが私は、ディアンと共に未来を歩むと決めたのです。たとえディアンが目覚めなくても、私はディアンと結婚し、一生ディアンの傍に寄り添うつもりでおります。この決意は、決して変わる事はありません」
「そうは言っても、ディアンはもう目覚めないかもしれないのだよ。ずっと意識のない相手と一緒にいるだなんて…それにそんな事、ディアンはきっと望まないよ。ディアンは誰よりも、ユーリの幸せを望んでいたのだから」
「ディアンはきっと望まない…そうかもしれないですね。ですが私は、ディアンを心から愛しています。ディアンの温もりを感じるだけで、私は幸せなのです。私はどんなことがあろうと、ディアンから離れるつもりはありません。たとえディアンがそれを望まなくても、私はそうしたいのです。それが私の、幸せですから!」
そう、ディアンの傍にいる事が、私の幸せなのだ。これだけは譲れない私の想い。
真っすぐアレックス様を見つめ、はっきりと告げた。
すると…
「ユーリは昔から頑固だったもんね…ユーリの気持ちは分かったよ。でも、無理はしないでね。僕も出来るだけ、協力するから。もちろん、友人として」
「ありがとうございます、アレックス様。はい、これからも友人として、よろしくお願いします」
まさかこんな風に、お祝いが出来るだなんて。
「ディアン、よかったね。こうやって皆がディアンの退院と私たちの婚約をお祝いしてくれて」
ディアンに声をかける。
「ユーリちゃん、ディアンは私が見ているから、ご友人たちと楽しんできて。せっかくご友人たちが、来てくださったのですもの。あなたが相手をしないと」
おば様が声をかけてきてくれた。
「ありがとうございます。それではお言葉に甘えて、皆に挨拶をして参りますわ」
せっかく今日は皆が来てくれたのだ。1人ずつ、お礼に回る事にした。まさかこんなにも沢山の人たちが来てくれるだなんてね。
一通りお礼回りが終わったところで、レーナたちの元へと向かう。
「レーナ・カリン・マリアン、今日は本当にありがとう。あなた達のお陰で、最高の1日になったわ」
「もう、ユーリは大げさなのだから。でも、お礼ならアレックス様に言って。クラスメイト達に話しをしてくれたのも、アレックス様なのだから。私達はアレックス様の話に、乗っただけ」
「それでも色々と動いてくれたのだから、やっぱり有難いわ。まさか婚約披露パーティーまで出来るだなんて、思っていなかったから…」
「令嬢にとって、婚約ってとても大切な儀式だもの。だからね、なんとか婚約披露パーティーが出来ないか、ずっと考えていたの」
「そうだったのね。ありがとう。本当にあなた達は、最高の友人よ」
「もう、ユーリったら。ねえ、ユーリ。正直ね、私達も婚約披露パーティーの件、悩んでいたの。もしあなたが今後…その…」
「ありがとう、私の将来を気にしてくれていたのね。でも、私の心はもう決まっているから」
真っすぐ彼女たちを見つめた。きっと彼女たちなら、私の言いたい事が分かっているのだろう。
「ユーリならそう言うと思った。ユーリは頑固だからね。こうと決めたら絶対にこうだもの。私が言った通りでしょう?やっぱり婚約披露パーティーも一緒に出来て、よかったわね」
そう言って笑ったのはマリアンだ。
「実はね、マリアンが婚約披露パーティーも一緒にやろうと、提案してくれたのよ」
「まあ、そうだったの。マリアン、ありがとう。あなたが提案してくれたお陰で、素敵な婚約披露パーティーになったわ。もちろんレーナやカリンにも、感謝しているからね」
「私たちも今日、ユーリの幸せそうな顔を見られてよかったわ。私達はもういいから、ディアン様の元に戻ってあげて」
「ありがとう、皆。実はまだ、アレックス様にお礼を言っていないの。ちょっとアレックス様のところに行ってくるわ」
今日の立役者でもあるアレックス様に、お礼に行かないとね。
そう思い、アレックス様の元へと向かった。
「アレックス様、今日は本当にありがとうございました。ディアンもきっと、喜んでいますわ」
ちょうど1人でいたアレックス様に声をかけた。
「ユーリ、そのドレス、とても似合っているよ。ディアンの瞳の色に合わせた、赤色のドレスにしたのだね」
「はい、それぞれお互いの瞳の色の衣装をとの事で。あまり赤いドレスは着なかったのですが、これからは赤いドレスを積極的に着ていきたいと考えておりますわ」
赤はディアンの瞳の色。彼の色のドレスを着ているだけで、幸せな気持ちになる。
「ねえ、ユーリ。少しだけ話したいのだけれど、いいかな?」
なぜか急に真剣な顔になったアレックス様。一体どうしたのかしら?
「ええ、構いませんわ。一体どのような話ですか?」
「ちょっとこっちに来てくれるかな」
アレックス様に連れられ一旦ホールを出て、中庭にやって来た。一応中庭も解放されているのだ。ただ、皆ホールにいるため、中庭には誰もいない。
「アレックス様?」
「ごめんね、ユーリにどうしても確認したい事があって…ユーリ、昨日カスタマーディス伯爵から聞いたのだけれど、今後ディアンが目を覚ます確率は、5%くらいなんだって」
「えっ…」
「時間が経つにつれ、目覚める確率はどんどん下がっていくらしい。だからもう、ディアンが目覚める確率は、非常に低いらしい…」
辛そうにアレックス様が呟いた。
ディアンが目覚める確率は、5%…
「ユーリはこれからどうしたい?もうユーリも16才だろう?1年後には卒業だ。このまま目覚めないディアンと一緒にいても、ユーリは辛いだけではないのかい?もしユーリが望むなら、僕と…」
「アレックス様、お気遣いありがとうございます。ですが私は、ディアンと共に未来を歩むと決めたのです。たとえディアンが目覚めなくても、私はディアンと結婚し、一生ディアンの傍に寄り添うつもりでおります。この決意は、決して変わる事はありません」
「そうは言っても、ディアンはもう目覚めないかもしれないのだよ。ずっと意識のない相手と一緒にいるだなんて…それにそんな事、ディアンはきっと望まないよ。ディアンは誰よりも、ユーリの幸せを望んでいたのだから」
「ディアンはきっと望まない…そうかもしれないですね。ですが私は、ディアンを心から愛しています。ディアンの温もりを感じるだけで、私は幸せなのです。私はどんなことがあろうと、ディアンから離れるつもりはありません。たとえディアンがそれを望まなくても、私はそうしたいのです。それが私の、幸せですから!」
そう、ディアンの傍にいる事が、私の幸せなのだ。これだけは譲れない私の想い。
真っすぐアレックス様を見つめ、はっきりと告げた。
すると…
「ユーリは昔から頑固だったもんね…ユーリの気持ちは分かったよ。でも、無理はしないでね。僕も出来るだけ、協力するから。もちろん、友人として」
「ありがとうございます、アレックス様。はい、これからも友人として、よろしくお願いします」
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