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第25話:夜会当日を迎えました
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翌朝、今日は学院はお休みだ。午前中はお兄様のお宅にお邪魔して、子犬のフワリや甥のランプと遊んだ。
フワリもランプも、本当に可愛らしい。
今日も小さな尻尾をぶんぶん振って、私の顔を舐めてくれるフワリ。
「くすぐったいわ、フワリは本当に可愛いわね」
そんな私とフワリを見て、ランプもヨチヨチと歩きながら私の方にやって来た。そして、ギュッと抱き着いて来たランプ。
「まあ、ランプも甘えん坊ね」
私もランプをギューッと抱きしめる。やっぱり子供って可愛いわね。私もお兄様やお義姉様の様に、こんな可愛らしい子供が欲しいわ。でも、ブライン様は私に触れる事を嫌っているもの。このままブライン様と結婚しても、子供は絶望的ね…そんな事を考えながら、ランプをギュッと抱きしめる。
「お嬢様、そろそろ夜会のご準備を」
「あら、もうそんな時間なのね。分かったわ」
一旦本家の戻り、メイドたちが私を磨き上げていく。ブライン様が贈って下さったドレスに着替え、アクセサリーも付けてもらった。
「お嬢様、今日もとてもお美しいですわよ」
そう言ってほほ笑んでくれたマリン。そうだわ、扇子を忘れたら大変ね。すかさず扇子を手に取った。
「お嬢様…あなたって人は…止めても聞かないのでしょうから、お好きになさってください。どうせ失敗するでしょうし…」
「失敗するとは何よ!なんだかんだ言って、階段突き落とし大作戦は成功したのよ。今回も、クロエ様のヒロインパワーで、きっと成功するわ。それじゃあマリン、行ってくるわね」
張り切って玄関まで行くと、既にブライン様が両親と話をしていた。毎回私を迎えに来てくれる、律儀なブライン様。ただ、馬車の中でも特に話すこともなく、ほぼ無言で過ごしているが…
ドレスのお礼はすぐに言った方がいいかもしれないが、馬車の中で言おう。その方が場が少しは持つだろう。
「ブライン様、お待たせして申し訳ございません」
ブライン様の方に歩みを進め、挨拶をする。
「いや…そんなに待っていないよ。さあ、行こうか」
相変わらずスタスタと1人歩いて行くブライン様。両親に軽く会釈をして、そのまま馬車に乗り込んだ。王宮主催なのに、わざわざ迎えに来てくれるなんて申し訳ないと以前伝えたのだが、頑なに迎えに来るのだ。きっと王太子として、婚約者は迎えにいかないといけないと思っているのだろう。
そうだわ、お礼を言わないと。
「ブライン様、今回も素敵なドレスとアクセサリーをありがとうございました」
ペコリと頭を下げる。
「“僕”が選んだドレス、気に入ってくれてよかったよ。そのドレスと宝石は、“僕”がデザインから手掛けたんだよ。全て“僕”の指示のもと、作らせたんだ。気に入ってくれてよかったよ。それに、僕の見立てた通りだ。よく似合っている」
相変わらず私の方は一切見ていないブライン様が、なぜか“僕”を強調している。
「そうでしたのね。私の為にわざわざ選んでくださり、ありがとうございます」
「どういたしまして。やっぱり僕が見立てた通りだ。オニキスに合う様にイメージして作らせたんだ。今後も君への贈り物は、僕が自ら選ぶから。もちろん、今までのプレゼントも、僕が自ら選んだものだからね」
「…そうなのですね。私の為に色々と考えて下さっていて、とても嬉しいです」
なぜそこまで自分が選んだ事を強調するのかは分からない。ただ、ブライン様は王太子として、私への義理をしっかり果たしている様だ。
ふとブライン様の隣に座っている従者のヴァン様を見る。なぜかかなり疲れている様に見えるが、気のせいかしら?
そんな事を考えているうちに、王宮に着いた。よかったわ、今日はドレスやアクセサリーのお陰で、無言の時間が少なかった。正直無言の時間って苦手なのよね。
「それじゃあ、行こうか」
スッと腕を出すブライン様に極力触れない様に、そっと手を添える。ブライン様は、私に触られるのが苦手だものね。
2人でゆっくりと会場に入って行く。私達が入場すると、一斉に皆が振り向くのだ。最初は動揺したが、もうすっかり慣れた。ホールの真ん中まで来ると、すっとブライン様の腕から手を放す。
一応ここから自由行動なのだが、いつもなぜか私の傍にいるブライン様。特に話しかけられたりダンスを踊る訳でもない。一度ダンスを踊った事があるのだが、それっきり。私が誘っても、上手くかわされるのだ。
「それではブライン様、今日もエスコートありがとうございます」
ペコリと頭を下げ、ブライン様から離れる。でも、やっぱりついてくるのよね。この人、何を考えているのかさっぱり分からない。とりあえず、いつもの様に仲良しの令嬢の元へと向かい、令嬢たちと話をする。その間も、ブライン様は少し離れた場所からこっちを見ているのだ。
「今日も殿下は少し離れた場所から、オニキス様を見守っておられますわ。オニキス様、愛されておりますのね」
「本当に。私達の邪魔をしない様に見守る辺り、殿下の優しさを感じますわ」
そう絶賛する友人達。ブライン様は何をしても、皆から褒められるのよね。ちなみに昔は令嬢たちに群がられていたが“僕はオニキス以外興味がないから、近づかないでくれるかい?”と、毎回言っていたらしい。そうしているうちに、令嬢たちは近づかなくなったそうだ。
私を令嬢除けに使うだなんて…
チラリとブライン様の方を見ると、バッチリ目が合ったが、すっとそらされた。そして、急にクルリと反対側を向くと、どこかへ行ってしまった。一体どうしたのかしら?
