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第26話:今度はピクニックです
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「お嬢様、今日は動きやすい格好の方がよろしいかと。こちらのワンピースにいたしましょう。靴はこちらを。髪は編み込みにさせていただきますね」
「ありがとう。確かにこの格好だと、動きやすいわね。私、ピクニックに行くのは初めてなの。とても楽しみだわ」
アレック様と街にお出かけをして1週間後、今度はセシル様と一緒に、ピクニックに行く事になっている。私がピクニックに行ったことがないと話したら、セシル様が提案してくれたのだ。
前世ではずっと病院ばかりだったし、今世ではほとんどの時間、お屋敷で過ごしていた為、ピクニックに行くのは初めてなのだ。この前の街といい、今日のピクニックといい、新たな経験が出来る事が嬉しくてたまらない。
つい楽しみすぎて、準備が出来ると玄関まで来てしまった。
「お嬢様、お約束よりも30分も早いですよ。もう少し、お部屋でお待ちになったらいかがですか?」
「楽しみすぎて待ちきれないの。それにしても、とてもいい天気ね。晴れて本当によかったわ」
今日は雲一つない快晴だ。まさにピクニック日和。料理長が作ってくれたお弁当も持ったし、早くセシル様、いらっしゃらないかしら?
首を長くして待っていると、セシル様の家の馬車が入って来たのだ。
「おはよう、ソフィーナ嬢。もしかして待たせてしまったかい?」
「おはようございます、セシル様。今日のピクニックが楽しみすぎて、少し早めに待っていただけなので気にしないで下さい。今日はよろしくお願いします」
「楽しみにしてくれていただなんて、嬉しいな。こちらこそ、よろしくね。それじゃあ行こうか」
当たり前のように手を差し伸べてくれるセシル様。せっかくなのでセシル様の手を取り、そのまま馬車に乗り込んだ。セシル様は騎士団で活躍されているとあって、お兄様やアレック様の手よりもガッチリしている。
とても男らしい手だ。
「ソフィーナ嬢の今日の格好、とても可愛らしいね。ドレス姿も素敵だったが、動きやすいワンピースもとてもよく似合っているよ」
「ありがとうございます。セシル様も、白いシャツと黒のズボン、とても似合っていますよ。とても素敵ですわ」
相変わらず、セシル様はお世辞がうまいわね。
「ソフィーナ嬢は、山に行くのが初めてなのだよね。馬車で行けるだけ行くけれど、どうしても馬車が入れない場所もあって。歩くけれど、大丈夫かい?」
「ええ、もちろんですわ。その為に、歩きやすい靴を履いて来ましたので。任せて下さい」
この日の為に、歩きやすい靴を新調したのだ。靴ずれを起こさない様に、履きならしたし。きっと大丈夫だろう。
「ソフィーナ嬢は、本当に変わったね。令嬢はあまり山や森は行きたがらないのだよ。それなのに、ソフィーナ嬢は楽しみにしてくれていたのだよね」
「確かに令嬢たちは、山よりも宝石やドレスに興味がありますよね。ですが私は、色々な世界をこの目で見たいのです。一度きりの人生ですもの、目いっぱい楽しまないと勿体ないかと。それに山は空気も綺麗と聞きますし、可愛い動物や美しい湖なども見られるのですよね。
宝石やドレスよりも、よほど美しくて心に残ると思いますわ」
宝石やドレスよりも私は、楽しい思い出を作りたい。それが前世からの私の想いなのだ。
「ああ、可愛い動物もいるし、今日行く山は、それはそれは美しい湖があるよ。今のソフィーナ嬢なら、きっと気に入ってくれるだろう」
そう言って笑ったセシル様。彼もなんだか嬉しそうだ。
ふと窓の外を見ると、建物ばかりの王都の街ではなく、田園風景が広がっていた。そして山々も目に飛び込んできたのだ。
「さっきまで建物ばかりだったのに、山が見えておりますわ。あの山に行くのですか?」
「ああ、そうだよ。あそこは比較的標高も低く馬車でも奥の方まで行けるし。何よりも王都からも比較的近いし、クマや狼などの危険な動物もいないからね」
