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第28話:いい加減諦めてくれ~ブライン視点~
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「どうしてオニキスは、そこまでして僕と婚約破棄がしたいのだろう…僕はこんなにもオニキスを愛しているのに…」
モニターを見つめ、オニキスの枕カバーを抱きしめながら呟く。昨日は扇子であの女を叩く作戦が失敗に終わり、オニキスは落ち込んでいた。そして今日の放課後、あの女を呼び出して謝っているオニキス。
相変わらずあの女は、オニキスに酷い暴言を吐いている。それが腹ただしいのはもちろんだが、何よりもオニキスが、この期に及んでまだ僕との婚約破棄にこだっているという事だ。
僕は何度も、婚約破棄はしないと伝えているのに…
それに、オニキスを思って最高級のドレスや宝石だってプレゼントした。本来、男性が女性に自分の瞳や髪の色の物を贈るという事は、愛情表現の一つでもある。それなのに、全くその事に気が付いていないオニキス。
「殿下、またその様な物を抱きしめて…」
あきれ顔のヴァン、いい加減慣れて欲しいものだ。
「ヴァン、どうしてオニキスは僕の愛情表現に気が付かないのだろう。こんなにも愛しているのに…」
「殿下の愛情は非常に歪んでいるうえ、本人には全く伝わらない方法ですので…きっとオニキス様は、もっとわかりやすい愛情表現を求めていらっしゃるのでしょう。第一、目も合わさない、言葉もほとんどかわさない、触れもされないとなれば、自分が愛されていないと感じるのも無理はないです」
「僕だってモニター越しではなく、本物のオニキスの顔をもっと見たい!触れたいしもっと話をしたい。でも…それが出来ないから困っているんだ…どうしても僕は、オニキスの事を考えると鼻血が噴き出てしまうんだよ…」
自分でもわかっている。僕がオニキスに寂しい思いをさせている事を。
「オニキス様に触れられない、目も合わせられないでは、結婚後世継ぎを作る事は出来ません。そうなると、オニキス様以外の令嬢と結婚した方がよろしいのではありませんか?国王とは、自分の気持ちだけではどうしようもならない事があるのです。あなた様の体がオニキス様を拒むのでしたら、そうするほかありません。きっと陛下や王妃様も、口には出さないにしろ、そのお考えはあると思いますよ。あるいは側室についても、考えられているかもしれません」
「ヴァン、あまりふざけた事を言うと、ただじゃおかないぞ。誰がオニキス以外の女と結婚するものか!」
「とはいっても、あなた様は王太子殿下、次期国王になるお方なのですよ!いい加減自分の置かれている状況を、考えて下さい。いくら公務をそつなくこなしても、周囲の評判が良くても、結婚後何年も子が出来なければ、貴族の間でも側室の声が上がります。それにそうなれば、オニキス様をも傷つける事になるのです。それならいっその事、早めに婚約破棄なされた方が、オニキス様の為です!オニキス様はきっと、陰で気持ち悪く愛される事よりも、分かりやすく愛情表現をしてくれる殿方を求めていらっしゃるのです!要するに、殿下では役不足という事です!」
「ヴァン…お前、そんなはっきりと…」
「オニキス様を思うのでしたら、婚約破棄されてはいかがですが?それが嫌なら、鼻血を克服するしかないでしょう」
「僕だって鼻血を克服したい。でも、無理なんだ!オニキスの可愛らしい顔を見たり肌に触れると、興奮してしまって…あぁ、オニキスの手、柔らかかったな…」
「殿下、また鼻血が出ております。では婚約破棄の方向でよろしいですね」
「いい訳がないだろう!」
「それならオニキス様に正直に体質の事を話して、協力してもらってください!男として、こんな恥ずかしい姿を見せたくないと言うのはわかります。でも、あなた様は自力で克服できないなら、オニキス様に正直に話して協力してもらう以外ないのです。とにかく、今の危機的状況を理解してください。それでは私はこれで!」
そう言うと、ヴァンは部屋から出て行った。
あいつ、言いたい放題言って!僕だってこのままじゃいけない事なんてわかっている。オニキスに辛い思いをさせている事も。
でも、万が一僕の情けない姿を見たら、オニキスは僕を軽蔑し、離れていくかもしれない…そう思うと、どうしてもオニキスに自分の体質を話すことが出来ない。
ただ、さすがにこのままと言う訳にはいかない。確かにオニキスと結婚後、僕がオニキスに触れられないとなると、きっとオニキスは傷つくだろう。それに、オニキスも他の貴族からも責められるかもしれない。
