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第8話:協力者が出来ました
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「未来が見えると言うか…この世界は私が前世に読んでいた小説の世界そのものなの。あなた、父親に頼んでブライン様の婚約者にしてもらったでしょう。確か8歳の時だったわよね。それからずっと、ブライン様に冷遇されていたのではなくって?」
「まあ、どうしてその事を知っているのですか?我が家から婚約を打診したことは、内密になっているはずなのに!」
「だって前世に読んだ小説に書いてあったもの。ブライン様はずっと我が儘で傲慢な婚約者、オニキスの事が大嫌いだったの。それでも婚約者だからと、義理を貫いていたそうよ。そんな中、美しくて優しいヒロインでもある私に出会うの。私の明るくて優しい雰囲気に、ブライン様は猛烈に惹かれるのよ。もちろん私も、優しくて紳士的なブライン様に惹かれていくの。そして私たちは、オニキスを退治した後、無事結婚するの。どう?素敵な話でしょう?」
「それではクロエ様は、いずれ王妃様になられるという事ですか?」
「ええ、当たり前でしょう。私とブライン様は、愛し合っているのよ」
「まあ、そうなのですね。先ほどクロエ様もおっしゃった通り、私はこれっぽっちもブライン様に愛されていなくて…このまま愛されない状態で結婚しても空しいだけだと思っておりますの。それで、私はどうすれば婚約破棄が出来るのですか?お願いです、教えてください!」
必死にクロエ様にお願いする。未来が分かるクロエ様なら、きっと素敵なアドバイスがもらえるはずだ。
「あなた…婚約破棄がしたいの?そうね、あなたが悪い事をして公爵家が取り壊しになれば、婚約破棄が出来るわよ」
「それはダメです。だってそれじゃあ、大切な両親や兄家族、それに沢山の使用人が路頭に迷いますわ。私にはそんな事、出来ません!」
「あなた…本当に悪役令嬢のオニキスなの…まあいいわ。それじゃあ、とりあえずストーリー通り、私に嫌がらせをして頂戴。あなたが私に嫌がらせをする姿を見ればきっと、ブライン様も物語通りの動きをすると思うの」
「…分かりましたわ。私にできるかどうかわかりませんが、頑張ります。それで、私は何をすればいいのですか?」
「そうね、もう随分話が進んでしまったけれど。まずは私を階段から突き落として」
「えぇ!そんな事をしたら、クロエ様がお怪我をしてしまうかもしれませんわ。万が一お顔にでも傷がついたら!あぁ、考えただけで申し訳なくて死んでしまいそうですわ…」
「ちょっと、落ち着いてよ。大丈夫よ、怪我をしない様に転がるから。本当にあなた、顔だけは一人前に悪役令嬢なんだから、しっかり行動も起こしなさいよ」
「えぇ、私、悪役令嬢という方のお顔にそっくりなのですか?そもそも、悪役令嬢とは一体何ですの?どうしてそんな酷い事をなさるのでしょう」
「もう、面倒くさいわね。悪役令嬢とは、悪い奴の事よ。悪い奴なんだから、酷い事をするのは当然でしょう。本当にあなた、顔だけ悪役令嬢で性格が伴っていないのよ」
悪い事をする奴ですって…
という事は、私は悪い事をしそうな顔をしているという事なのね…ショックだわ…
「ちょっと、そんなに露骨にショックがらないでよ!なんだか私が悪い事をしている様じゃない。とにかくオニキス、あなたは私とブライン様がくっつくように協力してくれるという事でいいのよね」
「ええ、その代わり私とブライン様が穏便に婚約破棄出来る様に、どうかブライン様に頼んでください。ブライン様に頼むのが無理なら、是非前世の力で、私がうまく婚約破棄で来る未来を見て頂いて、アドバイスを頂ければ!とにかく私は、家族や使用人を犠牲にはしたくありませんので」
ここだけは絶対に譲れないのだ。
「ちょっとオニキス、誤解しているみたいだからはっきり言うわよ。私はそんな都合のいい未来なんて見られないわよ。分かっているの?ただ、あなたとブライン様が穏便に婚約破棄出来る様に、考えてみるわ…だからあなたも、精一杯協力しなさいよ…」
「はい、私にできるかどうかわかりませんが、精一杯務めさせていただきます。どうかこれからもご指導のほど、よろしくお願いいたしますわ。クロエ様」
「ご指導のほどって、私は心優しいヒロインなのよ。本当にもう!調子が狂うじゃない」
頬を膨らませて怒るクロエ様。
「申し訳ございません。でも、諦めていた婚約破棄がまさか実現するかもしれないだなんて、嬉しくてつい。クロエ様、あなた様は私に手を差し伸べてくれた女神様ですわ。本当にありがとうございます」
クロエ様の手を掴み、何度も頭を下げた。
「だからそういう事はしないでよ。本当にあなた、転生者じゃないの?やっぱり神様が、入れる魂を間違えたのかしら?とにかくこれからは、私の言う通りにしっかり動いてちょうだいね。分かったわね」