そう教えてくれたセシル様。確かにまだ馬車に乗り込んで30分くらいしか経っていない気がする。こんな近くに、山があっただなんて。
「ありがとう。確かにこの格好だと、動きやすいわね。私、ピクニックに行くのは初めてなの。とても楽しみだわ」
アレック様と街にお出かけをして1週間後、今度はセシル様と一緒に、ピクニックに行く事になっている。私がピクニックに行ったことがないと話したら、セシル様が提案してくれたのだ。
前世ではずっと病院ばかりだったし、今世ではほとんどの時間、お屋敷で過ごしていた為、ピクニックに行くのは初めてなのだ。この前の街といい、今日のピクニックといい、新たな経験が出来る事が嬉しくてたまらない。
つい楽しみすぎて、準備が出来ると玄関まで来てしまった。
「お嬢様、お約束よりも30分も早いですよ。もう少し、お部屋でお待ちになったらいかがですか?」
「楽しみすぎて待ちきれないの。それにしても、とてもいい天気ね。晴れて本当によかったわ」
今日は雲一つない快晴だ。まさにピクニック日和。料理長が作ってくれたお弁当も持ったし、早くセシル様、いらっしゃらないかしら?
首を長くして待っていると、セシル様の家の馬車が入って来たのだ。
「おはよう、ソフィーナ嬢。もしかして待たせてしまったかい?」
「おはようございます、セシル様。今日のピクニックが楽しみすぎて、少し早めに待っていただけなので気にしないで下さい。今日はよろしくお願いします」
「楽しみにしてくれていただなんて、嬉しいな。こちらこそ、よろしくね。それじゃあ行こうか」
当たり前のように手を差し伸べてくれるセシル様。せっかくなのでセシル様の手を取り、そのまま馬車に乗り込んだ。セシル様は騎士団で活躍されているとあって、お兄様やアレック様の手よりもガッチリしている。
とても男らしい手だ。
「ソフィーナ嬢の今日の格好、とても可愛らしいね。ドレス姿も素敵だったが、動きやすいワンピースもとてもよく似合っているよ」
「ありがとうございます。セシル様も、白いシャツと黒のズボン、とても似合っていますよ。とても素敵ですわ」
相変わらず、セシル様はお世辞がうまいわね。
「ソフィーナ嬢は、山に行くのが初めてなのだよね。馬車で行けるだけ行くけれど、どうしても馬車が入れない場所もあって。歩くけれど、大丈夫かい?」
「ええ、もちろんですわ。その為に、歩きやすい靴を履いて来ましたので。任せて下さい」
この日の為に、歩きやすい靴を新調したのだ。靴ずれを起こさない様に、履きならしたし。きっと大丈夫だろう。
「ソフィーナ嬢は、本当に変わったね。令嬢はあまり山や森は行きたがらないのだよ。それなのに、ソフィーナ嬢は楽しみにしてくれていたのだよね」
「確かに令嬢たちは、山よりも宝石やドレスに興味がありますよね。ですが私は、色々な世界をこの目で見たいのです。一度きりの人生ですもの、目いっぱい楽しまないと勿体ないかと。それに山は空気も綺麗と聞きますし、可愛い動物や美しい湖なども見られるのですよね。
宝石やドレスよりも、よほど美しくて心に残ると思いますわ」
宝石やドレスよりも私は、楽しい思い出を作りたい。それが前世からの私の想いなのだ。
「ああ、可愛い動物もいるし、今日行く山は、それはそれは美しい湖があるよ。今のソフィーナ嬢なら、きっと気に入ってくれるだろう」
そう言って笑ったセシル様。彼もなんだか嬉しそうだ。
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「ああ、そうだよ。あそこは比較的標高も低く馬車でも奥の方まで行けるし。何よりも王都からも比較的近いし、クマや狼などの危険な動物もいないからね」
そう教えてくれたセシル様。確かにまだ馬車に乗り込んで30分くらいしか経っていない気がする。こんな近くに、山があっただなんて。
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