フワリもランプも、本当に可愛らしい。
今日も小さな尻尾をぶんぶん振って、私の顔を舐めてくれるフワリ。
「くすぐったいわ、フワリは本当に可愛いわね」
そんな私とフワリを見て、ランプもヨチヨチと歩きながら私の方にやって来た。そして、ギュッと抱き着いて来たランプ。
「まあ、ランプも甘えん坊ね」
私もランプをギューッと抱きしめる。やっぱり子供って可愛いわね。私もお兄様やお義姉様の様に、こんな可愛らしい子供が欲しいわ。でも、ブライン様は私に触れる事を嫌っているもの。このままブライン様と結婚しても、子供は絶望的ね…そんな事を考えながら、ランプをギュッと抱きしめる。
「お嬢様、そろそろ夜会のご準備を」
「あら、もうそんな時間なのね。分かったわ」
一旦本家の戻り、メイドたちが私を磨き上げていく。ブライン様が贈って下さったドレスに着替え、アクセサリーも付けてもらった。
「お嬢様、今日もとてもお美しいですわよ」
そう言ってほほ笑んでくれたマリン。そうだわ、扇子を忘れたら大変ね。すかさず扇子を手に取った。
「お嬢様…あなたって人は…止めても聞かないのでしょうから、お好きになさってください。どうせ失敗するでしょうし…」
「失敗するとは何よ!なんだかんだ言って、階段突き落とし大作戦は成功したのよ。今回も、クロエ様のヒロインパワーで、きっと成功するわ。それじゃあマリン、行ってくるわね」
張り切って玄関まで行くと、既にブライン様が両親と話をしていた。毎回私を迎えに来てくれる、律儀なブライン様。ただ、馬車の中でも特に話すこともなく、ほぼ無言で過ごしているが…
ドレスのお礼はすぐに言った方がいいかもしれないが、馬車の中で言おう。その方が場が少しは持つだろう。
「ブライン様、お待たせして申し訳ございません」
ブライン様の方に歩みを進め、挨拶をする。
「いや…そんなに待っていないよ。さあ、行こうか」
相変わらずスタスタと1人歩いて行くブライン様。両親に軽く会釈をして、そのまま馬車に乗り込んだ。王宮主催なのに、わざわざ迎えに来てくれるなんて申し訳ないと以前伝えたのだが、頑なに迎えに来るのだ。きっと王太子として、婚約者は迎えにいかないといけないと思っているのだろう。
そうだわ、お礼を言わないと。
「ブライン様、今回も素敵なドレスとアクセサリーをありがとうございました」
ペコリと頭を下げる。
「“僕”が選んだドレス、気に入ってくれてよかったよ。そのドレスと宝石は、“僕”がデザインから手掛けたんだよ。全て“僕”の指示のもと、作らせたんだ。気に入ってくれてよかったよ。それに、僕の見立てた通りだ。よく似合っている」
相変わらず私の方は一切見ていないブライン様が、なぜか“僕”を強調している。
「そうでしたのね。私の為にわざわざ選んでくださり、ありがとうございます」
「どういたしまして。やっぱり僕が見立てた通りだ。オニキスに合う様にイメージして作らせたんだ。今後も君への贈り物は、僕が自ら選ぶから。もちろん、今までのプレゼントも、僕が自ら選んだものだからね」
「…そうなのですね。私の為に色々と考えて下さっていて、とても嬉しいです」
なぜそこまで自分が選んだ事を強調するのかは分からない。ただ、ブライン様は王太子として、私への義理をしっかり果たしている様だ。
ふとブライン様の隣に座っている従者のヴァン様を見る。なぜかかなり疲れている様に見えるが、気のせいかしら?
そんな事を考えているうちに、王宮に着いた。よかったわ、今日はドレスやアクセサリーのお陰で、無言の時間が少なかった。正直無言の時間って苦手なのよね。
「それじゃあ、行こうか」
スッと腕を出すブライン様に極力触れない様に、そっと手を添える。ブライン様は、私に触られるのが苦手だものね。
2人でゆっくりと会場に入って行く。私達が入場すると、一斉に皆が振り向くのだ。最初は動揺したが、もうすっかり慣れた。ホールの真ん中まで来ると、すっとブライン様の腕から手を放す。
一応ここから自由行動なのだが、いつもなぜか私の傍にいるブライン様。特に話しかけられたりダンスを踊る訳でもない。一度ダンスを踊った事があるのだが、それっきり。私が誘っても、上手くかわされるのだ。
「それではブライン様、今日もエスコートありがとうございます」
ペコリと頭を下げ、ブライン様から離れる。でも、やっぱりついてくるのよね。この人、何を考えているのかさっぱり分からない。とりあえず、いつもの様に仲良しの令嬢の元へと向かい、令嬢たちと話をする。その間も、ブライン様は少し離れた場所からこっちを見ているのだ。
「今日も殿下は少し離れた場所から、オニキス様を見守っておられますわ。オニキス様、愛されておりますのね」
「本当に。私達の邪魔をしない様に見守る辺り、殿下の優しさを感じますわ」
そう絶賛する友人達。ブライン様は何をしても、皆から褒められるのよね。ちなみに昔は令嬢たちに群がられていたが“僕はオニキス以外興味がないから、近づかないでくれるかい?”と、毎回言っていたらしい。そうしているうちに、令嬢たちは近づかなくなったそうだ。
私を令嬢除けに使うだなんて…
チラリとブライン様の方を見ると、バッチリ目が合ったが、すっとそらされた。そして、急にクルリと反対側を向くと、どこかへ行ってしまった。一体どうしたのかしら?
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