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第14話:ダンスを踊ります
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「お兄様、殿下が何か言いかけていましたが、よかったのかしら?」
「気にする事はないよ。きっと大したことではないし。さあ、謝罪も終わったし、ダンスでも踊るかい?」
「ええ、踊りますわ。お兄様と一緒に踊れるだなんて、とても光栄ですわ」
今まで夜会に出ても、いつも周りをけん制し、自慢話ばかりしていたから、ダンスを踊る事はほとんどなかったのだ。今日は社交界らしい事を、目いっぱい楽しみたい。
「それじゃあ、踊ろうか」
お兄様と一緒にホールの真ん中に行き、ダンスを踊る。改めて思うのだが、こんな風に自由に体を動かせることの幸せ。やっぱり健康な体はいいわね。
「ソフィーナは、本当に楽しそうにダンスを踊るね。俺まで楽しくなってくるよ」
「だって、本当に楽しいのですもの。こうやって大好きなお兄様と一緒に、楽しいダンスを踊れる。こんな幸せな事はありませんわ。ねえ、お兄様、いつもの様に回ってもいいですか?」
「ああ、もちろんだ。行くよ」
お兄様の合図で、クルクルと回転をする。こんなに回っても、ちっとも胸が苦しくない。それどころか、清々しいわ。やっぱり思う様に体を動かせることって、なんて幸せなのかしら。
あぁ、もっと踊っていたい、この体力が尽きるまで…
でも、そんな私の気持ちとは裏腹に、音楽が終わってしまった。残念、今日のダンスはここまでか…そう思っていたのだが。
「ソフィーナ嬢、次は俺と踊ってくださいますか?」
私の元にやって来たのは、セシル様だ。
「はい、もちろんですわ。よろしくお願いいたします」
またダンスを踊れる、そう思ったら、自然と笑みがこぼれた。そして2人で音楽に合わせて踊り出す。
「ソフィーナ嬢は、随分と雰囲気が変わったね。もちろん、いい意味で」
「はい、私、事故に遭って今までいかに自分が愚かだったか、気が付いたのです。あの、今まで本当に…」
「もう謝罪はいいよ。それよりも、ソフィーナ嬢は、ダンスが好きなのかい?さっきもとても楽しそうに踊っていたけれど」
「はい、体を動かすのが好きなのです。だから家でも、つい歌ったり踊ったりしてしまって」
「そうなのだね。それじゃあ、もっと楽しいダンスを教えてあげるよ」
そう言うと、急に私を抱き上げ、クルクルとまわりだしたのだ。確かにこんなダンスは初めてだ。でも、とっても楽しい。
「確かにとても楽しいですわ。セシル様は力持ちなのですね」
「ああ、俺は騎士団で鍛えているからね。君を持ち上げるくらい、どうってことはないよ。ソフィーナ嬢、次はさっきみたいに回れるかい?」
「ええ、もちろんですわ」
セシル様に補佐してもらい、クルクルと回る。やっぱりこうやって自由に体を動かせることが、幸せでたまらない。
楽しすぎる!でも、楽しい時間はあっという間、また曲が終わってしまったのだ。
「ソフィーナ嬢、君とのダンス、とても楽しかったよ。良かったらもう1曲…」
「ソフィーナ嬢、次は俺と一緒に踊ろう。セシル、交代だ」
次にやって来たのは、アレック様だ。
「セシル様、踊って下さりありがとうございました。とっても楽しかったですわ。アレック様、お願いします」
不満そうな顔のセシル様にお礼を言い、今度はアレック様とダンスを踊る事になったのだ。
「ソフィーナ嬢はとてもダンスが上手だね。こんなに上手だとは知らなかったよ」
「ありがとうございます。今までダンスはあまり踊ってこなかったのですが、事故後ダンスに目覚めてしまって。アレック様もとてもお上手ですね。踊りやすいですわ」
激しく踊るセシル様に対し、アレック様はゆったり目だ。とはいえ、激しいダンスを踊って来て少し疲れていた私にはちょうどいい。
「それはよかったよ。それにしても、本当にソフィーナ嬢は変わったね。まるで月の女神の様に美しいよ…」
「えっ?」
「いや、何でもない。ソフィーナ嬢は、ファラオと結婚したがっていたみたいだけれど…その…」
「私はもうファラオ殿下には、興味がありませんわ。それに殿下とソラ様、とってもお似合いなので、全力で2人を祝福しようと思っております。心配して下さり、ありがとうございます。アレック様はお優しいのですね」
きっとアレック様も、私がまだファラオ殿下の事が好きで、傷ついているのではないかと心配してくださったのだろう。
「俺は優しくはないよ。でも、ソフィーナ嬢はそんな風に思ってくれたのだね。ありがとう。それじゃあ、ソフィーナ嬢は今、好きな人も婚約者候補もいないという事でいいのかい?」