「はい、精一杯務めさせていただきます」
満面の笑みで答えると、何とも言えない顔をしたクロエ様。この人、大人しそうに見えたけれど、意外としっかりしているのね。何はともあれ、強力な協力者が出来てよかったわ。
※次回、ブライン視点です。
ちょっと気持ち悪いです…
よろしくお願いいたしますm(__)m
「まあ、どうしてその事を知っているのですか?我が家から婚約を打診したことは、内密になっているはずなのに!」
「だって前世に読んだ小説に書いてあったもの。ブライン様はずっと我が儘で傲慢な婚約者、オニキスの事が大嫌いだったの。それでも婚約者だからと、義理を貫いていたそうよ。そんな中、美しくて優しいヒロインでもある私に出会うの。私の明るくて優しい雰囲気に、ブライン様は猛烈に惹かれるのよ。もちろん私も、優しくて紳士的なブライン様に惹かれていくの。そして私たちは、オニキスを退治した後、無事結婚するの。どう?素敵な話でしょう?」
「それではクロエ様は、いずれ王妃様になられるという事ですか?」
「ええ、当たり前でしょう。私とブライン様は、愛し合っているのよ」
「まあ、そうなのですね。先ほどクロエ様もおっしゃった通り、私はこれっぽっちもブライン様に愛されていなくて…このまま愛されない状態で結婚しても空しいだけだと思っておりますの。それで、私はどうすれば婚約破棄が出来るのですか?お願いです、教えてください!」
必死にクロエ様にお願いする。未来が分かるクロエ様なら、きっと素敵なアドバイスがもらえるはずだ。
「あなた…婚約破棄がしたいの?そうね、あなたが悪い事をして公爵家が取り壊しになれば、婚約破棄が出来るわよ」
「それはダメです。だってそれじゃあ、大切な両親や兄家族、それに沢山の使用人が路頭に迷いますわ。私にはそんな事、出来ません!」
「あなた…本当に悪役令嬢のオニキスなの…まあいいわ。それじゃあ、とりあえずストーリー通り、私に嫌がらせをして頂戴。あなたが私に嫌がらせをする姿を見ればきっと、ブライン様も物語通りの動きをすると思うの」
「…分かりましたわ。私にできるかどうかわかりませんが、頑張ります。それで、私は何をすればいいのですか?」
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「ちょっと、落ち着いてよ。大丈夫よ、怪我をしない様に転がるから。本当にあなた、顔だけは一人前に悪役令嬢なんだから、しっかり行動も起こしなさいよ」
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「もう、面倒くさいわね。悪役令嬢とは、悪い奴の事よ。悪い奴なんだから、酷い事をするのは当然でしょう。本当にあなた、顔だけ悪役令嬢で性格が伴っていないのよ」
悪い事をする奴ですって…
という事は、私は悪い事をしそうな顔をしているという事なのね…ショックだわ…
「ちょっと、そんなに露骨にショックがらないでよ!なんだか私が悪い事をしている様じゃない。とにかくオニキス、あなたは私とブライン様がくっつくように協力してくれるという事でいいのよね」
「ええ、その代わり私とブライン様が穏便に婚約破棄出来る様に、どうかブライン様に頼んでください。ブライン様に頼むのが無理なら、是非前世の力で、私がうまく婚約破棄で来る未来を見て頂いて、アドバイスを頂ければ!とにかく私は、家族や使用人を犠牲にはしたくありませんので」
ここだけは絶対に譲れないのだ。
「ちょっとオニキス、誤解しているみたいだからはっきり言うわよ。私はそんな都合のいい未来なんて見られないわよ。分かっているの?ただ、あなたとブライン様が穏便に婚約破棄出来る様に、考えてみるわ…だからあなたも、精一杯協力しなさいよ…」
「はい、私にできるかどうかわかりませんが、精一杯務めさせていただきます。どうかこれからもご指導のほど、よろしくお願いいたしますわ。クロエ様」
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クロエ様の手を掴み、何度も頭を下げた。
「だからそういう事はしないでよ。本当にあなた、転生者じゃないの?やっぱり神様が、入れる魂を間違えたのかしら?とにかくこれからは、私の言う通りにしっかり動いてちょうだいね。分かったわね」
「はい、精一杯務めさせていただきます」
満面の笑みで答えると、何とも言えない顔をしたクロエ様。この人、大人しそうに見えたけれど、意外としっかりしているのね。何はともあれ、強力な協力者が出来てよかったわ。
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ちょっと気持ち悪いです…
よろしくお願いいたしますm(__)m
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