可愛いオニキスが傷つき、僕と結婚したことを後悔したら…
そう考えただけで、胸が張り裂けそうになる。
結婚までもう時間がない。僕はどうすればいいのだろう…
モニターを見つめ、オニキスの枕カバーを抱きしめながら呟く。昨日は扇子であの女を叩く作戦が失敗に終わり、オニキスは落ち込んでいた。そして今日の放課後、あの女を呼び出して謝っているオニキス。
相変わらずあの女は、オニキスに酷い暴言を吐いている。それが腹ただしいのはもちろんだが、何よりもオニキスが、この期に及んでまだ僕との婚約破棄にこだっているという事だ。
僕は何度も、婚約破棄はしないと伝えているのに…
それに、オニキスを思って最高級のドレスや宝石だってプレゼントした。本来、男性が女性に自分の瞳や髪の色の物を贈るという事は、愛情表現の一つでもある。それなのに、全くその事に気が付いていないオニキス。
「殿下、またその様な物を抱きしめて…」
あきれ顔のヴァン、いい加減慣れて欲しいものだ。
「ヴァン、どうしてオニキスは僕の愛情表現に気が付かないのだろう。こんなにも愛しているのに…」
「殿下の愛情は非常に歪んでいるうえ、本人には全く伝わらない方法ですので…きっとオニキス様は、もっとわかりやすい愛情表現を求めていらっしゃるのでしょう。第一、目も合わさない、言葉もほとんどかわさない、触れもされないとなれば、自分が愛されていないと感じるのも無理はないです」
「僕だってモニター越しではなく、本物のオニキスの顔をもっと見たい!触れたいしもっと話をしたい。でも…それが出来ないから困っているんだ…どうしても僕は、オニキスの事を考えると鼻血が噴き出てしまうんだよ…」
自分でもわかっている。僕がオニキスに寂しい思いをさせている事を。
「オニキス様に触れられない、目も合わせられないでは、結婚後世継ぎを作る事は出来ません。そうなると、オニキス様以外の令嬢と結婚した方がよろしいのではありませんか?国王とは、自分の気持ちだけではどうしようもならない事があるのです。あなた様の体がオニキス様を拒むのでしたら、そうするほかありません。きっと陛下や王妃様も、口には出さないにしろ、そのお考えはあると思いますよ。あるいは側室についても、考えられているかもしれません」
「ヴァン、あまりふざけた事を言うと、ただじゃおかないぞ。誰がオニキス以外の女と結婚するものか!」
「とはいっても、あなた様は王太子殿下、次期国王になるお方なのですよ!いい加減自分の置かれている状況を、考えて下さい。いくら公務をそつなくこなしても、周囲の評判が良くても、結婚後何年も子が出来なければ、貴族の間でも側室の声が上がります。それにそうなれば、オニキス様をも傷つける事になるのです。それならいっその事、早めに婚約破棄なされた方が、オニキス様の為です!オニキス様はきっと、陰で気持ち悪く愛される事よりも、分かりやすく愛情表現をしてくれる殿方を求めていらっしゃるのです!要するに、殿下では役不足という事です!」
「ヴァン…お前、そんなはっきりと…」
「オニキス様を思うのでしたら、婚約破棄されてはいかがですが?それが嫌なら、鼻血を克服するしかないでしょう」
「僕だって鼻血を克服したい。でも、無理なんだ!オニキスの可愛らしい顔を見たり肌に触れると、興奮してしまって…あぁ、オニキスの手、柔らかかったな…」
「殿下、また鼻血が出ております。では婚約破棄の方向でよろしいですね」
「いい訳がないだろう!」
「それならオニキス様に正直に体質の事を話して、協力してもらってください!男として、こんな恥ずかしい姿を見せたくないと言うのはわかります。でも、あなた様は自力で克服できないなら、オニキス様に正直に話して協力してもらう以外ないのです。とにかく、今の危機的状況を理解してください。それでは私はこれで!」
そう言うと、ヴァンは部屋から出て行った。
あいつ、言いたい放題言って!僕だってこのままじゃいけない事なんてわかっている。オニキスに辛い思いをさせている事も。
でも、万が一僕の情けない姿を見たら、オニキスは僕を軽蔑し、離れていくかもしれない…そう思うと、どうしてもオニキスに自分の体質を話すことが出来ない。
ただ、さすがにこのままと言う訳にはいかない。確かにオニキスと結婚後、僕がオニキスに触れられないとなると、きっとオニキスは傷つくだろう。それに、オニキスも他の貴族からも責められるかもしれない。
可愛いオニキスが傷つき、僕と結婚したことを後悔したら…
そう考えただけで、胸が張り裂けそうになる。
結婚までもう時間がない。僕はどうすればいいのだろう…
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