「はい、おりませんわ」
「気にする事はないよ。きっと大したことではないし。さあ、謝罪も終わったし、ダンスでも踊るかい?」
「ええ、踊りますわ。お兄様と一緒に踊れるだなんて、とても光栄ですわ」
今まで夜会に出ても、いつも周りをけん制し、自慢話ばかりしていたから、ダンスを踊る事はほとんどなかったのだ。今日は社交界らしい事を、目いっぱい楽しみたい。
「それじゃあ、踊ろうか」
お兄様と一緒にホールの真ん中に行き、ダンスを踊る。改めて思うのだが、こんな風に自由に体を動かせることの幸せ。やっぱり健康な体はいいわね。
「ソフィーナは、本当に楽しそうにダンスを踊るね。俺まで楽しくなってくるよ」
「だって、本当に楽しいのですもの。こうやって大好きなお兄様と一緒に、楽しいダンスを踊れる。こんな幸せな事はありませんわ。ねえ、お兄様、いつもの様に回ってもいいですか?」
「ああ、もちろんだ。行くよ」
お兄様の合図で、クルクルと回転をする。こんなに回っても、ちっとも胸が苦しくない。それどころか、清々しいわ。やっぱり思う様に体を動かせることって、なんて幸せなのかしら。
あぁ、もっと踊っていたい、この体力が尽きるまで…
でも、そんな私の気持ちとは裏腹に、音楽が終わってしまった。残念、今日のダンスはここまでか…そう思っていたのだが。
「ソフィーナ嬢、次は俺と踊ってくださいますか?」
私の元にやって来たのは、セシル様だ。
「はい、もちろんですわ。よろしくお願いいたします」
またダンスを踊れる、そう思ったら、自然と笑みがこぼれた。そして2人で音楽に合わせて踊り出す。
「ソフィーナ嬢は、随分と雰囲気が変わったね。もちろん、いい意味で」
「はい、私、事故に遭って今までいかに自分が愚かだったか、気が付いたのです。あの、今まで本当に…」
「もう謝罪はいいよ。それよりも、ソフィーナ嬢は、ダンスが好きなのかい?さっきもとても楽しそうに踊っていたけれど」
「はい、体を動かすのが好きなのです。だから家でも、つい歌ったり踊ったりしてしまって」
「そうなのだね。それじゃあ、もっと楽しいダンスを教えてあげるよ」
そう言うと、急に私を抱き上げ、クルクルとまわりだしたのだ。確かにこんなダンスは初めてだ。でも、とっても楽しい。
「確かにとても楽しいですわ。セシル様は力持ちなのですね」
「ああ、俺は騎士団で鍛えているからね。君を持ち上げるくらい、どうってことはないよ。ソフィーナ嬢、次はさっきみたいに回れるかい?」
「ええ、もちろんですわ」
セシル様に補佐してもらい、クルクルと回る。やっぱりこうやって自由に体を動かせることが、幸せでたまらない。
楽しすぎる!でも、楽しい時間はあっという間、また曲が終わってしまったのだ。
「ソフィーナ嬢、君とのダンス、とても楽しかったよ。良かったらもう1曲…」
「ソフィーナ嬢、次は俺と一緒に踊ろう。セシル、交代だ」
次にやって来たのは、アレック様だ。
「セシル様、踊って下さりありがとうございました。とっても楽しかったですわ。アレック様、お願いします」
不満そうな顔のセシル様にお礼を言い、今度はアレック様とダンスを踊る事になったのだ。
「ソフィーナ嬢はとてもダンスが上手だね。こんなに上手だとは知らなかったよ」
「ありがとうございます。今までダンスはあまり踊ってこなかったのですが、事故後ダンスに目覚めてしまって。アレック様もとてもお上手ですね。踊りやすいですわ」
激しく踊るセシル様に対し、アレック様はゆったり目だ。とはいえ、激しいダンスを踊って来て少し疲れていた私にはちょうどいい。
「それはよかったよ。それにしても、本当にソフィーナ嬢は変わったね。まるで月の女神の様に美しいよ…」
「えっ?」
「いや、何でもない。ソフィーナ嬢は、ファラオと結婚したがっていたみたいだけれど…その…」
「私はもうファラオ殿下には、興味がありませんわ。それに殿下とソラ様、とってもお似合いなので、全力で2人を祝福しようと思っております。心配して下さり、ありがとうございます。アレック様はお優しいのですね」
きっとアレック様も、私がまだファラオ殿下の事が好きで、傷ついているのではないかと心配してくださったのだろう。
「俺は優しくはないよ。でも、ソフィーナ嬢はそんな風に思ってくれたのだね。ありがとう。それじゃあ、ソフィーナ嬢は今、好きな人も婚約者候補もいないという事でいいのかい?」
「はい、おりませんわ」
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